魔法の数字

初昔 茶ノ介

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3章:中等部編

その後とこれから

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キメラ事件から約5年…。

小等部としての生活も残り1ヵ月と迫っていた。
現在私達はというと…ゴウくんの部屋でクレアちゃんとゴウくんの勉強を全員で見ていた。

「おいバカ、そこの問6間違ってるぞ」

「う、うるせーな!わかってんだよ!」

「クレアちゃん…問20少し…違う…」

「うぅ…もう疲れんたんにゃぁ…」

二人ともぐだーと机に伏せた。
こうなったのは1週間後に筆記試験があり、そこで悪い点を取ると降組する可能性があるとママに脅しをかけられたのだ。
そこで、不安要素があるこの二人の勉強を私達が見ることになった。

「リン、そろそろ休憩しましょ?もうすぐお昼だし」

「さ、賛成にゃ!ずっと続けると逆に集中できなくなるにゃ!」
「そうだな!休憩しようぜ!」

「はぁ?あんた達はその問題集が終わってからよ!休憩するのはリンとクロ」

「そ、そんにゃぁ…」

「今までしてなかった分、ここでやらないと今後が苦労しますよ」

「まぁまぁレインさん、お二人は完全な実技タイプですからね。それに、先生の脅しも急でしたし」

「そ、そうだろ?だから休憩を…」

「でもゴウくん。問題集半分も進んでないよね?」

「そ、それはだな…」

「いやぁ~半分もぉ~いってないのわぁ~休憩なんてしてる暇わぁ~ないのですよぉ~」

「みんな…厳しい…」

みんなの言葉に少し可哀想になってきたので助け舟を出すと二人がぱぁっと表情を明るくした。

「リン、ダメよ。この二人甘やかすとすぐに遊びに行くんだから」

ハナちゃんの言葉にふたたび突き落とされる二人。

「さ、リン。食堂行きましょ」

「あ、ハナちゃん…」

「リン様、休憩は大切ですよ?」

「レインまで…」

ハナちゃんとレインに押されて部屋を出される。

「ヴェルくぅーん、私達もぉ~いきましょぉ~」

「で、でも…」

「いいからいいから、今のうちに行かないと昼抜きだぞ」

「たしかにそれはありえそうですね…」

私に続いてヴェルくんもクロくんとリリスちゃんに押されて部屋を出る。その後にルナちゃんが出てくる。

「あんた達は問題集が終わったら食堂に持ってきなさい!」

「そ、そんにゃぁ…」

「この鬼!ハナ鬼!」

ゴウくんの言葉を聞いた瞬間、ハナちゃんの右拳がゴウくんを殴り飛ばした。
それを見てクレアちゃんがカタカタと震えていた。

「誰が鬼よ誰が!いい?終わるまでここを出たらダメよ!もし出たら…わかってるわよね?」

「は、はいにゃ!すすすすぐにお、終わらせるにゃ!」

「わかればいいのよ、わかれば」

そう言い残したハナちゃんが戻ってきて、私達は食堂へ向かう。

食堂に向かうまでに、あのあとのことを言うと…。
キメラ事件の後、再び残りの昇組試験が行われ、ヴェルくんとリリスちゃんが1組となった。
クレアちゃんは再び1組として入り、もともと魔法の知識が深かったため、問題なく授業にはついてこれた。筆記以外だけど…。記憶がなくなっていたけど、みんなまた変わらず友達になれたのはよかった。
ハナちゃんとレインは相変わらずで、何かの学園イベントがあるたびに勝負している。なんでも今は10勝10敗だとか。
ゴウくんとクロくんはキメラ事件から魔法の練習に熱心になった。今では模擬戦で私も負けそうになる時がある…私も頑張らないと…。
みんな背も伸びて魔力も魔法も磨きがかかってきたと思う。私はあんまり背が伸びていないけど…。

事件のことを言うと、キメラ侵入の経緯は何者かによる召喚魔法により学園に侵入したのではという話だ。
その事件の時、姿を消していたランガイ先生は事件が収まったあとに姿を現し、体調が悪かったといろいろ言い訳をしてまだ先生の立場にいる。
ママはそれからも事件についていろいろ調べているらしい。

そして、私はというと…。

「リン、そういえばあの話どうするの?」

「あの…話?」

「生徒会長の話ですよ」

私は中等部に上がる際の中等部生徒会長をやらないかとママに言われている。
ちなみに、生徒会長は候補者の中から選ばれるのだが、選び方が模擬戦っていう中々野蛮な決め方をするのだ。

「あぁ…うーん…やってみようかな…」

「やっぱり!?リンが生徒会長なら、この学校は完璧ね!」

「えぇ、まったくその通りです。リン様以外ありえないと思いますよ」

「えぇ…?私そんなにすごくない…」

そんな話をしながら、私達は食堂についた。
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