8 / 38
第8話
しおりを挟む
ラバール警部は屋敷を出ると、屋敷の前の通りで警察官たちに声を掛け、新しい手掛かりが見つかったかどうかを確認する。とりあえず今日いっぱいはこの付近を捜索するが、明日以降は警備役の者を残して別の任務にあたってもらうことにした。
ラバール警部は通りの端に待たせてあった警察の馬車に乗った。財産の台帳が入った大きな箱を隣の座席に置く。そして、馭者役の警官に合図して馬車を進めた。
街の中心部にある警察署に戻ると、自分の机まで戻り箱を上に置いた。
椅子に座ると「うーん」と唸ってから箱を開け、中に入っていた台帳等の資料を机の上に並べた。
そのうちの一冊を手に取ってざっと眺めてみる、結構な情報量だ。すべて読むには時間がかかるだろう。手に持った資料を一旦机に戻して、他の資料をパラパラとめくって確認する。すると銀行との取引記録を探し当てた。
その資料をめくって確認する。しばらく確認するが、直近では大きなお金の動きはない様子だった。金持ちにしては倹約している印象だ。動かしている金額から鑑みて、せいぜい日常的に使う物ぐらいだろう。それでもラバール警部のものと比べるとだいぶ大きな額だが。
記録を一部を見た程度だが、とりあえず不審な金の動きはないようだ。
ざっと見た銀行の取引履歴から、フンツェルマンが財産を横領している様子も見受けられない。横領がエレーヌにばれて隠ぺいのために殺害した、という線も無さそうだ。彼の父親がザーバーランド王国出身だが、それは偶然ということか。それに、わざわざ自分に疑いがかかるような凶器を使わないだろう。凶器がザーバーランド王国製だったということは、やはり犯人はザーバーランドの者なのだろうか?
あの国とは最近まで戦争状態であった。数年続いた戦争が終結し、現在は外交団が交渉の真っ最中だが、こちらの国内にスパイが残っていてもおかしくはないだろう。ただ、そうであってもスパイがエレーヌ・アレオンを殺害する理由がわからない。
アレオン家は名家と言っても、多くの貴族の中の一つ。エレーヌの両親も二年前に事故死。それ以降、レスクリム王国内での影響力は小さく、今回の事件が国に与える打撃は全くないと言ってもいいだろう。そう言う理由からも、ザーバーランド王国が、ただの十九歳の女性を殺害する理由が思い当たらなかった。
次に、エレーヌが引き継いだ遺産目当てで、ニコルが殺害を指示したという可能性も考えられたが、ニコルのあの悲しみようを間近で見たが、あれが演技とは到底思えなかった。
後考えられるのは、エレーヌに対する私怨か。ニコルの証言によると馬車を襲撃した犯人は明らかにエレーヌを狙っていたようだということだ。そうなると、エレーヌの交友関係を当たってみるほかない。明日、またフンツェルマンにそのあたりを聴取しようと考えた。
それにしても、凶器がザーバーランド製というのは、捜査を混乱させるための物だろうか?
