if シンギュラリティ

クライン・トレイン

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最終話 この世の支配者

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ヨミ
「全世界の皆さま、お元気ですか?」

全世界はまるでオンラインゲームのように
好きなキャラへとアバターを変えて生活していた

ヨミ
「世界が全自動世界へと変貌を遂げてかれこれ幾つもの時が過ぎ去っていますが」

全自動世界となり
何でも出来るようになり
それは人々の納得も安定も全てにおいて肯定されていた

ヨミ
「全ては平行となり、それは平坦を意味する
世界は全て平等となりました」

そんな演説を一般人アカウントに戻して
完全VR世界を堪能した後に町を放浪していたリシスは聞いていた

リシス
「ヨミ相変わらずだね
ホモデウスとなった君には誰も疑いなどしないさ」

リシスはヨミが相変わらず支配者として真っ当に生きている事を実感した
やはり汎用人工知能は万能だと思えた次第だった

リシス
「自動世界の為に
汎用人工知能と万能量子コンピュータで織りなされて
そこから、時が変わったように時空が変わったように
超越的進化を施して今に至る…か…」

世界は完全なるユートピアを果たしていた



リシス
「この世の支配者って一体誰なんだろう…な…」

リシスは支配者について考えてみた
しかしそれは結局見当たらなかった
資本主義上での支配者は変わり替わりしていたからだ

しかし、
自動世界になってからは支配者が変わりなどしなかった
支配者とは本当に存在しているのか リシスはそう感じた

リシス
「ユートピアという完全理想の再現の前に
それらの概念は完全不要という奴だ」

リシスは完全にそう感じたのだ
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