3 / 85
日常編その2 新規事業の立ち上げ
しおりを挟む
「ソロバンを量産して、販売する」
“商売の話をしよう”そう言ったイスュの最初の言葉がそれだった。
「ふ~ん……ってか、ソロバンは一ついくらで買い取ってくれるんだよ?
話はまずそこからだろ?」
ソロバンを“買い取る”と言う話はついていたが、まだ“いくらで?”と言う話はしていなかったのだ。
俺としては、こいつの野望だとか、事業拡大とかは正直どうでもいい。
今一番気にしている点は、“いくらになるのか”ただその一点だった。
「ん? 金ならださねぇぞ? ってか、正確には“出せない”だな……
今のオレに、自由に出来る金はほとんどないからなっ!」
「…… …… は? …… …… はぁぁああ!?」
イスュはそんな事を、何故か胸を張って答えたのだ。
こいつは何を言ってんだ?
さっき買うって言っといて、金がないってどういう事だよっ! ああぁん!
「おい……イスュ……お前、俺の事ガキだと思ってバカにしてんのか?」
怒りの余り、声が震えて頬がピクピクしてきた……
やれ“一山当てる”だの、“独立する”だの言っといて、何が今更“金はない”だぁ!?
川べりの石に、イスュと横並びに座って今後の事について話し合っていた俺は、ついつい立ち上がってイスュの胸ぐらを掴み上げていた。
……たぶん、傍から見たらおにーちゃんの胸元にしがみ付いてじゃれてる子ども、にしか見えなかっただろうけど……
「まぁ、落ち着けって……別にロディフィスの事をバカしたつもりはないし、オレは至ってマジだ。
誤解すんなよ? オレだって、この一件には人生掛けてんだからな。
ただオレの現状ってやつもきっちり話しておかなきゃフェアじゃないだろ?
話だけ進めて、いざって時に“実は金はありません”の方が酷いんじゃないか?」
イスュはそう言うと、張り付いていた俺をベリッと剥がして座っていた石の上に戻した。
「そりゃ……まぁ……そうだけど……」
「今回の山に親父たちの懐は当てにしない。あくまで、オレ個人の資産でケリを付けなきゃならねぇ……
でなきゃ、誰もオレを認めてなんてくれはしないからな。
それは、理解してくれるか?」
「ん~、まぁ……な……」
イスュの野望は、今の親父の開いた商会から脱退して自分の商会を立ち上げる事らしい。
故に、他人……ではないが、自分以外の人間の懐を当てにして事業を成功させても意味が無い。と、イスュは言いたいのだろう。
第一、自分以外の金で開いた会社など誰が認めてくれると言うのか……
「んじゃ、代金の支払いはどうするつもりなんだよ?」
まぁ、イスュの野望はさて置き、俺としてはそっちの方がよっぽど気になっていたのだ。
俺がジト目でそう聞くと、イスュのやつはまたあの嫌な笑顔を浮かべて見せた。
「で、さっきの話ってわけだよ」
「はぁ?」
「今度はこっちから取引を申し込もうじゃないか。
なぁ、ロディフィス・マクガレオス、商売の話をしようじゃないか?」
………
……
…
イスュの話を一言でまとめるなら、委託販売方式と言う事になるのだろう……
俺がソロバンを作って、それを一旦イスュに預ける。
そのあと、イスュがハロリア商会の販売網を使って販売。
売り上げ金の何割かを俺がもらい、これを買い取り金とすると言うのだ。
そして、イスュはマージンとして残りを受け取る。勿論、材料費などの必要経費はすべてイスュ持ちだ。
売り上げの分配比率は6対4。俺が4でイスュが6だ。
一見不公平にも見えるかもしれないが、材料費、それに販売の一手を全てイスュが負担する事を考えれば、むしろ破格の好条件だと言えた……ここまでの話なら、な……
ただ、ここからの内容はぶっ飛んでいた。
まず、イスュが要求してきた納品数がトチ狂っていたのだ。
初期ロット生産数が3000個。一応の目処として1万個以上。
イスュに言わせると、これでもまだ少ないらしい。
曰く、
“いいか? さっきも言ったが、ソロバンの構造は単純だ。
誰だって一回見れば複製出来る。
少しずつ小出しで売っていたら、即マネをされて顧客の奪い合いになった挙句、低価格化競争に巻き込まれて利益が上がらなくなるのは目に見えてんだよ。
だから、勝負は一瞬だ。
一気に大量の物量を市場に流し込んで、供給飽和を起こして新規参入が不可能な状態を作り出す。
そのためには商品が必要なんだよ。圧倒的な量の商品がな”
との事だった。
著作権? なにそれ、おいしいの? な世界だ。
いい商品はパクり、バクられるのが日常茶飯事な訳だから“パクられる前に売り切る”と言うのは、間違った戦略じゃないのは理解するが、だからって……なぁ?
イスュが、初めに“買う金はないっ!”と言ったのには、こう言う理由があったのだ。
3000個スタートで第一目標1万個って……とても個人で支払えるレベルの額じゃない。
それは、作る俺にしたって同じ事が言えるわけだけど……
それこそ、村の奴らを何人も動員してやっと……
そう考えた時、イスュの考えが透けて見えた気がした。
「……お前……まさか、俺に村の連中使って作らせるつもりじゃないだろな?」
にやぁ~、とまたあの悪い顔が出ていた。
「ソロバンを作るくらいだ……
それなりに顔が利くんじゃないのかお前?」
手にしたソロバンをカチャカチャしながら、イスュは俺を見た。あの悪代官の様な顔で……
「うっ……」
先日の大衆選択場の事を思い出して言葉が詰まる……
一を聞いて十を知る……ではないが、イスュは断片的な情報から全体を見通す能力が異常だ……
何でも見透かされているようで、気持ちが悪くなってくるな。
が、俺だって別に村人をどうこう出来る立場にある訳じゃない。
だから“村の最高責任者である村長にイスュを紹介するから、あとは自分で何とかしろ”と言うことで話の落としどころとした。
「ああ、それで全然構わない。ってか、村長に顔が利くガキって……お前本当に何モンだよ……」
享年38歳のSE。独身です。
とは、流石に言えないので、この問いには聞えなかったフリをして無視をした。
しかし……ここで俺にはどうにも腑に落ちない事があった。
「つーか、何でそんな話を俺にするんだよ?
そんな事をしたいなら、さっきイスュ自身が言ったように自前で量産して販売すればいいだけだろ?
その方が割りがいいはずだ」
「確かにな、お前の言う通りだよ……本来なら、そうしたいのは山々なんだが……
さっきも言ったが今回の山は金の問題も含めて“ハロリア商会”の力は使いたくない。
そうなると、今のオレには何の力もねぇんだわ……ツテもカネもありゃしねぇ……
親父の名前を出せば協力してくれる奴らはいるだろうが……それじゃ何の意味もねぇしな。
結局の所、オレから“ハロリア”を取ったら、ただの若造しか残らないって事だな……」
イスュは自嘲するように笑って見せた。
「だがな……オレはロディフィス、お前に出会った……お前と言う存在を知った。
“いつか自分の商会を持つ”それの“いつか”が“今”なんだよ。
今このチャンスに尻込みしたら、俺にその“いつか”はもう二度とこないような気がする……
オレはここを、博打の打ち所だと決めた。
オレが商人として成功するか、それともここで潰れ消えるかの大一番だ……
だから頼む。お前の力を貸して欲しい……」
イスュはそう言うと、高々5歳のオレに頭を下げたのだ。
しかもその時のイスュの真剣な表情と言ったら……
“こいつもそんな顔が出来るのか?”と驚く程の物だった。
要は、“自分はこれだけの事が出来るんだぜ?”と言うのを、親兄弟に証明したいのだろう。
それと同時に“オレはお前らとは違うのだ”という事も……
だからこそ、親のコネを使わず、どうしても一人で成功させる必要がある。
そして、ソロバン販売の成功という実績を引っ下げて晴れて独立……そんな青写真をイスュは描いているのかもしれないな。
何と言うのか……若いな。そして、熱い……俺が言うなって話ではあるが、俺の場合中身はただのおっさんだからなぁ……
だが、そんな勢いのある若いやつは、俺は嫌いじゃない。
むしろ好ましく思うくらいだ。
こう、ただ前だけ向いた直向なやつは、ついつい応援したくなるってものだ。
だから、俺は内心こいつに……イスュに協力しようと決めた。
まぁ、たくさん売れればその分売り上げも期待できるしな。
そうして得た資金を元に村に投資すれば、暮らしが向上して村人ハッピー、イスュは独立出来て夢叶いハッピー。
まさにwin&winの関係ではないか。
だが……
内心、応援するとは決めても確かめなければいけない事もある……
「……で、俺にさっき会ったばかりの男の話を信じろと?
その話に乗るとするなら、ソロバンを一旦イスュ、お前に納品した上で売上金を再分配するって事だろ?
お前が、売り上げを持ち逃げしない保障がどこにある?
もっと言えば、売れたのに“まったく売れなかった”と虚偽の報告をされただけで、ウチだけ割を食うことになる。
だから、今の所の返答は“帰ってクソして寝ろ”だな。
……で、そんな俺をお前はどうやって説得するつもりだ?」
これは、イスュから持ち出した“取引”だ。
ビジネスである以上俺だって、妥協するつもりはない。
心境的には手を貸してやりたいが、俺だってババなんて引きたくないのだ。
「ったく……どんだけ思慮深いガキだよ……
お前、面の皮引っぺがしたら、中からジジィが出てて来るんじゃないだろうな?
まぁいいか……安心しろ。その辺りの事もちゃんと考えてある」
そう言って、イシュは上着のポケットから一枚の木札を取り出した。
その木札には、何やら細かい模様がびっしり書かれていた。
「何だよそれ?」
「商業許可手形だ」
イスュの話によると、商業許可手形とは領主が発行している“領内における商売の一切を認める”許可証、との事だった。
領内の人が、個人で運べる量の物品を、領内で売買する分には特に何の規制も受けないのだが、隊商を組んだり、領地を跨いで売買を行う場合には、この“商業許可手形”を領主から購入しなければならないらしい。
大きな町や、王都などの都心部では町の出入りに関所を通るので、隊商はこの時に持ち込む物品・持ち出す物品によって決められた料金……要は関税だな……を支払う決まりになっているのだとイスュは言う。
しかし、スレーベン領の様な地方領土では関所のような物が一切無い。
これでは、領内の物品が持ち出しフリーになってしまうので“うちの領土で商売したけりゃ先にショバ代払えやコラァ!”と言う事らしい。
要はあれだな……例えば、スレーベン領で採れた全ての小麦を、隣のB領が全て買い取って持って行ってしまったら、スレーベン領の人たちは小麦を食べられなくなってしまう。
だから、先に税金を徴収することで、行商自体の数を制限してしまおうと言うことらしい。
しかも、一枚の商業許可手形で一隊商につき荷車10台までと言う制限まで付いているとの事だ。
「で、その手形がどうしたんだよ?」
「これを抵当に入れる。
これ一枚で700万RDは下らないからな。
これをお前に預ける。
もしオレが裏切ったり、商売に失敗したときはこいつを好きにすればいい……
どうだ? これで信じる気になったか?」
抵当……それは一言で言えば借金のかたの事だ。
イスュは、商業許可手形を担保に俺から借金をしようと言うのだ。
「まぁ、こいつが“本物である証明をしろ”って言われると無理だが、手形の偽造は重罪だからな。
まず、する奴はいない。リスクとリターンが合ってないからな。
それに、ほれっ、ここんとこに“ハロリア商会”って書いてあるだろ?
もし、こいつが偽物だった場合は、ウチの商会全体の信用問題になる。
と、言うのを踏まえた上で信用してもらうしかないんだがな……」
正直、700万RDってのがどれくらいの大金なのか俺にはピンと来なかったが(村じゃ金なんてあんまり使わないからな)、イスュの覚悟だけはヒシヒシと伝わってきた。
「……ちなみに、そんな事を勝手にして大丈夫とは思わないが、そこんとこどうなんだよ……?」
「あ~、親父にバレたら間違いなく勘当ものだろうな。
身包み剥いで家から追い出される。あと、行商中に……まぁ、滅多に無い事だが、手形の提示を求められて提示出来なかった場合は、最悪死罪になる」
しっ、死刑っ!? マジかっ!?
「それだけオレも本気だって事だよ」
顔は笑っていたが、目が笑っていなかった……
「……
分かった。信じるよ……
だが、その手形は預からない。
もし、行商中に死なれたら俺の儲けも無くなるからな……」
「おっ? そんな事言っていいのか? トンズラするかもしれないぜ?」
「そん時は、お前も所詮はそこまでの男だったと、世の中の世知辛さを教えてもらった高い授業料だったと、諦めるよ……」
「おっ、言うねぇ……お前、実は良い奴だろ?」
「ちげーな……“良い漢”、だろ?」
俺は、顎に手をやりダンディなポーズをキメた。
「ぶっ! ぶわぁはっはっはっはっはっ!!!
ロディフィス! お前イイわっ! サイコーだわっ!
