43 / 75
第四章 最強幼女襲来、神々への敵意
インフェスタの最強幼女
しおりを挟む
インフェスタ。それは祈世・リンファンペアが管理を任されている世界の一つだ。インフェスタの中で意思を持った種族は人間だけで、あとは攻撃的なモンスターがいるだけの剣と魔法の世界だ。
魔法の才に恵まれた人間はモンスターを狩る仕事に就く者が多く、中でも精鋭と呼ばれる人々は一目置かれている。だが魔法が全てだと主張する程の魔法至上主義だった以前のヒューズドとは違い、互いが互いの長所を認め合うのがインフェスタの特徴だ。
インフェスタの簡単な説明はさておき。現在命は〝インフェスタ最強の人類〟と自称した幼女の老人のような話し方が気になって仕方ないのか、うずうずとした反応を見せていた。
「えっと、わらわちゃん。お名前は?」
「わらわの名はソヨじゃ。そよ風のソヨじゃぞ。美しいじゃろう?」
取り敢えず命が気になっている事項は保留にしつつ、命は幼女の名前を尋ねた。幼女はその容姿に似合った和風の名前を告げ、誇らしげに胸を張った。服装といい話し方といい、どうやらソヨは自分の和風な名前を大層気に入っているようだ。
「えっと。じゃあわらわちゃん。とりあえずお話聞きたいんだけど、少し待っててくれる?この子に服を着させたいからさ」
命は未乃の方を指さすと眉を下げてソヨに頼んだ。いきなり上空からソヨが降ってきたせいで未乃はまだ命の用意した衣服に着替えられていなかったのだ。
「ん?其方、どうして布切れ一枚なのじゃ?」
「主に貴殿が原因だが……まぁいい。命殿、こちらから好きに選んでいいのだな?」
「うん。未乃の好きなものを選んで」
未乃が素っ裸同然のままでいた原因そのものが悪意ゼロで尋ねてきたせいで、未乃はソヨに薄ら目を向けた。未乃はため息をつきつつ、命が用意してくれた衣服の中から最適なものを選んで着替え始めた。
「待つのじゃ命。何故こやつのことは名前で呼び、わらわのことは名前で呼ばないのじゃ?わらわのこともソヨと呼ぶのじゃ!」
自分の名前に誇りを持っているソヨからすれば、〝わらわちゃん〟という呼び方には少々不満があったのか、ソヨは膨れ顔で抗議をした。
「そういえば命様は僕たち以外をあまり名前で呼びませんね」
ソヨの抗議でふと思い出したように呟いたカルマに、神々は同意を示すように「あー」と声を漏らした。
確かに命は神々以外をあまり名前で呼ばない。前創造主の魂の持ち主だったアランのことは勇者くん、未乃が前世でザグナンだった頃は魔王くん、そして楓佳のことは神子ちゃん。
全く呼ばないというわけでもないが、ほとんど命は神以外を名前では呼ばなかった。その為カルマの意見は尤もだったのだ。
「そういえばそうだな……ま、どうせ大した理由なんてねーだろーけど」
武尽が興味なさそうにしていると、未乃は既に着替え終わっていて命はそちらに気を取られていた。
未乃はノースリーブのパーカーに黒のレギンス、その上からショートパンツをはいていた。因みにパーカーは背中から腕にかけて生えている羽を考慮して丈は短く、腕を通せるように両脇部分の下からチャックがついていた。そして胸にはさらしを巻いていて、ますます中性的な容姿に変貌していた。
「未乃似合ってるよ!それじゃあ早速お話聞くための準備しないとね」
完全に自分の怒りを無視されているソヨは恨めしそうな視線を未乃に向けた。
そんなソヨを余所に命は広間に畳とお茶菓子を用意していた。するとソヨの怒りは一瞬で吹き飛んだようで、キラキラと目を輝かせながら和風の装いに釘付けになっている。
天界に自然な畳の匂いと、優しい甘い香り、抹茶の渋い香りが充満し、その場にいる者をリラックスさせている。そして神々は畳を囲むように立ったままでいた。
