雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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混乱の修学旅行編

行方不明

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 夜。
 僕は部屋に戻る。
 京都内をグルグル回って疲れたので、部屋でゆっくりすることにした。
 同室の他の男子たちも戻っていたので、今日どこに行ったかの情報交換をする。
 六角君の班は、嵐山や北野天満宮、二条城などに行ったという。
 明日は、貴船神社、延暦寺などを回るらししい。
 他の班は、奈良まで行ったりするところもあるようだ。

 話をしていると、すぐに夕食の時間。
 僕らは大広間へ行く。
 食事を取り終えて、部屋に戻ろうとすると雪乃が声を掛けて来た。
「純也!」

「お、おう、雪乃」

「今日はどこに行ってきたの?」

「ええと…、金閣寺、銀閣寺、清水寺、伏見稲荷大社に行ってきた」

「へえ。真面目だね」

「雪乃はどこに?」

「USJだよ」

「そういえば、そんなこと言ってたっけ。どうだった?」

「楽しかったよ。今度、純也も一緒に行こうよ」

「お、おう…。いいけど」

「夜はどうするの?」

「夜? 部屋でゆっくりするつもりだけど…」

「こっちに遊びに来なよ」

「えっ?! 女子の部屋に?!」

「そうだよ」

「女子の部屋には、行けないんじゃあ?」

「そうなの?」

「女子の部屋に行くには、ロビーを通らないといけないし、絶対、先生が監視してるでしょ?」

「純也ならそんなの突破できると思ったけど」

「なんの根拠で…?」

「まあ、良かったら来てよ」
 そう言うと雪乃は笑いながら立ち去った。

 女子の部屋に行けるわけないと思うけど。

 僕は再び部屋に戻って、男子たちとトランプなどをして過ごす。
 そして、就寝の時間が近づいたころ、同室の男子が言う。
「じゃあ、そろそろ行こうか」

「え? どこに?」

「女子の部屋だよ」
 彼は嬉しそうに言う。

「え? でもどうやって?」

 六角君が答える。
「昨日、ちゃんと偵察してきたから。建物に裏口があるから、そこを出て中庭を回り込んで、女子の建物に行くんだよ」

「大丈夫なの?」

「大丈夫だって」

「いや、でも…」
 僕は躊躇する。

「まあ、無理にとは言わないさ。武田君は、昼に女子とよろしくやっているから、わざわざ夜に会わなくてもいいかもしれないけどな。修学旅行は、夜の密会が楽しみみたいなもんじゃん?」

 いつからそんなのが楽しみになったんだ?
 僕は、女子の部屋に行くつもりもなく、明日もあるからさっさと寝ることにした。
 明日はお城巡りだからな。

 消灯時間になって15分程経って、男子たちは女子の部屋に行くと言って部屋を出て行った。
 どうせ、先生に見つかって、大目玉をくらうんだろうな。

 そんなこんなで僕は1人で就寝した。

 …………。

「おい、武田、起きろ」

「……、うーん」

「起きろ」

「なに…?」
 僕は眼をこすって身を起こした。
 そして時計を見る。
 深夜1時。

「大変なんだ」
 同室の男子が深刻そうに言う。
「六角が居なくなった。行方不明だ」

「え? 居なくなったって…? 女子の部屋に行ったんじゃあ?」
 僕が薄暗い部屋を見回すと、六角君だけだいないようだ。

 男子は話を続ける。
「俺たちは中庭に行ったんだよ。でも、そこにまで先生たちがウロウロ見張ってて…」

「見つかったのか?」

「いや、何とか茂みに隠れて大丈夫だったんだけど、先生たちに見つからないように戻るには2時間近く茂みの中にいる羽目になって…」

 自業自得だろ。

 男子は続ける。
「それで、何とか戻って来たんだけど、六角だけ見当たらなくて」

「先生に見つかって連行されたんじゃあ?」

「いや、そんな様子はなかった」

「それで…、なんで僕を起こしたの?」

「六角を一緒に探してくれよ」

「えええ…」

「クラス委員だろ」

「それ、関係ないよね?」

「そんなこと言わずに、手伝ってくれよ。同室のよしみで…」

 ここで押し問答しても結局は手伝う羽目になりそうだから、僕は起き上がった。
 そして、男子生徒たちの後について部屋を出る。
 静かに廊下を通って、建物の裏側の扉を開けて建物を出た。
 建物を回り込むとそこは中庭だ。

「ヤバイ」
 男子は言うと、僕らは身をかがめた。
「先生がいるぞ」

 建物の影から覗き込むと、懐中電灯の光が見える。
 先生のだれかが見回りをしているようだ。
 男子たちがウロウロしなければ、先生たちも寝れるかもしれないのに、ご苦労なことだ
 僕も部屋に戻って早く寝たいので、さっさと六角君を探さないと。

「多分、六角は茂みの中から出られない状況にあるんだと思う」
 男子生徒が言う。
「六角が見つかったらLINEで連絡しよう」

 懐中電灯の光の様子を見ながら、僕らは屈みながら中庭に散開した。
 僕が六角君を見つけるのは、さほど苦労しなかった。
 茂みの1つの中で六角君が倒れていたのだ。
 というか、寝てた。
 僕は安堵してLINEで全員に、このことを報告した。
 そして、僕は六角君の肩をゆする。

「おい、六角君、起きてくれ」

「うん…、あ、ああ、武田君か」

「なんでこんなところで寝てるんだよ?」

「寝てた…? ああ…、寝てしまったか…。先生たちから見つからないようにここに隠れたんだけど、なかなか先生たちが居なくならなくて…」

「みんな心配して捜しに来たんだよ…。いまは、先生は1人だけのようだから、脱出できると思う」

「そうか、悪いね…」

 僕らがこの場を立ち去ろうとすると、懐中電灯の光がこちらを照らした。

「そこにいるのは誰?!」
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