ここは一つよろしく頼むぜ、相棒!」
イスュはそう言うと、すっと手を俺に向けて差し出してきた。
が、俺はその手をペシリと叩いて払い落とした。
「その呼び方も握手も、村長に話を通してからだ」
「だな」
ちなみに……
道中、“ハロリア商会の販売網を使うって事は、商会の力を頼ることになるんじゃないのか?”と聞いたところ、“はっ? こう言うのは、利用するって言うんだよ。ほれっ、動くものなら親兄弟だって使えって言うだろ?”と、したり顔言っていた。
……商魂逞しいこって。
こうして俺たちは連れ立って、村長の下を訪ねる事となった。
イスュは流暢な語りで、村長に協力を打診したところ“住人が個人の意思で協力する分には一向に構わない”とあっさり了承。
これに気をよくしたイスュは、更に自分たちが村から立ち去ったあとに、協力者の募集をしてもらうよう村長に頼んでいた。
この時、イスュが懐からいくらかの金銭を渡していた様で、村長がほくほく顔になって受け取っていた。
“自分たちが村から立ち去ったあとに”と言うのは、隊商の人たち……特にお目付け役とも言えるあのバッカスとか言うおっちゃんにバレ無い様にするためだ。
募集の内容は“軽作業”として、後日希望者をあつめて説明会を催す事になった。
勿論、説明役は俺だ。
更に付け加えるなら、まぁ、当たり前だが、協力者にはある程度の俸禄が与えられる事も言及されていた。
各種打ち合わせ等が終わった段階で、イスュ共々隊商がいた広場へと戻った頃にはすっかり陽も傾き夕暮れとなっていた。
隊商も売るものも売ったので、引き上げの準備に取り掛かっていたが時間も遅く、今出発すると夜の街道を行く事になり危険と言うことで、出発は翌日の早朝となった。
「んじゃ、そっちの段取りは任せたぜ相棒」
「まぁ、やるだけやって見るけどさぁ、数が数だから期待すんなよ?」
「別に急ぐ必要は無いさ。
無理な様だったらまた期間を設けて、数の充実を図るだけだ。
なにせ、競争相手ゼロの商品だからなっ!
オレたちのペースでじっくり準備が出来る。
じゃ、改めて……
一つ、よろしく頼むぜ相棒っ!」
「あいあい……まぁ、がんばってみるよ……」
俺は再び差し出されたイスュの手を、今度は払う事無く握り返した。
イスュと別れた俺は、その足でじーさんの所へと向かっていた。
勿論、今回の新規事業について説明と協力を要請するためだ。
一通りの説明が終わったあと……
“またなんぞ、妙な事を始めやがってぇ……”
と、半ば飽きられたが、村の生活を向上するためだ。仕方ない。
で、肝心のソロバンの保管場所なのだが……
じーさんのとこで倉庫に使っている小屋を、一時的に接収する事になった。
中身を全て外に出して、作ったソロバンの保管に使うのだ。
これにはローザばぁちゃんが、ひっじょ~に渋い顔をしていたが、俺(孫)からの“おばぁ~ちゃ~ん、おっねっがっいっ♪”と言うコールによって一撃で陥落した。
孫パワー、マジパネェな、おいっ……
後日……
村の掲示板……村長からの連絡や、最近の出来事が書かれている物……に、ソロバン作りの募集をかけた所、結構な人数が集まった。
説明会を開いた上で、参加の最終確認を取った所で43人の希望者が現れた。
やはり、俸禄あり、の一文の威力だろうな。
次にイスュがこの村にやってくるのは、この村を発った日から15日後と決めていた。
それまでに初期ロット3000個のソロバンを用意しなくてはならない。
イスュが村を発って既に数日が経過していた。
もう猶予はない。
明日から早速、作業開始だ。
“商売の話をしよう”そう言ったイスュの最初の言葉がそれだった。
「ふ~ん……ってか、ソロバンは一ついくらで買い取ってくれるんだよ?
話はまずそこからだろ?」
ソロバンを“買い取る”と言う話はついていたが、まだ“いくらで?”と言う話はしていなかったのだ。
俺としては、こいつの野望だとか、事業拡大とかは正直どうでもいい。
今一番気にしている点は、“いくらになるのか”ただその一点だった。
「ん? 金ならださねぇぞ? ってか、正確には“出せない”だな……
今のオレに、自由に出来る金はほとんどないからなっ!」
「…… …… は? …… …… はぁぁああ!?」
イスュはそんな事を、何故か胸を張って答えたのだ。
こいつは何を言ってんだ?
さっき買うって言っといて、金がないってどういう事だよっ! ああぁん!