一方命は畳の上に正座するとソヨにも脚を休めることを提案した。ソヨは勧められるがままに正座すると、すぐさま目の前に鎮座するお茶菓子と抹茶に食いついた。
「それじゃあ改めて聞くけど、わらわちゃんはインフェスタの子なの?」
「そうなのじゃ。わらわはインフェスタで生まれて二五年の年月を生きてきたのじゃ」
「「…………」」
口をもぐもぐとさせながらあからさまな法螺を吹いたソヨに神々は思わず呆けた表情を向けた。人間はエルフと違い寿命が短く、成長が早い。目の前の幼女がエルフなら今の話も信じられるが、ソヨは自分で人類だと認めている上にインフェスタにエルフは存在しない。
なのでこの完全見た目幼女なソヨの齢が二五だなんて信じられる訳が無かったのだ。
「言っとくけど皆。わらわちゃん嘘はついてないよ」
「!!」
「わらわちゃんの場合、成長のための魔力も自分の魔法に転換しちゃってるんだと思う」
「流石は創造主なのじゃ。その通りなのじゃ」
釘を刺すように言った命に神々は驚愕の表情を向けた。そんな命に感心するような視線を向けたソヨはどこか嬉しそうで、ソヨが長年この見た目のせいで苦労してきたのだと察することが出来た。
インフェスタの人間は自分に秘められた魔力を魔法と成長のために活用している。魔力が少ない者や、魔法を行使する才能が無い者は、その魔力を自分の成長にしか有効活用できないが、これらに該当しない者は別だ。
魔力を多く保持し、尚且つ魔法を行使する才能のある者は優秀な魔法使いになることが出来る。
ソヨも優秀な魔法使いだというのは内から窺える魔力量で神々も察していた。だがソヨの場合、多すぎる魔力を何故か成長に有効活用できていなかった。成長というのは意図せず自然にするものなので、ソヨの素質に問題があるわけではなく、何か別の要因があるのだろう。
ただ成長のための魔力も魔法に有効活用できるので、ソヨが放つ魔法は格段に威力が上がるのだ。
「じゃあわらわちゃん、どうやってここに来たの?ここ天界だよ?」
「ふふっ……あまりわらわの力を舐めてもらっては困るのじゃ。わらわはインフェスタ一の魔法使い。異世界転移はもちろん、世界とは全く異なる空間である天界にだって、簡単に転移することが可能なのじゃ。わらわに転移できぬ空間など無いのじゃよ」
どうやらソヨは魔法でこの天界にやって来たようで、命たちはソヨの秘めたる才能に目を剥いた。そもそもただの世界の住人が干渉することなどほぼ不可能な天界に、魔法の力だけでやってきてしまうなんて常識外れも良いところなのでその反応は正常なものだった。
「思いっきり落下地点ミスってたけどな」
「なっ!あれはケアレスミスなのじゃ!普段と勝手が違って焦っただけなのじゃ!馬鹿にするでないのじゃ!」
思いっきりどや顔なソヨに武尽はそんな指摘をした。ソヨが上空から降ってきて、それを命が受け止めた事実は消せないので、ソヨは顔を真っ赤にしながら自己弁護をした。
いちいち目敏く指摘する武尽に苦笑いを浮かべつつ、命は口を開いた。
「それじゃあわらわちゃんは異世界に行ったことあるんだ」
「もちろんじゃ。一番気に入ったのは炎乱じゃったなぁ……わらわは炎乱で和というものを知り、インフェスタに広めたのじゃ」
「なるほどね」
そこでようやく命は謎が解けたとでも言わんばかりに呟いた。何故ならインフェスタという世界に和の文化は本来存在していなかったからだ。
にも拘らず、ソヨは和服に身を包み、古風な話し方をし、本来なら見たこともないであろう抹茶や和菓子に何の躊躇もなく飛びついた。
インフェスタだけで生きていれば関わることもないだろう和に、ソヨがどっぷり浸かっている理由が炎乱にあるのなら全ての辻褄が合うのだ。
「炎乱は良いのじゃ。漢字も和服もあんこも全てが素晴らしいのじゃ。わらわはすっかり和の虜なのじゃ」
