雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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新生徒会は呉越同舟編

選挙運動

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 月曜の朝。
 憂鬱だが何とか起き上がって準備をし、朝食をとった後、学校に向かう。

 校門の前まで来ると、見慣れぬ光景が。
 雪乃と佐久間さん、ほか陽キャ仲間数名が校門から校舎に向かう通路に沿って横一列に並んで立ち、何やら呼びかけている。
 そして、雪乃たちの並びの一番端には、毛利さんに伊達先輩もいた。

 雪乃はなぜか柔道着姿だ。
 そして、タスキをかけている。
 タスキには『織田雪乃』と名前が書かれている。

 ああ…。
 生徒会選挙のための選挙運動か。
 去年、伊達先輩もこうやって宣伝活動をしていたのを思い出した。

 僕は雪乃に歩み寄って話しかける。
「雪乃、おはよう」

「純也、おはよう」

 僕はさっそく尋ねる。
「なんで、柔道着なの?」

「朝練で、ちょっとやってきたのよ。そのあとすぐにここに来たの。だからこの格好よ。柔道着のほうが目立つでしょ?」

「ま、まあ…、そうだね」

「純也も、明日から一緒にやる?」

「え?! 柔道を?!」

「違うわよ。選挙運動のほうよ」

「選挙運動ね…。い、いや…」

「純也は、副会長候補でしょ?」

「え? やっぱり、副会長をやらされるの?」

「副会長、やりたいって言ってなかったけ?」

「言ってないよ」

「いずれにせよ、私の当選が確実なようだから、純也は副会長をお願いするわね」

 もう雪乃は、当選した気なのか。
 まあ、支倉君も雪乃の知名度が圧倒的で、当選は間違いないと言ってたしな。
 だったらこんな宣伝活動しなくてもいいのでは?

 雪乃は続ける。
「明後日の応援演説もよろしくね」

 そういえば、そういう話もあったな。
 去年と同じこと言えばいいや。
 去年の応援演説の前に書いた、原稿って残ってたっけ…?
 家に帰ったら、探してみよう。

「じゃあ、教室に行くね」
 僕は、そういって雪乃の前から離れる。

 次に毛利さんのところまで歩み寄って話しかける。
「おはよう。朝早くから大変だね」

「そうでもないよ」
 といいつつ、毛利さんは少し眠そうにしている。
「私、一応、書記の候補だから」

 毛利さんも物好きだな。
 雪乃は当選した時の組閣を大体考えているようだ。
 総務や庶務なども、陽キャ仲間から選ぶんだろう。

 最後に一番端に並んでいる伊達先輩の前に歩み寄った。
 伊達先輩自身は声掛けをせず、雪乃たちの様子をうかがっている感じだった。

 僕は伊達先輩にも話しかけた。
「おはようございます。伊達先輩も付き合ってるんですね」

「武田君、おはよう。ええ、織田さんは、実質、私の後継者みたいものだから」

「なるほど」

 伊達先輩は、雪乃が会長になった後も生徒会に関与するつもりなのだろうか?
 そうであっても、僕には関係のないことだ。
 好きにすればいいさ。

「で、選挙は雪乃の圧倒的な勝利になりそうと、支倉君が確か言ってましたね」

「そうね…。でも、ちょっと圧倒的すぎるきらいがあるわ」

「え? それが問題なんですか?」

「ええ、ちょっと気になることがあって」

「そうですか…」

 伊達先輩の『気になること』が少々気になるが、僕はぐっとこらえてその場を立ち去った。
 余計なことに巻き込まれないように、なるべく関与しないようにしないと。
 僕は、教室に向かった。
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