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第3話 まさか聖夜にプロポ……いえ、わたしなにも気がついていません。
3−16 *
しおりを挟むさすがにしっかりした宿だから、きっちりと大きめの浴槽も、シャワーの魔道具も完備されててさ。
おおー! って思ってたら、ラルフが後ろから抱きついてきて。
後ろ手でシャワーのお湯を出して、ぱたぱたぱたと、ふたりずぶ濡れになる。突然でびっくりして目を閉じていると、うしろでラルフが石鹸を泡立てはじめていて。
ラルフがシャワーを止める。
代わりに浴槽にお湯を溜めはじめたみたいだけど、そっちを向く余裕なんてなくて。
「ひゃっ」
「まずは背中から……な?」
「ん……っ」
わざとだよねっ。つつつって、指でいじわるしてから……っ、もうっ。
手のひら全体で背中を撫でるように洗って、そのまま両手を前に移動させて——、
「ぁ……ラルフ……っ」
「ん。しっかり洗わねーとな?」
「ちゃんと洗うっ、洗うからっ」
主張しているけど、彼の手が容赦なく胸にのびてきて——強く揉みしだかれて、力がぬける。
膝から崩れ落ちそうになったけど、がっしりとラルフに抱きとめられたから、ことなきをえた。
立ったままだと危ないって感じたからかな。
彼はわたしを浴槽を背もたれに、浴室の床に座らせる。彼も膝で立ったまま、わたしにキスをして、そのまま体のあちこちに触れてゆく。
「んっ……んぅ……」
「しっかり、洗おうな……?」
「ま……おっぱい、ばっか……」
「ん。オマエの、大事なところだろ?」
なにかおかしいか?
まるでそう言わんばかりに、彼は満足そうに、胸を重点的に洗って。
真っ白な泡をもくもく泡立てて、それで乳首を覆い隠す。
「かわいい」
「いじわるしないで」
「泡で汚れを落としてるだけ」
「もうっ」
「ひろい風呂——一緒にはいるの、はじめてだろ?」
「んっ……」
「折角だから……な?」
なんてギラギラした目を向けられたら、何を考えているかなんていやでもわかっちゃう。
…………でも。
わたしだって、期待する気持ちあるみたいで。
片足を持ちあげられて、指先から順番に、彼の泡でいっぱいの手が肌を滑っていく。
両手で丁寧に、揉むように隅々まで触れられて——指も、踵も、ふくらはぎも、膝裏も。ねっとりと彼の手が上に、上にと上がってくるのに、大事な場所は触れてくれない。
もう片方の足も下から順番に、彼の手が上に、上にと上がってきて。
腿と、脚の付け根の部分を重点的に触れられているときにはもう、わたしは両足をひらいてるような形にさせられてて。
彼がわたしの股のあいだに割り入るようにして、いっぱいキスを落としてくる。
「ここにも……また、つけておかないと」
「ぁっ……」
ちう、と、首を強く吸われた。
制服では隠れない場所——これじゃあほんとうに、所有印だ。
「目立つところは……」
「ダメ。まだ、絶対。他にも、今回みたいなことしそうなヤツいるし」
「いないよっ」
「いや。絶対、いる。オマエ、マジで無防備すぎ」
「うっ……」
「仕事の時間までは守ってやれないんだ。自覚してくれ」
「うううっ……」
彼の言っていることはわかる。
わかるけど。
「だから。ちゃんと、オマエがオレのモンだって証拠、身につけるまでは、絶対、消さない」
ラルフってば、開き直っちゃってる。
ラルフのものになった証拠を身につける——つまりそれって……って考えちゃった。
「ほら。しっかり匂い落とすぞ? で、オレも洗ってくれるな?」
「ん……ぅん」
アパートの浴室は狭いけど、ふたりで何度も一緒に入っててさ。普段から洗いっことかするもんね。
ラルフはわたしの胸に、自分の胸を押しつけるように密着してきて、わたしも腕を伸ばす。彼の背中に、互いに泡を分けあうように強く抱きしめあった。
「……ラルフ、その……」
「ん?」
「固いの……あたって……」
「ん。オマエが可愛くて、こんなんなっちまってる」
「んんっ」
なんて、お腹にぐりぐり、熱くて固いのが押しつけられて。
それだけできゅんってなるの、ほんと……もう……!
「ここも、洗わなきゃな——」
なんていいながら、ラルフはわたしの両膝を抱えるようにしてさ? 大事なところに、彼の熱い猛りをゆっくり押し当てる。
そのままわたしの両腿がくっつくように抱きかかえて、擦るようにして前後させた。
「ひゃっ……」
「泡のおかげで、滑りがいいな?」
「ふ、んんんっ……」
「ヤベ、興奮してきた」
「と、とっくに……してた、でしょ……っ」
「くっ……だな」
なんて彼の呼吸も荒くなってて。
表面を擦るだけの動きだから、わたしは切なさだけが積もっていく。
やばっ。
ううう、ほしく、なっちゃうかも。
あそこがひくひくしちゃって、物足りない。
でも、ラルフは擦るのに一生懸命になっててさ。熱くて、太くて、ぼこぼこした竿が、わたしの股の間を前後に移動してて。
「すげえすべる……石鹸以外のぬるぬるもすげえな?」
「だってっ……」
「くっ……!」
なんて笑いながらも、彼は余裕なさそうで。
「ヤベ、いっかい、……出っ……!」
わたしの腿を強く抱きしめたまま、彼はわたしのお腹に向かって果てた。
びゅく、びゅくって彼のモノが力強く脈動しているのがわかる。
とろとろした白い液体が、泡と混ざりながらおへそに溜まっていった。
「も、もう……っ」
せっかく洗ったのに。
でも、彼の精液がかけられて——わたしが、彼のものになったんだなーって思うと。ちょっとだけね? 嬉しい気持ちとかがでてきて、強く言えなくて。
「はっ…クソ、やべ。オレ、ソーローじゃねえのに……」
「もう」
「しかたねえだろ。リリー抱いてると思うと、いつもスゲエ興奮する」
「……ぅん」
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