36 / 66
人民革命
プリブレジヌイの戦い1
しおりを挟む
二日後、イリーナとクララは再びオレガ・ジベリゴワの家を訪れて、話の続きを聞く。
【50年前】
大陸歴1660年11月24日・ブラミア帝国・プリブレジヌイ
ルツコイは望遠鏡で地平線を見る。砂埃と近づく反乱軍の兵士たちが見えた。数はまだ、はっきりとは分からないが、相当な数のようだ。
数時間後、反乱軍が街壁のかなり近いところまでやって来た。見たところ数は二万以上と言うところだろうか。敵はそれほど遠くないところに横に長く展開している。しかし、兵士たちは整列もできておらず、纏まりなくバラバラでいるような状態だ。服装も軍服のもがわずかにみえるが、装備もしっかりしていない者が多かった。指揮系統がほとんどなっていないようだ。指揮官は誰なのだろうか?
「指揮官不在か?敵のあの状態なら、籠城しなくとも戦って勝てるかも知れんな」。
ルツコイは言った。
ユルゲンがそれに答える。
「指揮官はおそらくヴィクトル・ナタンソーンが執っているのではと思います。私とベルナツキーが追撃を受けた時、先頭にいたのはナタンソーンでした」。
「戦い方はどうだった?」
「戦闘の指揮は素人です」。
「なるほど」。ルツコイはにやりと笑った。「そういう事なら、私が出撃して様子を見てみよう」。
ルツコイはそういうと、配下の重装騎士団に集合を掛けた。
「たった三百人であの軍勢に攻撃を掛けるのですか?」
ベルナツキーが尋ねた。さすがに無謀ではないだろうか。ベルナツキーの心配をよそにルツコイは、ペシェハノフに命令を出した。
「ちょっと腕慣らしだ。まず、弓兵で街壁の上から攻撃させろ、反乱軍は近づきすぎていて、いい標的だ」。
ルツコイと先頭に分厚い鎧と盾を構えた重装騎士団が並ぶ、ユルゲンは重装備ではないが軍服を着て副司令官として、ルツコイの横に並んでいる。
「門を開けろ!」
ルツコイの号令と共に、部隊が突撃を掛ける。それに合わせて、街壁の上から弓兵の一斉射撃が開始された。
予想していなかったのか、攻撃を受けた反乱軍はすぐに混乱を始めた。
矢の攻撃が止まり、ルツコイの重装騎士団が反乱軍に斬り込んだ。反乱軍は逃げ出す者も多く、組織的な攻撃ができず、帝国軍の一方的な攻撃となっていた。
ユルゲンは魔術で指から稲妻を放ち、反乱軍兵士たちを倒していく。
しばらく戦闘の後、ルツコイは退却の命令を出した。短時間で四、五百名を打ち取り、その遺体が草原に転がっているのが見えた。
さすがの反乱軍も街壁から矢の届かない距離へと後退していった。
ルツコイは先ほどの反乱軍との戦いで、こちらに被害が全くなかったことで、籠城せずとも一挙に敵を叩けるのではと考えていた。
そこで、士官たちに命令をした。
「明日、全軍で反乱軍に対し攻撃を掛けようと思う。全く抵抗がないような状態だ。問題なく勝てるだろう。それに、もし、ナタンソーンを打ち取ることができれば、反乱軍を簡単に壊滅させることができるだろう」。
【50年前】
大陸歴1660年11月24日・ブラミア帝国・プリブレジヌイ
ルツコイは望遠鏡で地平線を見る。砂埃と近づく反乱軍の兵士たちが見えた。数はまだ、はっきりとは分からないが、相当な数のようだ。
数時間後、反乱軍が街壁のかなり近いところまでやって来た。見たところ数は二万以上と言うところだろうか。敵はそれほど遠くないところに横に長く展開している。しかし、兵士たちは整列もできておらず、纏まりなくバラバラでいるような状態だ。服装も軍服のもがわずかにみえるが、装備もしっかりしていない者が多かった。指揮系統がほとんどなっていないようだ。指揮官は誰なのだろうか?
「指揮官不在か?敵のあの状態なら、籠城しなくとも戦って勝てるかも知れんな」。
ルツコイは言った。
ユルゲンがそれに答える。
「指揮官はおそらくヴィクトル・ナタンソーンが執っているのではと思います。私とベルナツキーが追撃を受けた時、先頭にいたのはナタンソーンでした」。
「戦い方はどうだった?」
「戦闘の指揮は素人です」。
「なるほど」。ルツコイはにやりと笑った。「そういう事なら、私が出撃して様子を見てみよう」。
ルツコイはそういうと、配下の重装騎士団に集合を掛けた。
「たった三百人であの軍勢に攻撃を掛けるのですか?」
ベルナツキーが尋ねた。さすがに無謀ではないだろうか。ベルナツキーの心配をよそにルツコイは、ペシェハノフに命令を出した。
「ちょっと腕慣らしだ。まず、弓兵で街壁の上から攻撃させろ、反乱軍は近づきすぎていて、いい標的だ」。
ルツコイと先頭に分厚い鎧と盾を構えた重装騎士団が並ぶ、ユルゲンは重装備ではないが軍服を着て副司令官として、ルツコイの横に並んでいる。
「門を開けろ!」
ルツコイの号令と共に、部隊が突撃を掛ける。それに合わせて、街壁の上から弓兵の一斉射撃が開始された。
予想していなかったのか、攻撃を受けた反乱軍はすぐに混乱を始めた。
矢の攻撃が止まり、ルツコイの重装騎士団が反乱軍に斬り込んだ。反乱軍は逃げ出す者も多く、組織的な攻撃ができず、帝国軍の一方的な攻撃となっていた。
ユルゲンは魔術で指から稲妻を放ち、反乱軍兵士たちを倒していく。
しばらく戦闘の後、ルツコイは退却の命令を出した。短時間で四、五百名を打ち取り、その遺体が草原に転がっているのが見えた。
さすがの反乱軍も街壁から矢の届かない距離へと後退していった。
ルツコイは先ほどの反乱軍との戦いで、こちらに被害が全くなかったことで、籠城せずとも一挙に敵を叩けるのではと考えていた。
そこで、士官たちに命令をした。
「明日、全軍で反乱軍に対し攻撃を掛けようと思う。全く抵抗がないような状態だ。問題なく勝てるだろう。それに、もし、ナタンソーンを打ち取ることができれば、反乱軍を簡単に壊滅させることができるだろう」。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる