【R18】嘘から本気にさせられちゃった恋のおはなし。

浅岸 久

文字の大きさ
57 / 59
第3話 まさか聖夜にプロポ……いえ、わたしなにも気がついていません。

3−17 *

しおりを挟む

 はっきり言われると、わたしも恥ずかしいわけですが。

 ラルフはふるふると頭を振りながら、魔道具を切り替える。
 もう浴槽にはいっぱいお湯が溜まっていているからね。かわりに、固定されたシャワーヘッドから雨みたいにお湯が降ってきて、泡と一緒にラルフの精液も流していって——。

「少し待ってろ?」
「?」

 ラルフはひとり立ち上がって、適当に泡を洗い流してから脱衣所の方へ手を伸ばす。

「こういう宿なら…………お。あった」
「?」

 がちゃがちゃと備え付けの棚を調べていたみたいで、なにかを手にとって。振り返った彼の顔を見た瞬間に、わたしも理解する。

「ん」
「…………もう」

 咥えてますね。
 避妊の実をね。
 そっか。たしかに、こういったきれいめの宿に置かれるアイテムの定番ではある。
 
 彼が手を伸ばして、わたしを立たせる。
 すっかり泡は流れ落ちていて、わたしは綺麗になった肌で彼とくっついて。
 彼が少し俯くように屈んで、わたしは彼の頬に両手を伸ばす。

 ちょっとだけ背伸びして、彼の口から避妊の実を受け取った。
 ぷちゅんって口の中でつぶして、こくりとのみ込む。そのままラルフと舌を絡めあうキスをして、もう一度目をあわせて——。

「どうしようかな——せっかくの風呂だし」

 なんて彼は視線をさまよわせたあと、シャワーも止めて、浴槽の中へとはいる。

「——ほら、リリー。来いよ?」

 で、わたしの手を引っ張ってさ?

「……もう」
「でも、たまにはいいだろ? こういうのも」
「ううっ」

 ラルフは色々、趣向を変えてやりたがるトコあるけど。
 なるほどー。こういうの、やりたかったんだーって実感したら急に恥ずかしくなるといいますか、なんといいますか。
 浴槽は大きくて、座っている彼を見おろすとさ? また……彼のものはおっきくなってて。

「ほーらー? リリー」
「ぅん……」

 わたしもわたしで、もう切なくて、彼の導くままに浴槽の中に足をいれる。
 向きあったまま、ゆっくりと座るとね? その……わたしの、割れ目のとこに、おっきな、アレが、あたってまして。

 大きな水の音が響くのも妙に恥ずかしいけど。でも、心臓の音うるさいし、落ち着かないけど、やっぱりほしいし。

「こいよ……な?」
「ん——」

 彼に導かれるようにして、ゆっくりと腰を沈めていく。
 直接触れられていないのに、もう切なくなってたそこにね? 湯船の中だからか、すごく簡単に彼とひとつになって。
 ——おなかの奥にいっぱい、彼の存在を感じてる。

「ぅ……きもち、い……」

 気がついたらそんな声が漏れちゃってて、ラルフが頬を赤くしてた。

 はーっ……からだが、熱い。
 このまま長湯したらのぼせちゃいそう。だけど、もっとこの熱を感じていたくもあって。
 ラルフの肌も、いつもよりも温かくて、もっとくっつけたくなる。
 お湯なのか汗なのかぜんぜんわかんないけど、ふたりでびしょびしょになりながら、ゆっくりと腰を動かした。

 ラルフがわたしの髪を梳いていく。
 濡れた髪で遊ぶの好きみたいで、くるくると指に巻き付けながらさ、すっごく幸せそうな顔をするの。
 ふふ。
 ラルフ、最近すごく優しい表情を見せてくれるようになった。
 こうやって胸がいっぱいになるような。

「すげ……オマエんなか、あったけー」
「ん。ラルフのも、あついよ?」
「そっか」
「ぅん」

 はにかみながら、ふたりで気持ちいいところを探す。
 わたしは両腕を彼の首にまわしてさ? 腰を上下に動かしたらね。じゃぶ、じゃぶって水音が響いて。
 でも、気持ちよくて夢中になっちゃう。
 きっと、ラルフも。

「——ラルフも、きもち、い……?」
「ん。いいよ。すごく」
「ぅん」

 目を細めてとろんとしてくれるのが嬉しくて、がんばる。
 すごく熱くて、なんだか体の内側から、ぽかぽか、ぽかぽか、熱に溺れていくみたい。
 でも大丈夫。
 ラルフとなら怖くない。

「ね……ラルフ」
「ん?」
「イき、そ」
「ん。いーよ。ほら」

 じゃばじゃばっ。

 ラルフの突き上げが激しくなって、浴槽からお湯がこぼれちゃう。でも、そんなの気にしていられないくらい、わたしはラルフにしがみついているだけで必死で。
 はっ、はっ……って、荒く息を吐きながら、こみ上げてくる快感に流されて。

「ぅ……んっ、ら、ラルフ……」
「ああ、オレも……」
「ん、んんっ、イく……っ」
「イけ……っ!!」

 彼が再び精を放ったとき、わたしの意識も、ぱちぱちと弾けた。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。

カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」 なんで?! 家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。 自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。 黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。 しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。 10人に1人いるかないかの貴重な女性。 小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。 それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。 独特な美醜。 やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。 じれったい恋物語。 登場人物、割と少なめ(作者比)

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

処理中です...