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混乱の修学旅行編
観音寺城(日本100名城 No.52)
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ぼくらは、昼食を終え、“文芸の郷レストラン”を出発し、観音寺城を目指す。
ルートはいくつかあるようだが、ここからは桑實寺《くわのみでら》を抜けていくと一番近そうだ。
ということで、まず桑實寺を目指す。
桑實寺までの道のりは途中から石の階段を登る。まあまあ長い登りだ。
少し息を切らしながら、桑實寺までやってきた。
入り口の受付で入山料300円を払って中へ。
桑實寺の中を少し見学する。
そして、寺の奥に観音寺城へと通じる道があったので、そちらへ向かう。
ここからは見上げるような登り階段が続く。
足元も悪く、何やら大変そうだ。
しかし、観音寺城に行くには進むしかないので、仕方なく登り始める。
この登りの山道はかなり急で、汗が出てきた。
途中、すこし立ち止まって休みながら登り続ける。
山名さん、赤松さんは、体力があるんだな、息は切らしているが、まだ大丈夫そうだ。
毛利さんは、かなり辛そうだ。彼女を気にかけながらゆっくりと進む。
そんな感じで、1時間以上かかっただろうか、ようやく観音寺城跡までやってきた。
観音寺城。
築城の年代は明らかでないが、『太平記』に1335年六角氏頼が籠もったという記述がある。その後、200年以上の時をかけて1550年ぐらいに六角高頼が家臣の伊庭行隆、山内政綱らに命じて築城させたものといわれている。
六角氏は1568年に織田信長に攻められ没落する。
山頂には石垣が残っていた。
また平井丸、落合丸、池田丸の3つの城郭跡も残っている。
あたりは、うっそうとした林、というか森。
さらに、しばらく進んで大石垣を見る。
そこからは、茂みをかき分けながら山を下って行く。
あまり道の状態はよくないので、注意しながら進む。
下り道なので来る時よりは、さほど疲れずに進めた。
途中から舗装された道路にでたので、ホッと一息。
しかし、まだここから安土駅までは1時間近く徒歩がある。
途中、ドリンクの自販機を発見したので、水分補給。
僕らはヘトヘトになって、ようやく安土駅に到着した。
流石の、山名さんと赤松さんもかなり疲れたようだ。
僕と毛利さんはグロッキー状態。
観音寺城は、以前行った新田金山城や鬼ノ城よりきついのでは?
僕らは、電車の時間まで安土駅のベンチに座って休憩する。
山名さんが話しかけてきた。
「歴史研っていつもこんなに大変なことやってるの?」
「いや、いつもじゃあないよ。楽に行ける平城なんかもあるし」
「でも、体力つきそうだよね。それにちょっと山岳部みたい」
「山岳部って、もっとすごい山に登るんじゃない?」
4人には誰も山岳部に知り合いが居なかったので、どんな山に登っているか全く不明だった。
山岳部って、活動してるんだろうか?
電車が来たので、僕らはそれに乗ると京都のホテルまで戻ってきた。そのころにはもう夕方になっていた。
ロビーのところでばったり悠斗の班に出会った。
悠斗が話しかけてきた。
「やあ、純也」
「やあ、悠斗」
悠斗と話すのは、ちょっと久しぶりだな。
悠斗が尋ねてくる。
「純也たちはどこに行って来たんだい?」
「滋賀県のお城に行ってきたよ」
「へー。なんかマニアックじゃない?」
京都に修学旅行に来て、安土城と観音寺城に行くのはあまりないだろうな。
「まあね…。こっちに来たついでに歴史研の活動をやって来たんだよ。悠斗はどこに行ってたんだい?」
「今日は、奈良に行って来たよ。鹿と戯れてきた」
悠斗は、そう言って微笑んだ。
修学旅行で奈良に行ってくるのは順当だよな。
「そういえば、昨夜、中庭にいるところを先生に見つかったんだって?」
悠斗が話題を変えてきた。
「それ、また、とばっちりなんだよ」
「ああ、詳しくは一雄からLINEで聞いたよ。純也は相変わらず、ついてないよな」
「まったくついてないよ。島津先生から東京に戻ったら反省文を書けと仰せつかってしまってね。あと他にも罰があるらしい」
「その件で、一雄がお詫びに誰か女子を紹介してくれるみたいじゃん?」
「それは、あまり期待してないというか、必要ないというか…」
「あはは、純也には女子はもう十分だもんな」
「十分というか、女子と知り合っても良いこと以上に災難が降りかかって来るような気がして」
「贅沢言うなよ。女子と交流したくてもできない奴もいるんだから」
いや。なんなら代わってあげたいけどな。
特に上杉先輩。
「じゃあ、頑張れよ。また、ゲーム内で会おう」
そう言って悠斗は去っていった。
頑張れと言われても、反省文を頑張るモチベーションは上がらない。
そして、VRゲームもちょっとやってなかったから、ユミコさんはどうしてるかな? ちょっと気になる。
