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プロローグ
あのバイト、絶対許さない
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「あぁ……ねむてぇなぁ」
大きくあくびをしながら俺……飛戸戸 仁王は配達用の原付を運転していた。
一昨日から働きっぱなしで頭がイマイチ動いてないんだよな。
えっと配達先はこの先か……。
遊んでいる子供たちに羨ましさを覚えつつも過ぎたところを左に曲がり目的の家についた。
「あぁ⁉︎ なんでシーフードピザなんだよ! 俺はジェノベーゼとエビマヨのハーフアンドハーフを頼んだろうが!」
お前、主食がピザかラーメンだろ? と言われてもおかしくないであろう巨漢に持ってきたピザの味が違うとしてされ怒られてしまった。
「も、申し訳ございません……」
俺は頭を下げ謝りつつも、あのポンコツバイトが! 作るピザ間違ってんじゃねーか! という気持ちを奥歯でギュッと噛み殺していた。
ひとしきり怒られてけっきょくピザは買ってもらえず、俺は通り道にあった公園の脇に原付を止めてタバコを一本吸った。
「すー……ふぅー……。あぁ、人生ろくなことがねぇな」
脱サラしてピザ屋になって、店長にもなったけど入ってくるバイトはポンコツか変なやつばかり。
使えるように育てた奴らも引き抜かれるかその頃には学校卒業でいなくなって、またポンコツが入ってくる。
なんつーか……ただのイタチごっこなんだよな……。
あぁ……このピザどうすっかな……。さっきポンコツが練習で作ったピザ食って腹も減ってねぇし……今日はポンコツと二人の日だからこのままそいつに食わせるのも癪だしな……ん?
ふと公園の方に目を向けると、ボロボロの服を着たおっさんが一人でベンチに座っていた。
俺は廃棄予定のピザを持ってそのおっさんの方へ向かった。
「なぁおっさん。腹減ってないか? このピザ、買ってもらえなかったんだが食ってくれねぇか?」
「ピザ……?」
「おっさん今どきピザを見たことねぇのか? これだよ。うまいから食ってみてくれ。俺はピザの腕前だけは自信あんだよ」
まぁ、何度も新味を提案してもコストやらなんやらで採用はされないが……。
俺はピザの箱を開けておっさんの座るベンチに置き、その隣に俺も腰を落としてタバコをもうひと吸いした。
「すー、ふぅー……ポンコツのバイトがいてな、そいつが作る味を間違えやがったんだ。そんでもって買ってもらえないわ怒られるわで散々だよ」
「それは災難じゃったな」
「まぁな。でもま、こうしておっさんとのんびり話す時間があっただけ、今日は少しはいい日だよ。さて、俺は仕事に戻……」
ベンチから立ち上がったところで原付の方を見ると、ボールを追いかけて公園を飛び出した少年が目に入った。
そしてその奥には明らかに止まれるスピードじゃないトラックがいる。
「ヤベェ!」
俺は咥えているタバコも気にせず駆け出した。
間に合うか⁉︎ 学生時代ラグビー部で走ったし、最近はサボっていた筋トレだって再開した。こんな時につけなくてなんの役に立つんだ!
おそらく今までの人生の中で全力で走ったと自負できるほど、俺は少年に向かって足を動かす。
そしてタッチダウンを決めるかの如く少年へ飛び込み背中を押した。
これで怪我をさせたらすまんと思ってところで、ぐしゃっという聞いたこともない音と全身の激痛で俺は意識を失った。
大きくあくびをしながら俺……飛戸戸 仁王は配達用の原付を運転していた。
一昨日から働きっぱなしで頭がイマイチ動いてないんだよな。
えっと配達先はこの先か……。
遊んでいる子供たちに羨ましさを覚えつつも過ぎたところを左に曲がり目的の家についた。
「あぁ⁉︎ なんでシーフードピザなんだよ! 俺はジェノベーゼとエビマヨのハーフアンドハーフを頼んだろうが!」
お前、主食がピザかラーメンだろ? と言われてもおかしくないであろう巨漢に持ってきたピザの味が違うとしてされ怒られてしまった。
「も、申し訳ございません……」
俺は頭を下げ謝りつつも、あのポンコツバイトが! 作るピザ間違ってんじゃねーか! という気持ちを奥歯でギュッと噛み殺していた。
ひとしきり怒られてけっきょくピザは買ってもらえず、俺は通り道にあった公園の脇に原付を止めてタバコを一本吸った。
「すー……ふぅー……。あぁ、人生ろくなことがねぇな」
脱サラしてピザ屋になって、店長にもなったけど入ってくるバイトはポンコツか変なやつばかり。
使えるように育てた奴らも引き抜かれるかその頃には学校卒業でいなくなって、またポンコツが入ってくる。
なんつーか……ただのイタチごっこなんだよな……。
あぁ……このピザどうすっかな……。さっきポンコツが練習で作ったピザ食って腹も減ってねぇし……今日はポンコツと二人の日だからこのままそいつに食わせるのも癪だしな……ん?
ふと公園の方に目を向けると、ボロボロの服を着たおっさんが一人でベンチに座っていた。
俺は廃棄予定のピザを持ってそのおっさんの方へ向かった。
「なぁおっさん。腹減ってないか? このピザ、買ってもらえなかったんだが食ってくれねぇか?」
「ピザ……?」
「おっさん今どきピザを見たことねぇのか? これだよ。うまいから食ってみてくれ。俺はピザの腕前だけは自信あんだよ」
まぁ、何度も新味を提案してもコストやらなんやらで採用はされないが……。
俺はピザの箱を開けておっさんの座るベンチに置き、その隣に俺も腰を落としてタバコをもうひと吸いした。
「すー、ふぅー……ポンコツのバイトがいてな、そいつが作る味を間違えやがったんだ。そんでもって買ってもらえないわ怒られるわで散々だよ」
「それは災難じゃったな」
「まぁな。でもま、こうしておっさんとのんびり話す時間があっただけ、今日は少しはいい日だよ。さて、俺は仕事に戻……」
ベンチから立ち上がったところで原付の方を見ると、ボールを追いかけて公園を飛び出した少年が目に入った。
そしてその奥には明らかに止まれるスピードじゃないトラックがいる。
「ヤベェ!」
俺は咥えているタバコも気にせず駆け出した。
間に合うか⁉︎ 学生時代ラグビー部で走ったし、最近はサボっていた筋トレだって再開した。こんな時につけなくてなんの役に立つんだ!
おそらく今までの人生の中で全力で走ったと自負できるほど、俺は少年に向かって足を動かす。
そしてタッチダウンを決めるかの如く少年へ飛び込み背中を押した。
これで怪我をさせたらすまんと思ってところで、ぐしゃっという聞いたこともない音と全身の激痛で俺は意識を失った。
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