上 下
19 / 20
第1章

ゴブリン討伐に来ました、すぐ終わったけど

しおりを挟む
私達はゴブリン討伐のために、街外れの森の中に来ていた。

私の横にはルゥがいて、その後ろにガラムさん達がいる。
念のため、私はハウンドを手に持って色々試してみる。

でも、この武器不思議…。
こうすれば、こんなことができるって武器が教えてくれるみたい…。

試しにスナイプの状態にしてみる。
おぉ!形が変わった!
妹に貸してもらった銃にそっくり!
なんて名前だったかなぁ…たしか…ドラ…ドラ…うーん…。

『モモよ、どうかしたか』

「え?ううん、なんでもない」

『そうか。それよりも前の方にゴブリンが3体いる。倒すか?』

「え?わかるの?」

『臭いでわかる。ゴブリンの体臭は酷いからな』

そんなもんなんだ…。
でも、せっかくならルゥの近くで戦いたい。

「そうだ、ルゥ。私を乗せて、今からそこに行って」

『ゴブリン如き、我だけで充分だが?』

「いいの、私が戦ってるルゥが見たいの」

『そうか…構わぬが、戦いにもならぬぞ?』

「いいからいいから」

私はルゥの背に乗って、ガラムさん達の方を見る。

「ガラムさん、ルゥが向こうにゴブリンがいるって言うんで、倒してきます」

「なに?1人で大丈夫か?」

「ルゥがよゆうって言ってるんで」

「そうか、じゃあ倒したら戻ってきてくれ」

「はーい。ルゥ、お願い」

『承知した』

「あ…なるべくゆっくり…きゃー!!」

私の指示を聞く前にルゥが駆け出す。
は、速すぎ…銃が構えられない…っていうかこのスピードでもまだ見えないってどんだけ索敵範囲広いの…?

『いたぞ』

ルゥに言われて、なんとか前を見ると確かにまだ遠いがゴブリンが3体いた。

私も役に立たないと…。
私はスナイプモードのハウンドをルゥの上で構える。
スコープを覗いて…狙うのはゴブリンの武器!

「へ…変化の魔力を…喰らい……放て…ハウンド!」

私はハウンドの引き金を引くと、魔力が放たれた。
弾のスピードはルゥよりも速いみたいだ。
ルゥより先にゴブリン達に到達するが、ゴブリンの武器には当たらず、奥の木に当たる。

もう一度撃とうとするが、すでにルゥがゴブリン達の首をはねていた。

『モモよ、あれはなにをしたのだ?』

「変化魔法で…武器を柔らかくしようと思ったんだけど…ルゥの上だと揺れで当てるのが難しかったよ…」

『うむ…別に我はそんなことせずともゴブリンなどに遅れはとらぬぞ』

「いや、わかるんだけどね…私もちょっとくらい戦えるようにしようかなって…」

『そうだったか、では次の獲物はモモが何かしてから倒しに行くとしよう』

私はゴブリンの耳をガラムさんにもらった袋にしまい、またルゥに乗って戻る。
そして、次のゴブリンを見つけた時は、私が遠くから武器を狙撃してから、ルゥに倒してもらうようにした。
しかし、武器を柔らかくしても、けっきょくルゥは無傷でゴブリンを倒す為、なんか私のいらない子感が増したような気がした…。

こうして、無事に私の初任務は終了したのだった。
しおりを挟む

処理中です...