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第1章
57話:ノエリアの招待
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「リリー、すごいね! 魔法だけじゃなくて体術の才能もあるなんて!」
お父様が私を地面に降ろしたところでお兄様が興奮気味に話しかけてきた。
「い、いえ。私のものなんて大したものじゃ……」
「いいや、あれは中々のものだったぞ! リリー、今度騎士団の練習を見にこないか?」
「「ダメー!」」
お父様の提案を聞いて、私が返事をするより先にお母様とお姉様が私に抱きついて反対した。
「リリーをあんな飢えてる男どものところに連れていくなんて考えられないわ!」
「ただでさえ最近、私と魔法の勉強をする時間が取れなかったのに騎士団になんて! 絶対にだめ!」
「いやいや、でもあの体捌きを見ただろう? 魔法の才能があることは認めるけど、あの才能を磨かないのは勿体無いよ!」
「確かに……あれも危うく一本取られそうになったからな」
私を騎士団に連れて行きたい男性陣と魔術師として進んでほしい女性陣で意見が分かれている。
「「リリーはどっちがいい!?」」
「うーん……」
みんなに言い寄られて、私は腕を組んで考える。
「ひとまず、お茶を飲みましょうか」
私がそういうと、四人は脱力したようにガクッとして、お互いの顔を見た。
「それもそうだ。リリーはまだ5歳だからな」
「そうね。それに、リリーのやりたいことをやるのが一番ね」
そう言って、私は気持ちのいい青空の下でみんなに冷たいお茶を淹れてみんなでティータイムを楽しんだのだった。
「ミリム、どうかした?」
「お嬢様宛に、お手紙を預かっております」
「手紙? 誰から?」
「ルクスリア公爵家のノエリア様からです」
ノエリアから……? 何かしら。
私は手紙を受け取って、中を開く。
『拝啓 リーリフィア様
突然のお手紙を差し上げ、失礼をいたしました。ご機嫌はいかがでしょうか。
この度の宴では大変なことになりましたね。私としてはあの宴でよりリリー様と仲良くなりたいと思っていましたのに、誠に残念でした。私はもうしばらくするとルクスリアの領地へ戻りますので、その前に一度改めて、お礼を兼ねてお屋敷にご招待させていただきたく存じます。お返事をお待ちしております。
ノエリア・フォン・ルクスリア』
小さな女の子独特の柔らかい字体だが、丁寧な文が書かれていて大変好感が持てるし、ノエリアの丁寧な性格がよく現れている。
「あら、ルクスリアのお家からお誘いかしら?」
隣でお茶を飲んでいたお母様から聞かれ、私はコクリとうなづく。
「はい。何度もお礼はいいと言っていたのですが……」
「ふふ……いいじゃない。学園に入学するときは同級生になるのだから、入学前に友達を作っておくことも大切よ」
お母様の言うこともごもっとも。
それじゃあ……。
「ミリム、紙とペンを持ってきて」
「かしこまりました」
私はミリムの持ってきた紙とペンを受け取り、三日後でいいかしらと返事を書いて返事を頼んだ。
お父様が私を地面に降ろしたところでお兄様が興奮気味に話しかけてきた。
「い、いえ。私のものなんて大したものじゃ……」
「いいや、あれは中々のものだったぞ! リリー、今度騎士団の練習を見にこないか?」
「「ダメー!」」
お父様の提案を聞いて、私が返事をするより先にお母様とお姉様が私に抱きついて反対した。
「リリーをあんな飢えてる男どものところに連れていくなんて考えられないわ!」
「ただでさえ最近、私と魔法の勉強をする時間が取れなかったのに騎士団になんて! 絶対にだめ!」
「いやいや、でもあの体捌きを見ただろう? 魔法の才能があることは認めるけど、あの才能を磨かないのは勿体無いよ!」
「確かに……あれも危うく一本取られそうになったからな」
私を騎士団に連れて行きたい男性陣と魔術師として進んでほしい女性陣で意見が分かれている。
「「リリーはどっちがいい!?」」
「うーん……」
みんなに言い寄られて、私は腕を組んで考える。
「ひとまず、お茶を飲みましょうか」
私がそういうと、四人は脱力したようにガクッとして、お互いの顔を見た。
「それもそうだ。リリーはまだ5歳だからな」
「そうね。それに、リリーのやりたいことをやるのが一番ね」
そう言って、私は気持ちのいい青空の下でみんなに冷たいお茶を淹れてみんなでティータイムを楽しんだのだった。
「ミリム、どうかした?」
「お嬢様宛に、お手紙を預かっております」
「手紙? 誰から?」
「ルクスリア公爵家のノエリア様からです」
ノエリアから……? 何かしら。
私は手紙を受け取って、中を開く。
『拝啓 リーリフィア様
突然のお手紙を差し上げ、失礼をいたしました。ご機嫌はいかがでしょうか。
この度の宴では大変なことになりましたね。私としてはあの宴でよりリリー様と仲良くなりたいと思っていましたのに、誠に残念でした。私はもうしばらくするとルクスリアの領地へ戻りますので、その前に一度改めて、お礼を兼ねてお屋敷にご招待させていただきたく存じます。お返事をお待ちしております。
ノエリア・フォン・ルクスリア』
小さな女の子独特の柔らかい字体だが、丁寧な文が書かれていて大変好感が持てるし、ノエリアの丁寧な性格がよく現れている。
「あら、ルクスリアのお家からお誘いかしら?」
隣でお茶を飲んでいたお母様から聞かれ、私はコクリとうなづく。
「はい。何度もお礼はいいと言っていたのですが……」
「ふふ……いいじゃない。学園に入学するときは同級生になるのだから、入学前に友達を作っておくことも大切よ」
お母様の言うこともごもっとも。
それじゃあ……。
「ミリム、紙とペンを持ってきて」
「かしこまりました」
私はミリムの持ってきた紙とペンを受け取り、三日後でいいかしらと返事を書いて返事を頼んだ。
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