ザーバーランド王国製の凶器が出たことで、少々厄介な問題も出てきた。外国が関わっている可能性があるということになれば、警察の捜査領域を超えたところでの事件となる場合もある。理由は分からずともスパイが関わっている可能性が少しでもあるのであれば、この件は国家保安局にもとりあえず通知しておく必要があり、それは警察署長に昨日のうちに伝えてあった。
ラバール警部はしばらく考えるも簡単には答えがでなさそうだった。エレーヌの殺害理由は、犯人を捕らえて自白させるしかないだろう。彼はニコルから聞いた犯人の特徴を伝え、街の中でも不審な人物がいたら捕らえる様に部下たちに指示を出した。
ラバール警部はしばらくは自分の席で先ほど聞いたニコルやフンツェルマンの話の内容について資料を書き上げていた。他にも溜まっていた書類があったので、その整理をしていると、突然聞きなれない声で名前を呼ばれた。
「すみません、ラバール警部ですか?」
「そうです」
ラバール警部は椅子に座ったまま顔を上げると、黒い服で身なりの整った背の高い男が前に立っていた。鋭い目つきのその人物は帽子を取ると挨拶をした。
「はじめまして。私は国家保安局二課のマチアス・バルバストルと言います」
そのバルバストルという男は黒髪を短く切って整えて、体つきはがっしりしており軍人ような雰囲気があった。
署長が昨日、凶器の件を国家保安局にすぐに伝えてあったので、さっそく動き出したか。
レスクリム王国の国家保安局は、大きく二つの組織に別れる。国外での諜報活動を行う組織一課と主に国内での外国のスパイや破壊活動を取り締まる二課がある。今回の場合、国内の潜伏しているスパイが関わっている可能性があるので二課が取り扱う案件となる。
「エレーヌ・アレオンの殺害の件ですね?」
ラバール警部は確認する。
「はい。現在の捜査の状況を教えていただきたい」
「殺害に使われた凶器以外は遺留品はありませんでしたが、エレーヌ様と一緒に馬車に乗っていたニコル様が犯人の特徴を覚えていました」
「教えていただけますか?」
「こちらです」
ラバール警部は先ほど書き上げたばかりの聴取した内容を書きとった資料をバルバストルに手渡した。
「なるほど。我々の方でも捜索をしてみます」
「そうですか」
「今、国境の街で外交団が交渉を続けており、両国間はまだ難しい状況にあります。この事件が場合によっては、その交渉にも影響が出る可能性もありますので慎重に捜査を進めたいと思っています」
「ええ。我々もそのように考えておりました」
「あとは、この事件を警察からこちらに完全に引き取る事もあるかもしれないと心に留め置いてください」
両国間で大きな問題になりそうな場合はそう言うこともあるだろうと、ラバール警部は考えてはいた。そうなると、自分たち警察は言う通りにするしかない。
「こちらの捜査でも分かったことがあれば情報を共有します」
「お願いします」
「では、今日のところはこの辺で失礼します」
そう言うと、バルバストルは帽子を被り、その場を去っていった。
彼が部屋を出て行くのを確認する。それにしても事件が思ったより大事になりそうだと、ラバール警部はため息をついた。
ラバール警部は通りの端に待たせてあった警察の馬車に乗った。財産の台帳が入った大きな箱を隣の座席に置く。そして、馭者役の警官に合図して馬車を進めた。
街の中心部にある警察署に戻ると、自分の机まで戻り箱を上に置いた。
椅子に座ると「うーん」と唸ってから箱を開け、中に入っていた台帳等の資料を机の上に並べた。
そのうちの一冊を手に取ってざっと眺めてみる、結構な情報量だ。すべて読むには時間がかかるだろう。手に持った資料を一旦机に戻して、他の資料をパラパラとめくって確認する。すると銀行との取引記録を探し当てた。
その資料をめくって確認する。しばらく確認するが、直近では大きなお金の動きはない様子だった。金持ちにしては倹約している印象だ。動かしている金額から鑑みて、せいぜい日常的に使う物ぐらいだろう。それでもラバール警部のものと比べるとだいぶ大きな額だが。
記録を一部を見た程度だが、とりあえず不審な金の動きはないようだ。
ざっと見た銀行の取引履歴から、フンツェルマンが財産を横領している様子も見受けられない。横領がエレーヌにばれて隠ぺいのために殺害した、という線も無さそうだ。彼の父親がザーバーランド王国出身だが、それは偶然ということか。それに、わざわざ自分に疑いがかかるような凶器を使わないだろう。凶器がザーバーランド王国製だったということは、やはり犯人はザーバーランドの者なのだろうか?