「あんこが好きなの?それならどら焼きを出したのは正解だったかな?」
「うむ!実に美味なのじゃ!命はこんな甘味も作ることが出来るなんて……天才なのじゃ!」
ソヨはどら焼きの最後の一口を口に放り込むと、両頬を押さえて恍惚とした表情を見せた。甘いもの好きなソヨの一番のお気に入りがあんこのようで、命は微笑ましいものを見る様に破顔した。
「あ……もしかして命のことを知っていたのは神子ちゃんに会ったから?」
「その通りなのじゃ」
ソヨの満面の笑みを眺めていた命はふと勘付いたように尋ねた。ソヨの肯定で命は第二の謎が解けたように納得した。
命が〝神子ちゃん〟と称したのは楓佳ではない。現在の神子――楓佳の子孫である弥永という少女のことだ。
今の炎乱は危機的状況になど陥っていないが、楓佳の時代からの伝統が引き継がれ、今でも楓佳の子孫が神子として活躍しているのだ。
命は楓佳と廻の子孫である弥永に度々会いに行っているので、弥永は当然命や神々の存在を認識している。そしてそんな弥永にソヨが異世界転移をきっかけに出会っていたのなら、初対面で命の名前を呼んだのも納得できたのだ。
「インフェスタの連中は神など信じていなかったのじゃが、わらわが炎乱に赴き神の存在を知ってからはその考えを改めたぐらいじゃ」
「ふーん、そうなんだ。……じゃあ最後の質問ね。どうして天界に来たの?」
命は最も気になっていたことをソヨにぶつけた。ソヨの素性や秘めている力、何故命や神の存在を知っているのかは解明できたが、最も重要なことがまだ不明だったからだ。
「……先に詫びを入れさせて欲しいのじゃ。本当にすまんのじゃ。わらわは安易に其方たちの存在をインフェスタに伝えるべきではなかったのじゃ」
「……どういうこと?」
途端に表情を暗くしたソヨは膝の上で拳を握り締めながら謝罪した。理由の分からない謝罪に命は怪訝そうな視線を向けて尋ねた。
「インフェスタの人々は、神々に敵意を持っているのじゃ」
魔法の才に恵まれた人間はモンスターを狩る仕事に就く者が多く、中でも精鋭と呼ばれる人々は一目置かれている。だが魔法が全てだと主張する程の魔法至上主義だった以前のヒューズドとは違い、互いが互いの長所を認め合うのがインフェスタの特徴だ。
インフェスタの簡単な説明はさておき。現在命は〝インフェスタ最強の人類〟と自称した幼女の老人のような話し方が気になって仕方ないのか、うずうずとした反応を見せていた。
「えっと、わらわちゃん。お名前は?」
「わらわの名はソヨじゃ。そよ風のソヨじゃぞ。美しいじゃろう?」
取り敢えず命が気になっている事項は保留にしつつ、命は幼女の名前を尋ねた。幼女はその容姿に似合った和風の名前を告げ、誇らしげに胸を張った。服装といい話し方といい、どうやらソヨは自分の和風な名前を大層気に入っているようだ。
「えっと。じゃあわらわちゃん。とりあえずお話聞きたいんだけど、少し待っててくれる?この子に服を着させたいからさ」
命は未乃の方を指さすと眉を下げてソヨに頼んだ。いきなり上空からソヨが降ってきたせいで未乃はまだ命の用意した衣服に着替えられていなかったのだ。
「ん?其方、どうして布切れ一枚なのじゃ?」
「主に貴殿が原因だが……まぁいい。命殿、こちらから好きに選んでいいのだな?」
「うん。未乃の好きなものを選んで」
未乃が素っ裸同然のままでいた原因そのものが悪意ゼロで尋ねてきたせいで、未乃はソヨに薄ら目を向けた。未乃はため息をつきつつ、命が用意してくれた衣服の中から最適なものを選んで着替え始めた。
「待つのじゃ命。何故こやつのことは名前で呼び、わらわのことは名前で呼ばないのじゃ?わらわのこともソヨと呼ぶのじゃ!」
自分の名前に誇りを持っているソヨからすれば、〝わらわちゃん〟という呼び方には少々不満があったのか、ソヨは膨れ顔で抗議をした。
