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第1章
噂は広がって、求人が溢れていました
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「疲れた…」
ギルマスさんの怒涛の説明と勧誘でけっきょく私はメインフォートのギルドに冒険者として登録することになった。
ちなみに冒険者になったおかげで、ルゥは私の従魔となった。
そのため、私のギルドカードの職は『テイマー』となっている。
「モーモちゃーん!」
ギルマスさんの部屋から戻ってきて早々にエルさんに抱きつかれた。
そして私の息の根を止めにかかる2つの膨らみ。
…いや、マジで苦しくなってきた。
「エル、モモが苦しそうだ。その辺にしておけ」
ガラムさんが声をかけてくれたおかげで、私は膨らみから解放された。
私だっていつかこのくらいになるんだから…あ、でも成長先の見た目決まってた…。
「モモ、エルがすまない。だが、君のおかげで俺たちは救われた。改めて礼をいう」
ガラムさんが頭を下げる。
「いえ!そんな頭を下げられることでは…」
「ギガンテスを倒しといてそんな謙虚になんなよ!逆に俺たちの方がへこむわ」
「カイルはいつもへこんでるでしょ」
「うっせーよ!」
みんなすっかりよくなったみたいでよかったよかった。
「それで、モモは冒険者になったのか?」
「あ、はい。カードはまだ持ってませんけど、明日にはくれるらしいです」
「そうか、よかったら俺たちのパーティーに入らないか?」
「ガラムさんのパーティーですか?」
うーん…願ってもないことだけど、私みたいな初心者冒険者がいたら迷惑じゃないかな?
「初心者のうちはどこかのパーティーに入って依頼をこなした方が、いろいろ覚えやすいからな。そのかわり報酬は減ることになるんだが…俺たちは一緒に依頼をこなしたり、時には個人で受けたりもするから、その辺は大丈夫だ」
たしかに依頼の受け方とか報酬のもらい方とかわからないし…そもそも私、解体できないし。
「じゃあ…」
「ちょっと待てよ」
私がガラムさんの誘いを了解しようとしたところで、座っていた男の冒険者が立ち上がった。
「ガラムよぉ、その嬢ちゃんが噂のフェンリルのテイマーだろ?いくらなんでもそんな戦力を独り占めってのはよくないじゃねーか?」
お酒を飲んでいるのか男は少し酔った感じの雰囲気がある。
その男が近づいてきた時にお酒の匂いがしたため、酔っていることは確定だ。
「俺はモモに入らないかと聞いているだけだ」
「じゃあ他のやつらにもチャンスはあるってもんだろ?」
それを聞いて、周りの冒険者もそうだそうだと同意した。
「なぁ嬢ちゃん。俺達のパーティーに入らねーか?こっちのパーティーは楽しいぜぇ?毎日がハッピーってもんさ。それに、ランクも報酬もこっちのが稼いでるはずだ」
男にそう言われて酒臭さがひどくなった。
でも駆け出し冒険者だし…一応先輩の誘いだし…。
「そ、それならうちのパーティーも考えてくれないか!?」
「うちも!」
私が返事をしないうちにギルド中の冒険者が私の方へ勧誘にくる。
うぅ…汗くさい…酒臭さい…。
「あの…私はどうしたら…」
困り果てて私は近くにいたアイシアさんにすがりついた。
「ちょっと!あんた達モモちゃんが怖がってんでしょ!」
エルさんが私の様子を見て男の人たちを止めようとする。
そしてアイシアさんが少ししゃがんで私に目線を合わせた。
「モモさんの好きにしたらいいですよ。あなたは自由なんですから。もちろん、私達のパーティーは大歓迎です」
私はうーん…と考えて、男の集団の中にいるガラムさんの前に立った。
「ガラムさん。ご迷惑かもしれませんが、しばらくお世話になってもいいですか?」
「迷惑なものか。もちろんだ」
私はそう言ってガラムさんと握手をした。
「おいおい、嬢ちゃん。はっきり言って、ガラムんとこよりもうちの方がランクが…」
「ランクが高くても昼間からお酒を飲む人は嫌いです」
私の一言に勧誘に来ていた冒険者が固まった。
私はそんな冒険者を放置してアイシアさんにまたくっついた。