毛利さんたち女子3人ともロビーで別れると、一旦部屋に戻って夕食の時間まで暇を潰すことにした。
ルートはいくつかあるようだが、ここからは桑實寺《くわのみでら》を抜けていくと一番近そうだ。
ということで、まず桑實寺を目指す。
桑實寺までの道のりは途中から石の階段を登る。まあまあ長い登りだ。
少し息を切らしながら、桑實寺までやってきた。
入り口の受付で入山料300円を払って中へ。
桑實寺の中を少し見学する。
そして、寺の奥に観音寺城へと通じる道があったので、そちらへ向かう。
ここからは見上げるような登り階段が続く。
足元も悪く、何やら大変そうだ。
しかし、観音寺城に行くには進むしかないので、仕方なく登り始める。
この登りの山道はかなり急で、汗が出てきた。
途中、すこし立ち止まって休みながら登り続ける。
山名さん、赤松さんは、体力があるんだな、息は切らしているが、まだ大丈夫そうだ。
毛利さんは、かなり辛そうだ。彼女を気にかけながらゆっくりと進む。
そんな感じで、1時間以上かかっただろうか、ようやく観音寺城跡までやってきた。
観音寺城。
築城の年代は明らかでないが、『太平記』に1335年六角氏頼が籠もったという記述がある。その後、200年以上の時をかけて1550年ぐらいに六角高頼が家臣の伊庭行隆、山内政綱らに命じて築城させたものといわれている。
六角氏は1568年に織田信長に攻められ没落する。
山頂には石垣が残っていた。
また平井丸、落合丸、池田丸の3つの城郭跡も残っている。
あたりは、うっそうとした林、というか森。
さらに、しばらく進んで大石垣を見る。
そこからは、茂みをかき分けながら山を下って行く。
あまり道の状態はよくないので、注意しながら進む。
下り道なので来る時よりは、さほど疲れずに進めた。
途中から舗装された道路にでたので、ホッと一息。
しかし、まだここから安土駅までは1時間近く徒歩がある。
途中、ドリンクの自販機を発見したので、水分補給。
僕らはヘトヘトになって、ようやく安土駅に到着した。
流石の、山名さんと赤松さんもかなり疲れたようだ。
僕と毛利さんはグロッキー状態。
観音寺城は、以前行った新田金山城や鬼ノ城よりきついのでは?
僕らは、電車の時間まで安土駅のベンチに座って休憩する。
山名さんが話しかけてきた。
「歴史研っていつもこんなに大変なことやってるの?」
「いや、いつもじゃあないよ。楽に行ける平城なんかもあるし」
「でも、体力つきそうだよね。それにちょっと山岳部みたい」
「山岳部って、もっとすごい山に登るんじゃない?」
4人には誰も山岳部に知り合いが居なかったので、どんな山に登っているか全く不明だった。
山岳部って、活動してるんだろうか?
電車が来たので、僕らはそれに乗ると京都のホテルまで戻ってきた。そのころにはもう夕方になっていた。
ロビーのところでばったり悠斗の班に出会った。
悠斗が話しかけてきた。
「やあ、純也」
「やあ、悠斗」
悠斗と話すのは、ちょっと久しぶりだな。
悠斗が尋ねてくる。
「純也たちはどこに行って来たんだい?」
「滋賀県のお城に行ってきたよ」
「へー。なんかマニアックじゃない?」
京都に修学旅行に来て、安土城と観音寺城に行くのはあまりないだろうな。
「まあね…。こっちに来たついでに歴史研の活動をやって来たんだよ。悠斗はどこに行ってたんだい?」
「今日は、奈良に行って来たよ。鹿と戯れてきた」
悠斗は、そう言って微笑んだ。
修学旅行で奈良に行ってくるのは順当だよな。
「そういえば、昨夜、中庭にいるところを先生に見つかったんだって?」
悠斗が話題を変えてきた。
「それ、また、とばっちりなんだよ」
「ああ、詳しくは一雄からLINEで聞いたよ。純也は相変わらず、ついてないよな」
「まったくついてないよ。島津先生から東京に戻ったら反省文を書けと仰せつかってしまってね。あと他にも罰があるらしい」
「その件で、一雄がお詫びに誰か女子を紹介してくれるみたいじゃん?」
「それは、あまり期待してないというか、必要ないというか…」
「あはは、純也には女子はもう十分だもんな」
「十分というか、女子と知り合っても良いこと以上に災難が降りかかって来るような気がして」
「贅沢言うなよ。女子と交流したくてもできない奴もいるんだから」
いや。なんなら代わってあげたいけどな。
特に上杉先輩。
「じゃあ、頑張れよ。また、ゲーム内で会おう」
そう言って悠斗は去っていった。
頑張れと言われても、反省文を頑張るモチベーションは上がらない。
そして、VRゲームもちょっとやってなかったから、ユミコさんはどうしてるかな? ちょっと気になる。
毛利さんたち女子3人ともロビーで別れると、一旦部屋に戻って夕食の時間まで暇を潰すことにした。
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