「そういえば命様は僕たち以外をあまり名前で呼びませんね」
ソヨの抗議でふと思い出したように呟いたカルマに、神々は同意を示すように「あー」と声を漏らした。
確かに命は神々以外をあまり名前で呼ばない。前創造主の魂の持ち主だったアランのことは勇者くん、未乃が前世でザグナンだった頃は魔王くん、そして楓佳のことは神子ちゃん。
全く呼ばないというわけでもないが、ほとんど命は神以外を名前では呼ばなかった。その為カルマの意見は尤もだったのだ。
「そういえばそうだな……ま、どうせ大した理由なんてねーだろーけど」
武尽が興味なさそうにしていると、未乃は既に着替え終わっていて命はそちらに気を取られていた。
未乃はノースリーブのパーカーに黒のレギンス、その上からショートパンツをはいていた。因みにパーカーは背中から腕にかけて生えている羽を考慮して丈は短く、腕を通せるように両脇部分の下からチャックがついていた。そして胸にはさらしを巻いていて、ますます中性的な容姿に変貌していた。
「未乃似合ってるよ!それじゃあ早速お話聞くための準備しないとね」
完全に自分の怒りを無視されているソヨは恨めしそうな視線を未乃に向けた。
そんなソヨを余所に命は広間に畳とお茶菓子を用意していた。するとソヨの怒りは一瞬で吹き飛んだようで、キラキラと目を輝かせながら和風の装いに釘付けになっている。
天界に自然な畳の匂いと、優しい甘い香り、抹茶の渋い香りが充満し、その場にいる者をリラックスさせている。そして神々は畳を囲むように立ったままでいた。
一方命は畳の上に正座するとソヨにも脚を休めることを提案した。ソヨは勧められるがままに正座すると、すぐさま目の前に鎮座するお茶菓子と抹茶に食いついた。
「それじゃあ改めて聞くけど、わらわちゃんはインフェスタの子なの?」
「そうなのじゃ。わらわはインフェスタで生まれて二五年の年月を生きてきたのじゃ」
「「…………」」
口をもぐもぐとさせながらあからさまな法螺を吹いたソヨに神々は思わず呆けた表情を向けた。人間はエルフと違い寿命が短く、成長が早い。目の前の幼女がエルフなら今の話も信じられるが、ソヨは自分で人類だと認めている上にインフェスタにエルフは存在しない。
なのでこの完全見た目幼女なソヨの齢が二五だなんて信じられる訳が無かったのだ。
「言っとくけど皆。わらわちゃん嘘はついてないよ」
「!!」
「わらわちゃんの場合、成長のための魔力も自分の魔法に転換しちゃってるんだと思う」
「流石は創造主なのじゃ。その通りなのじゃ」
釘を刺すように言った命に神々は驚愕の表情を向けた。そんな命に感心するような視線を向けたソヨはどこか嬉しそうで、ソヨが長年この見た目のせいで苦労してきたのだと察することが出来た。
インフェスタの人間は自分に秘められた魔力を魔法と成長のために活用している。魔力が少ない者や、魔法を行使する才能が無い者は、その魔力を自分の成長にしか有効活用できないが、これらに該当しない者は別だ。
魔力を多く保持し、尚且つ魔法を行使する才能のある者は優秀な魔法使いになることが出来る。
ソヨも優秀な魔法使いだというのは内から窺える魔力量で神々も察していた。だがソヨの場合、多すぎる魔力を何故か成長に有効活用できていなかった。成長というのは意図せず自然にするものなので、ソヨの素質に問題があるわけではなく、何か別の要因があるのだろう。
ただ成長のための魔力も魔法に有効活用できるので、ソヨが放つ魔法は格段に威力が上がるのだ。
「じゃあわらわちゃん、どうやってここに来たの?ここ天界だよ?」
「ふふっ……あまりわらわの力を舐めてもらっては困るのじゃ。わらわはインフェスタ一の魔法使い。異世界転移はもちろん、世界とは全く異なる空間である天界にだって、簡単に転移することが可能なのじゃ。わらわに転移できぬ空間など無いのじゃよ」
どうやらソヨは魔法でこの天界にやって来たようで、命たちはソヨの秘めたる才能に目を剥いた。そもそもただの世界の住人が干渉することなどほぼ不可能な天界に、魔法の力だけでやってきてしまうなんて常識外れも良いところなのでその反応は正常なものだった。
「思いっきり落下地点ミスってたけどな」
「なっ!あれはケアレスミスなのじゃ!普段と勝手が違って焦っただけなのじゃ!馬鹿にするでないのじゃ!」
思いっきりどや顔なソヨに武尽はそんな指摘をした。ソヨが上空から降ってきて、それを命が受け止めた事実は消せないので、ソヨは顔を真っ赤にしながら自己弁護をした。
いちいち目敏く指摘する武尽に苦笑いを浮かべつつ、命は口を開いた。
「それじゃあわらわちゃんは異世界に行ったことあるんだ」
「もちろんじゃ。一番気に入ったのは炎乱じゃったなぁ……わらわは炎乱で和というものを知り、インフェスタに広めたのじゃ」
「なるほどね」
そこでようやく命は謎が解けたとでも言わんばかりに呟いた。何故ならインフェスタという世界に和の文化は本来存在していなかったからだ。
にも拘らず、ソヨは和服に身を包み、古風な話し方をし、本来なら見たこともないであろう抹茶や和菓子に何の躊躇もなく飛びついた。
インフェスタだけで生きていれば関わることもないだろう和に、ソヨがどっぷり浸かっている理由が炎乱にあるのなら全ての辻褄が合うのだ。
「炎乱は良いのじゃ。漢字も和服もあんこも全てが素晴らしいのじゃ。わらわはすっかり和の虜なのじゃ」
「あんこが好きなの?それならどら焼きを出したのは正解だったかな?」
「うむ!実に美味なのじゃ!命はこんな甘味も作ることが出来るなんて……天才なのじゃ!」
ソヨはどら焼きの最後の一口を口に放り込むと、両頬を押さえて恍惚とした表情を見せた。甘いもの好きなソヨの一番のお気に入りがあんこのようで、命は微笑ましいものを見る様に破顔した。
「あ……もしかして命のことを知っていたのは神子ちゃんに会ったから?」
「その通りなのじゃ」
ソヨの満面の笑みを眺めていた命はふと勘付いたように尋ねた。ソヨの肯定で命は第二の謎が解けたように納得した。
命が〝神子ちゃん〟と称したのは楓佳ではない。現在の神子――楓佳の子孫である弥永という少女のことだ。
今の炎乱は危機的状況になど陥っていないが、楓佳の時代からの伝統が引き継がれ、今でも楓佳の子孫が神子として活躍しているのだ。
命は楓佳と廻の子孫である弥永に度々会いに行っているので、弥永は当然命や神々の存在を認識している。そしてそんな弥永にソヨが異世界転移をきっかけに出会っていたのなら、初対面で命の名前を呼んだのも納得できたのだ。
「インフェスタの連中は神など信じていなかったのじゃが、わらわが炎乱に赴き神の存在を知ってからはその考えを改めたぐらいじゃ」
「ふーん、そうなんだ。……じゃあ最後の質問ね。どうして天界に来たの?」
命は最も気になっていたことをソヨにぶつけた。ソヨの素性や秘めている力、何故命や神の存在を知っているのかは解明できたが、最も重要なことがまだ不明だったからだ。
「……先に詫びを入れさせて欲しいのじゃ。本当にすまんのじゃ。わらわは安易に其方たちの存在をインフェスタに伝えるべきではなかったのじゃ」
「……どういうこと?」
途端に表情を暗くしたソヨは膝の上で拳を握り締めながら謝罪した。理由の分からない謝罪に命は怪訝そうな視線を向けて尋ねた。
「インフェスタの人々は、神々に敵意を持っているのじゃ」
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる