19 / 29
徹底抗戦派の反乱
第7話・幕切れ
しおりを挟む
炎がさらに強まってきた。もう甲板上に居るのは限界だ。
私も甲板から海へ飛び込んだ。
海面からあたりの様子をうかがう。燃え上っている “アーベントイヤー号” を除く、 “エンデクン号” 、“ヘアラウスフォーダンド号” 、“アンゲヴィーゼン号” の三隻が動き始めていた。オストハーフェンシュタットに向けて移動を開始したようだ。
しかし、一番大きな“アーベントイヤー号”が炎上しているため、多くの兵士が桟橋に取り残されたままとなっている。
そこへ、ブロンベルクの部隊がようやく到着し、戦いが始まった。
乗船できず取り残されている反乱兵は二百人ばかりだろう。ブロンベルクの部隊は千人近くいた。戦いに決着がつくのに時間はさほどかからないと予想ができた。
私は泳いで桟橋にたどり着く。海面から桟橋の上によじ登った。
しばらくして、ブロンベルクの部隊と反乱兵の戦いに決着がついた。反乱兵は討たれるか降伏した。
私は歩いてブロンベルクの部隊に近づいた。最初、兵たちに警戒されて取り押さえられたが、私に気が付いたブロンベルクが解放してくれた。
「彼はこちら側だ」。
私は礼を言った。
「助かります」。
「最初は城に居たな。今まではどこにいた?」
私はこれまでの経緯を話した。
「城内で修練所から逃げた者を探しておりましたら、街で煙が見えました。他に反乱兵がいると見て、ここに向かったところクラウス・ルーデルがおりました。彼がこの反乱の首謀者でした。その後、彼は船で脱出すると言っていたので、彼が船に乗ったところで火を放ちました。そして、船上で彼を討ちました」。
「そうか、よくやった」。
「その後、彼らはオストハーフェンシュタットで仲間と合流し、ダーガリンダ王国かテレ・ダ・ズール公国へ逃げのびそこで亡命政府を設立するとのことでした」。
「では、出航した三隻はオストハーフェンシュタットに向かっているのだな」。
「はい」。
「すぐに追跡させる。しかし、彼らはもう三百名程度の勢力だ、指揮を執っていたルーデル亡き後、リーダーが誰かわからんが、企みは成功しないだろう」。
「クリーガー!」
声の方を向くと、そこにはエーベル・マイヤーが居た。彼も海に飛び込んでずぶ濡れだったが、満面の笑みで立っていた。
「生きていたか?」
エーベルが大声で尋ねた。
「まだまだ死なないよ」。
私は笑顔で返した。
「よかったよ。お互い酷い目に遭ったな」。
「まったくだ」。
私は手に痛みを感じたので、目を向けた。手の皮膚が赤くなり。痛みもある。
顔にも同様の痛みがある、どうやら軽い火傷をしているようだ、先ほどまでは緊張していたのでわからなかったが、今、それに気が付いた。
私は、ブロンベルクに許可を得て、火傷の治療のため城に戻ることにした。海水で濡れた服も着替えたい。
その後、反乱兵を乗せ出発した三隻の船は、残りの海軍の船に追跡され、オストハーフェンシュタット到着直前に追いつかれ、その場であっけなく降伏したという。
一方、オストハーフェンシュタットに居たという約千の反乱兵は、ズーデハーフェンシュタットの反乱の失敗を聞いて降伏したか、一部は逃亡したという。
この騒動は、思いの外あっけない幕切れとなった。
私も甲板から海へ飛び込んだ。
海面からあたりの様子をうかがう。燃え上っている “アーベントイヤー号” を除く、 “エンデクン号” 、“ヘアラウスフォーダンド号” 、“アンゲヴィーゼン号” の三隻が動き始めていた。オストハーフェンシュタットに向けて移動を開始したようだ。
しかし、一番大きな“アーベントイヤー号”が炎上しているため、多くの兵士が桟橋に取り残されたままとなっている。
そこへ、ブロンベルクの部隊がようやく到着し、戦いが始まった。
乗船できず取り残されている反乱兵は二百人ばかりだろう。ブロンベルクの部隊は千人近くいた。戦いに決着がつくのに時間はさほどかからないと予想ができた。
私は泳いで桟橋にたどり着く。海面から桟橋の上によじ登った。
しばらくして、ブロンベルクの部隊と反乱兵の戦いに決着がついた。反乱兵は討たれるか降伏した。
私は歩いてブロンベルクの部隊に近づいた。最初、兵たちに警戒されて取り押さえられたが、私に気が付いたブロンベルクが解放してくれた。
「彼はこちら側だ」。
私は礼を言った。
「助かります」。
「最初は城に居たな。今まではどこにいた?」
私はこれまでの経緯を話した。
「城内で修練所から逃げた者を探しておりましたら、街で煙が見えました。他に反乱兵がいると見て、ここに向かったところクラウス・ルーデルがおりました。彼がこの反乱の首謀者でした。その後、彼は船で脱出すると言っていたので、彼が船に乗ったところで火を放ちました。そして、船上で彼を討ちました」。
「そうか、よくやった」。
「その後、彼らはオストハーフェンシュタットで仲間と合流し、ダーガリンダ王国かテレ・ダ・ズール公国へ逃げのびそこで亡命政府を設立するとのことでした」。
「では、出航した三隻はオストハーフェンシュタットに向かっているのだな」。
「はい」。
「すぐに追跡させる。しかし、彼らはもう三百名程度の勢力だ、指揮を執っていたルーデル亡き後、リーダーが誰かわからんが、企みは成功しないだろう」。
「クリーガー!」
声の方を向くと、そこにはエーベル・マイヤーが居た。彼も海に飛び込んでずぶ濡れだったが、満面の笑みで立っていた。
「生きていたか?」
エーベルが大声で尋ねた。
「まだまだ死なないよ」。
私は笑顔で返した。
「よかったよ。お互い酷い目に遭ったな」。
「まったくだ」。
私は手に痛みを感じたので、目を向けた。手の皮膚が赤くなり。痛みもある。
顔にも同様の痛みがある、どうやら軽い火傷をしているようだ、先ほどまでは緊張していたのでわからなかったが、今、それに気が付いた。
私は、ブロンベルクに許可を得て、火傷の治療のため城に戻ることにした。海水で濡れた服も着替えたい。
その後、反乱兵を乗せ出発した三隻の船は、残りの海軍の船に追跡され、オストハーフェンシュタット到着直前に追いつかれ、その場であっけなく降伏したという。
一方、オストハーフェンシュタットに居たという約千の反乱兵は、ズーデハーフェンシュタットの反乱の失敗を聞いて降伏したか、一部は逃亡したという。
この騒動は、思いの外あっけない幕切れとなった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる