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第1章
42話:悪の蠢き/聖女の事情
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薄暗い部屋の中に丸い水晶が怪しい光を放ち並んでいる。
その中の一つにひび割れた水晶があり、その隣の水晶が光を失いひび割れた。
「ちょっと~また水晶一つ壊れたんだけど?」
「なにっ!?」
私が水晶が割れたことを報告すると、部屋の真ん中でぶつぶつと独り言を呟きながら魔法陣を描いていた老人がこちらに走ってくる。
「これは……ルクスリアのところの呪いか!? バカな、やつらにあのような高度な呪いの解呪などできるわけが……」
「でもひび割れたってことはそういうことなんだろう? エイゲーンの時みたいにさ」
「そうよそうよ、諦めなさいよ」
私と少し離れたところにいた、軽そうな男とわたしが息ぴったりで「ねー」と声を出すと老人はイラついた表情がさらに青筋立っている。
「お、お二人とも……この水晶はとても高価なものですし、ゲレル様も心中穏やかではないのですよ」
ゲレルの近くにいたメガネをかけた気弱そうな女が同じ呪術師としての慰めなのか、ゲレルを庇うが私はそれを鼻で笑った。
「ま、歳だもんね。おじいちゃんはこんな薄暗いところで呪いかけるのが精一杯よ」
「貴様……ここで呪い殺してやろうかっ!?」
「やれるものならやってみなさいよ」
私とゲレルは同時に武器を構える。
「まぁまぁ、おじいちゃんもフィネスも落ち着きなよ」
「えーだってロカだってさームカつくでしょー? このおじいちゃんが呪いをかけるためにわざわざ私達、こんな薄暗い部屋の中で待機してんだからさ」
「それには同感だけど、上の命令じゃ逆らえないなぁ。それに、ここのルールその1」
「獲物は横取り禁止、ね。はいはい、わかったわよ」
私は両手に持ったナイフを一瞬でしまい、メガネをかけた女、アルファのほうへ近づく。
「アルファ、ムカついたらお腹空いたわ。甘いもの食べにいきましょ」
「え、でも私、これから解呪の情報を探しに……」
「そんなのそこのおじいちゃんにやらせておきなさいよ。どうせこんなに人が多い王都じゃ、呪いのかけ直しも王暗殺の仕込みもできるわけないんだから」
私は怒りをわなわなと我慢するゲレルを一目見て、アルファを引っ張って外に出た。
・
・
・
・
・
「取り乱してしまい……すみませんでした」
あれから泣き出したノエリアが落ち着くまでそばにいてあげた。
「まぁ、事情も気持ちはわからなくもないから」
「どういうことですか?」
「ノエリアのお家、ルクスリア家は変わっててね。私達のカメリア家がこの国の軍部を任されるのと同じように、ルクスリアは聖女が生まれたことがきっかけで代々国の宗教に関わってきたの。そして、ノエリアは将来は聖女になるはずだったんだけど……」
な、なんだか難しくなってきた……。
魔法の勉強ばかりだったからそういう歴史はまだ学んでない……。
「私は呪いをかけられていましたから、聖女としては相応しくないと声が上がり、お父様とお母様に申し訳が立たなくて……。でも、リリーのおかげで呪いが解けた……。ありがとう。本当にありがとう……」
ノエリアが私の手を握ってお礼を言っているうちに泣きそうになるから、私は慌てて話題を変えることにした。
「あ、あはは。どういたしまして……。そんなことより、私のお茶は美味しかった?」
生まれてからの悩みを解消したことより、お茶の感想を聞かれたノエリアは驚いてからニッコリと笑った。
「はい。とっても美味しかったです」
その中の一つにひび割れた水晶があり、その隣の水晶が光を失いひび割れた。
「ちょっと~また水晶一つ壊れたんだけど?」
「なにっ!?」
私が水晶が割れたことを報告すると、部屋の真ん中でぶつぶつと独り言を呟きながら魔法陣を描いていた老人がこちらに走ってくる。
「これは……ルクスリアのところの呪いか!? バカな、やつらにあのような高度な呪いの解呪などできるわけが……」
「でもひび割れたってことはそういうことなんだろう? エイゲーンの時みたいにさ」
「そうよそうよ、諦めなさいよ」
私と少し離れたところにいた、軽そうな男とわたしが息ぴったりで「ねー」と声を出すと老人はイラついた表情がさらに青筋立っている。
「お、お二人とも……この水晶はとても高価なものですし、ゲレル様も心中穏やかではないのですよ」
ゲレルの近くにいたメガネをかけた気弱そうな女が同じ呪術師としての慰めなのか、ゲレルを庇うが私はそれを鼻で笑った。
「ま、歳だもんね。おじいちゃんはこんな薄暗いところで呪いかけるのが精一杯よ」
「貴様……ここで呪い殺してやろうかっ!?」
「やれるものならやってみなさいよ」
私とゲレルは同時に武器を構える。
「まぁまぁ、おじいちゃんもフィネスも落ち着きなよ」
「えーだってロカだってさームカつくでしょー? このおじいちゃんが呪いをかけるためにわざわざ私達、こんな薄暗い部屋の中で待機してんだからさ」
「それには同感だけど、上の命令じゃ逆らえないなぁ。それに、ここのルールその1」
「獲物は横取り禁止、ね。はいはい、わかったわよ」
私は両手に持ったナイフを一瞬でしまい、メガネをかけた女、アルファのほうへ近づく。
「アルファ、ムカついたらお腹空いたわ。甘いもの食べにいきましょ」
「え、でも私、これから解呪の情報を探しに……」
「そんなのそこのおじいちゃんにやらせておきなさいよ。どうせこんなに人が多い王都じゃ、呪いのかけ直しも王暗殺の仕込みもできるわけないんだから」
私は怒りをわなわなと我慢するゲレルを一目見て、アルファを引っ張って外に出た。
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「取り乱してしまい……すみませんでした」
あれから泣き出したノエリアが落ち着くまでそばにいてあげた。
「まぁ、事情も気持ちはわからなくもないから」
「どういうことですか?」
「ノエリアのお家、ルクスリア家は変わっててね。私達のカメリア家がこの国の軍部を任されるのと同じように、ルクスリアは聖女が生まれたことがきっかけで代々国の宗教に関わってきたの。そして、ノエリアは将来は聖女になるはずだったんだけど……」
な、なんだか難しくなってきた……。
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「私は呪いをかけられていましたから、聖女としては相応しくないと声が上がり、お父様とお母様に申し訳が立たなくて……。でも、リリーのおかげで呪いが解けた……。ありがとう。本当にありがとう……」
ノエリアが私の手を握ってお礼を言っているうちに泣きそうになるから、私は慌てて話題を変えることにした。
「あ、あはは。どういたしまして……。そんなことより、私のお茶は美味しかった?」
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「はい。とっても美味しかったです」
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