あの国とは最近まで戦争状態であった。数年続いた戦争が終結し、現在は外交団が交渉の真っ最中だが、こちらの国内にスパイが残っていてもおかしくはないだろう。ただ、そうであってもスパイがエレーヌ・アレオンを殺害する理由がわからない。
アレオン家は名家と言っても、多くの貴族の中の一つ。エレーヌの両親も二年前に事故死。それ以降、レスクリム王国内での影響力は小さく、今回の事件が国に与える打撃は全くないと言ってもいいだろう。そう言う理由からも、ザーバーランド王国が、ただの十九歳の女性を殺害する理由が思い当たらなかった。
次に、エレーヌが引き継いだ遺産目当てで、ニコルが殺害を指示したという可能性も考えられたが、ニコルのあの悲しみようを間近で見たが、あれが演技とは到底思えなかった。
後考えられるのは、エレーヌに対する私怨か。ニコルの証言によると馬車を襲撃した犯人は明らかにエレーヌを狙っていたようだということだ。そうなると、エレーヌの交友関係を当たってみるほかない。明日、またフンツェルマンにそのあたりを聴取しようと考えた。
それにしても、凶器がザーバーランド製というのは、捜査を混乱させるための物だろうか?
ザーバーランド王国製の凶器が出たことで、少々厄介な問題も出てきた。外国が関わっている可能性があるということになれば、警察の捜査領域を超えたところでの事件となる場合もある。理由は分からずともスパイが関わっている可能性が少しでもあるのであれば、この件は国家保安局にもとりあえず通知しておく必要があり、それは警察署長に昨日のうちに伝えてあった。
ラバール警部はしばらく考えるも簡単には答えがでなさそうだった。エレーヌの殺害理由は、犯人を捕らえて自白させるしかないだろう。彼はニコルから聞いた犯人の特徴を伝え、街の中でも不審な人物がいたら捕らえる様に部下たちに指示を出した。
ラバール警部はしばらくは自分の席で先ほど聞いたニコルやフンツェルマンの話の内容について資料を書き上げていた。他にも溜まっていた書類があったので、その整理をしていると、突然聞きなれない声で名前を呼ばれた。
「すみません、ラバール警部ですか?」
「そうです」
ラバール警部は椅子に座ったまま顔を上げると、黒い服で身なりの整った背の高い男が前に立っていた。鋭い目つきのその人物は帽子を取ると挨拶をした。
「はじめまして。私は国家保安局二課のマチアス・バルバストルと言います」
そのバルバストルという男は黒髪を短く切って整えて、体つきはがっしりしており軍人ような雰囲気があった。
署長が昨日、凶器の件を国家保安局にすぐに伝えてあったので、さっそく動き出したか。
レスクリム王国の国家保安局は、大きく二つの組織に別れる。国外での諜報活動を行う組織一課と主に国内での外国のスパイや破壊活動を取り締まる二課がある。今回の場合、国内の潜伏しているスパイが関わっている可能性があるので二課が取り扱う案件となる。
「エレーヌ・アレオンの殺害の件ですね?」
ラバール警部は確認する。
「はい。現在の捜査の状況を教えていただきたい」
「殺害に使われた凶器以外は遺留品はありませんでしたが、エレーヌ様と一緒に馬車に乗っていたニコル様が犯人の特徴を覚えていました」
「教えていただけますか?」
「こちらです」
ラバール警部は先ほど書き上げたばかりの聴取した内容を書きとった資料をバルバストルに手渡した。
「なるほど。我々の方でも捜索をしてみます」
「そうですか」
「今、国境の街で外交団が交渉を続けており、両国間はまだ難しい状況にあります。この事件が場合によっては、その交渉にも影響が出る可能性もありますので慎重に捜査を進めたいと思っています」
「ええ。我々もそのように考えておりました」
「あとは、この事件を警察からこちらに完全に引き取る事もあるかもしれないと心に留め置いてください」
両国間で大きな問題になりそうな場合はそう言うこともあるだろうと、ラバール警部は考えてはいた。そうなると、自分たち警察は言う通りにするしかない。
「こちらの捜査でも分かったことがあれば情報を共有します」
「お願いします」
「では、今日のところはこの辺で失礼します」
そう言うと、バルバストルは帽子を被り、その場を去っていった。
彼が部屋を出て行くのを確認する。それにしても事件が思ったより大事になりそうだと、ラバール警部はため息をついた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる