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第1章
ギルマス、イメージ違うなぁ
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「ギルマス、アイシアです」
そう言ってアイシアさんがギルドマスターさんのいる部屋に入るので、私もそれについて入る。
部屋はなんというか校長室のような感じで、広めの部屋の奥に大きな机と椅子が置いてある。
その椅子は正面ではなく、窓の方を向いていて、扉の閉まる音と一緒にクルッとこちら側を向いた。
椅子にはなんか美人なお姉さんが座っていた。
アイシアさんの髪から少し色を抜いた感じの綺麗なさらさら長髪におっとりとした雰囲気を感じさせる目尻の下がったまぶた、泣きぼくろがあるのが妖艶な雰囲気を漂わせている。
「アイシア、ありがとう。下がっていいわ」
「はい」
そう言ってアイシアさんは部屋から出て行ってしまった。
え?一人にされたんですけど?
「はじめまして、モモさん。私がこの街メインフォートのギルドマスター、ニリル・プレシオです」
「モモ・ヤマブキです」
私はニリルさんのお辞儀に合わせて頭を下げる。
「まずは当ギルドの冒険者を助けてくれたことを感謝いたします。ありがとうございました」
そう言うとニリルさんは再び頭を下げた。
「いえ、そんなお礼を言われる立場じゃないです。そもそも私がわがままを言わなければ、ガラムさんたちはギガンテスに遭遇しなかったかもしれませんから」
「そうですね、しかし街から数日の距離にギガンテスがいた。それを討伐したのは紛れも無い事実。それも従魔にしたフェンリルの力を借りずにです」
「それはルゥがギガンテスは日光に弱いって教えてくれたからできた作戦です」
ニリルさんは私の言うことを聞いて、目を閉じた。
(ギガンテスの攻撃を耐えられだけの守り、それと同時に消費の激しい治癒魔法も扱える魔力量、二級魔獣を使役できる人格に自分の手柄を歯に着せぬ人柄…原石!)
なんだろう…ニリルさんの目が怖い。
「んんっ!そこでなんですが、モモさん。冒険者になるつもりはないかしら?」
「私が冒険者ですか?んー…」
「あ、あれ?何か問題がありますか?」
「いえ、私攻撃できる魔法がないんですけど、冒険者になっても大した働きはできないと思うんですけど…」
「そんなことはありません!」
いつの間にか私の前にいたニリルさんが私の手をガシッと掴む。
「あなたは金の卵です!原石です!あなたならSランクまで上り詰める可能性があります!」
「え、Sランク?」
「はっ…そうですね。まずはギルドと冒険者について話しましょう」
何かを思い出したようにニリルさんは机から紙を取り出した。
そして羽ペンでいろいろ書き込んでいく。
「まず、ギルドについてです。ギルドとは各街に一つは存在する組織です。ギルドには冒険者ギルドと商人ギルドの2種類が存在します。簡単に言うと魔物を倒すのが冒険者ギルド、素材を売るのが商人ギルドという認識で構いません」
「なるほど…じゃあさっきのSっていうのは?」
「はい、討伐する魔物には当然強さが違います。そのためそれぞれの魔物に対して討伐に当たる冒険者も強い人を選ばなくてはなりません。そこでできたのがランクです。ランクはE、D、C、B、A、S、Stの7ランクがあります」
そう言って紙にピラミッドが書かれていく。
そして1番下がEで上にStと書かれた。
「ちなみに先ほどStではなく、Sランクになれると言ったのはモモさんの才能がStに及ばないから言っているのではありません。Stのtとはトリプルという意味で、ギルドマスター3人以上の推薦と実績が必要になります。ですので、私だけの見立てだけではSまでが限界なのです」
ニリルさんはそう言ってStの横に説明を加える。
「そして、冒険者はいろいろと優遇されることがあります」
「優遇ですか?」
「そうです。まずはギルドカードの発行。このカードは身分証であると同時に、他の街や国に入る際に通行税を支払う必要がありません」
それはなかなかの優遇では?でもそしたらみんな冒険者になるのではないだろうか。
ということはクリアしなくてはならない条件がある…?
「冒険者は何もしなくてもずっと冒険者でいられるんですか?」
そう質問するとニリルさんの笑顔がちょっと崩れた。
「鋭いですね…冒険者は1ヶ月に一回はランクに見合った依頼をこなさなくてはいけません。楽はさせないと言うことです。ただし、怪我や特別な事情がある場合は仕方がありませんのでギルドマスター、つまり私の判断で冒険者としての資格を剥奪するかどうかが決まると言うことになりますね」
やっぱり…でも一月一回ならわりと楽な方では?
そんなことを考えながらも、ニリルさんの冒険者講習は続いていった。
そこからは難しい話もちょくちょく出てきて、私の腕で寝息を立てるルゥが羨ましくなった。
そう言ってアイシアさんがギルドマスターさんのいる部屋に入るので、私もそれについて入る。
部屋はなんというか校長室のような感じで、広めの部屋の奥に大きな机と椅子が置いてある。
その椅子は正面ではなく、窓の方を向いていて、扉の閉まる音と一緒にクルッとこちら側を向いた。
椅子にはなんか美人なお姉さんが座っていた。
アイシアさんの髪から少し色を抜いた感じの綺麗なさらさら長髪におっとりとした雰囲気を感じさせる目尻の下がったまぶた、泣きぼくろがあるのが妖艶な雰囲気を漂わせている。
「アイシア、ありがとう。下がっていいわ」
「はい」
そう言ってアイシアさんは部屋から出て行ってしまった。
え?一人にされたんですけど?
「はじめまして、モモさん。私がこの街メインフォートのギルドマスター、ニリル・プレシオです」
「モモ・ヤマブキです」
私はニリルさんのお辞儀に合わせて頭を下げる。
「まずは当ギルドの冒険者を助けてくれたことを感謝いたします。ありがとうございました」
そう言うとニリルさんは再び頭を下げた。
「いえ、そんなお礼を言われる立場じゃないです。そもそも私がわがままを言わなければ、ガラムさんたちはギガンテスに遭遇しなかったかもしれませんから」
「そうですね、しかし街から数日の距離にギガンテスがいた。それを討伐したのは紛れも無い事実。それも従魔にしたフェンリルの力を借りずにです」
「それはルゥがギガンテスは日光に弱いって教えてくれたからできた作戦です」
ニリルさんは私の言うことを聞いて、目を閉じた。
(ギガンテスの攻撃を耐えられだけの守り、それと同時に消費の激しい治癒魔法も扱える魔力量、二級魔獣を使役できる人格に自分の手柄を歯に着せぬ人柄…原石!)
なんだろう…ニリルさんの目が怖い。
「んんっ!そこでなんですが、モモさん。冒険者になるつもりはないかしら?」
「私が冒険者ですか?んー…」
「あ、あれ?何か問題がありますか?」
「いえ、私攻撃できる魔法がないんですけど、冒険者になっても大した働きはできないと思うんですけど…」
「そんなことはありません!」
いつの間にか私の前にいたニリルさんが私の手をガシッと掴む。
「あなたは金の卵です!原石です!あなたならSランクまで上り詰める可能性があります!」
「え、Sランク?」
「はっ…そうですね。まずはギルドと冒険者について話しましょう」
何かを思い出したようにニリルさんは机から紙を取り出した。
そして羽ペンでいろいろ書き込んでいく。
「まず、ギルドについてです。ギルドとは各街に一つは存在する組織です。ギルドには冒険者ギルドと商人ギルドの2種類が存在します。簡単に言うと魔物を倒すのが冒険者ギルド、素材を売るのが商人ギルドという認識で構いません」
「なるほど…じゃあさっきのSっていうのは?」
「はい、討伐する魔物には当然強さが違います。そのためそれぞれの魔物に対して討伐に当たる冒険者も強い人を選ばなくてはなりません。そこでできたのがランクです。ランクはE、D、C、B、A、S、Stの7ランクがあります」
そう言って紙にピラミッドが書かれていく。
そして1番下がEで上にStと書かれた。
「ちなみに先ほどStではなく、Sランクになれると言ったのはモモさんの才能がStに及ばないから言っているのではありません。Stのtとはトリプルという意味で、ギルドマスター3人以上の推薦と実績が必要になります。ですので、私だけの見立てだけではSまでが限界なのです」
ニリルさんはそう言ってStの横に説明を加える。
「そして、冒険者はいろいろと優遇されることがあります」
「優遇ですか?」
「そうです。まずはギルドカードの発行。このカードは身分証であると同時に、他の街や国に入る際に通行税を支払う必要がありません」
それはなかなかの優遇では?でもそしたらみんな冒険者になるのではないだろうか。
ということはクリアしなくてはならない条件がある…?
「冒険者は何もしなくてもずっと冒険者でいられるんですか?」
そう質問するとニリルさんの笑顔がちょっと崩れた。
「鋭いですね…冒険者は1ヶ月に一回はランクに見合った依頼をこなさなくてはいけません。楽はさせないと言うことです。ただし、怪我や特別な事情がある場合は仕方がありませんのでギルドマスター、つまり私の判断で冒険者としての資格を剥奪するかどうかが決まると言うことになりますね」
やっぱり…でも一月一回ならわりと楽な方では?
そんなことを考えながらも、ニリルさんの冒険者講習は続いていった。
そこからは難しい話もちょくちょく出てきて、私の腕で寝息を立てるルゥが羨ましくなった。
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