「あはは!たしかに!女からしたらイメージ悪いよね!」
しーんとする中、エルさんの笑い声がとても響いていた。
ギルマスさんの怒涛の説明と勧誘でけっきょく私はメインフォートのギルドに冒険者として登録することになった。
ちなみに冒険者になったおかげで、ルゥは私の従魔となった。
そのため、私のギルドカードの職は『テイマー』となっている。
「モーモちゃーん!」
ギルマスさんの部屋から戻ってきて早々にエルさんに抱きつかれた。
そして私の息の根を止めにかかる2つの膨らみ。
…いや、マジで苦しくなってきた。
「エル、モモが苦しそうだ。その辺にしておけ」
ガラムさんが声をかけてくれたおかげで、私は膨らみから解放された。
私だっていつかこのくらいになるんだから…あ、でも成長先の見た目決まってた…。
「モモ、エルがすまない。だが、君のおかげで俺たちは救われた。改めて礼をいう」
ガラムさんが頭を下げる。
「いえ!そんな頭を下げられることでは…」
「ギガンテスを倒しといてそんな謙虚になんなよ!逆に俺たちの方がへこむわ」
「カイルはいつもへこんでるでしょ」
「うっせーよ!」
みんなすっかりよくなったみたいでよかったよかった。
「それで、モモは冒険者になったのか?」
「あ、はい。カードはまだ持ってませんけど、明日にはくれるらしいです」
「そうか、よかったら俺たちのパーティーに入らないか?」
「ガラムさんのパーティーですか?」
うーん…願ってもないことだけど、私みたいな初心者冒険者がいたら迷惑じゃないかな?
「初心者のうちはどこかのパーティーに入って依頼をこなした方が、いろいろ覚えやすいからな。そのかわり報酬は減ることになるんだが…俺たちは一緒に依頼をこなしたり、時には個人で受けたりもするから、その辺は大丈夫だ」
たしかに依頼の受け方とか報酬のもらい方とかわからないし…そもそも私、解体できないし。
「じゃあ…」
「ちょっと待てよ」
私がガラムさんの誘いを了解しようとしたところで、座っていた男の冒険者が立ち上がった。
「ガラムよぉ、その嬢ちゃんが噂のフェンリルのテイマーだろ?いくらなんでもそんな戦力を独り占めってのはよくないじゃねーか?」
お酒を飲んでいるのか男は少し酔った感じの雰囲気がある。
その男が近づいてきた時にお酒の匂いがしたため、酔っていることは確定だ。
「俺はモモに入らないかと聞いているだけだ」
「じゃあ他のやつらにもチャンスはあるってもんだろ?」
それを聞いて、周りの冒険者もそうだそうだと同意した。
「なぁ嬢ちゃん。俺達のパーティーに入らねーか?こっちのパーティーは楽しいぜぇ?毎日がハッピーってもんさ。それに、ランクも報酬もこっちのが稼いでるはずだ」
男にそう言われて酒臭さがひどくなった。
でも駆け出し冒険者だし…一応先輩の誘いだし…。
「そ、それならうちのパーティーも考えてくれないか!?」
「うちも!」
私が返事をしないうちにギルド中の冒険者が私の方へ勧誘にくる。
うぅ…汗くさい…酒臭さい…。
「あの…私はどうしたら…」
困り果てて私は近くにいたアイシアさんにすがりついた。
「ちょっと!あんた達モモちゃんが怖がってんでしょ!」
エルさんが私の様子を見て男の人たちを止めようとする。
そしてアイシアさんが少ししゃがんで私に目線を合わせた。
「モモさんの好きにしたらいいですよ。あなたは自由なんですから。もちろん、私達のパーティーは大歓迎です」
私はうーん…と考えて、男の集団の中にいるガラムさんの前に立った。
「ガラムさん。ご迷惑かもしれませんが、しばらくお世話になってもいいですか?」
「迷惑なものか。もちろんだ」
私はそう言ってガラムさんと握手をした。
「おいおい、嬢ちゃん。はっきり言って、ガラムんとこよりもうちの方がランクが…」
「ランクが高くても昼間からお酒を飲む人は嫌いです」
私の一言に勧誘に来ていた冒険者が固まった。
私はそんな冒険者を放置してアイシアさんにまたくっついた。
「あはは!たしかに!女からしたらイメージ悪いよね!」
しーんとする中、エルさんの笑い声がとても響いていた。
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