「おい……イスュ……お前、俺の事ガキだと思ってバカにしてんのか?」
怒りの余り、声が震えて頬がピクピクしてきた……
やれ“一山当てる”だの、“独立する”だの言っといて、何が今更“金はない”だぁ!?
川べりの石に、イスュと横並びに座って今後の事について話し合っていた俺は、ついつい立ち上がってイスュの胸ぐらを掴み上げていた。
……たぶん、傍から見たらおにーちゃんの胸元にしがみ付いてじゃれてる子ども、にしか見えなかっただろうけど……
「まぁ、落ち着けって……別にロディフィスの事をバカしたつもりはないし、オレは至ってマジだ。
誤解すんなよ? オレだって、この一件には人生掛けてんだからな。
ただオレの現状ってやつもきっちり話しておかなきゃフェアじゃないだろ?
話だけ進めて、いざって時に“実は金はありません”の方が酷いんじゃないか?」
イスュはそう言うと、張り付いていた俺をベリッと剥がして座っていた石の上に戻した。
「そりゃ……まぁ……そうだけど……」
「今回の山に親父たちの懐は当てにしない。あくまで、オレ個人の資産でケリを付けなきゃならねぇ……
でなきゃ、誰もオレを認めてなんてくれはしないからな。
それは、理解してくれるか?」
「ん~、まぁ……な……」
イスュの野望は、今の親父の開いた商会から脱退して自分の商会を立ち上げる事らしい。
故に、他人……ではないが、自分以外の人間の懐を当てにして事業を成功させても意味が無い。と、イスュは言いたいのだろう。
第一、自分以外の金で開いた会社など誰が認めてくれると言うのか……
「んじゃ、代金の支払いはどうするつもりなんだよ?」
まぁ、イスュの野望はさて置き、俺としてはそっちの方がよっぽど気になっていたのだ。
俺がジト目でそう聞くと、イスュのやつはまたあの嫌な笑顔を浮かべて見せた。
「で、さっきの話ってわけだよ」
「はぁ?」
「今度はこっちから取引を申し込もうじゃないか。
なぁ、ロディフィス・マクガレオス、商売の話をしようじゃないか?」
………
……
…
イスュの話を一言でまとめるなら、委託販売方式と言う事になるのだろう……
俺がソロバンを作って、それを一旦イスュに預ける。
そのあと、イスュがハロリア商会の販売網を使って販売。
売り上げ金の何割かを俺がもらい、これを買い取り金とすると言うのだ。
そして、イスュはマージンとして残りを受け取る。勿論、材料費などの必要経費はすべてイスュ持ちだ。
売り上げの分配比率は6対4。俺が4でイスュが6だ。
一見不公平にも見えるかもしれないが、材料費、それに販売の一手を全てイスュが負担する事を考えれば、むしろ破格の好条件だと言えた……ここまでの話なら、な……
ただ、ここからの内容はぶっ飛んでいた。
まず、イスュが要求してきた納品数がトチ狂っていたのだ。
初期ロット生産数が3000個。一応の目処として1万個以上。
イスュに言わせると、これでもまだ少ないらしい。
曰く、
“いいか? さっきも言ったが、ソロバンの構造は単純だ。
誰だって一回見れば複製出来る。
少しずつ小出しで売っていたら、即マネをされて顧客の奪い合いになった挙句、低価格化競争に巻き込まれて利益が上がらなくなるのは目に見えてんだよ。
だから、勝負は一瞬だ。
一気に大量の物量を市場に流し込んで、供給飽和を起こして新規参入が不可能な状態を作り出す。
そのためには商品が必要なんだよ。圧倒的な量の商品がな”
との事だった。
著作権? なにそれ、おいしいの? な世界だ。
いい商品はパクり、バクられるのが日常茶飯事な訳だから“パクられる前に売り切る”と言うのは、間違った戦略じゃないのは理解するが、だからって……なぁ?
イスュが、初めに“買う金はないっ!”と言ったのには、こう言う理由があったのだ。
3000個スタートで第一目標1万個って……とても個人で支払えるレベルの額じゃない。
それは、作る俺にしたって同じ事が言えるわけだけど……
それこそ、村の奴らを何人も動員してやっと……
そう考えた時、イスュの考えが透けて見えた気がした。
「……お前……まさか、俺に村の連中使って作らせるつもりじゃないだろな?」
にやぁ~、とまたあの悪い顔が出ていた。
「ソロバンを作るくらいだ……
それなりに顔が利くんじゃないのかお前?」
手にしたソロバンをカチャカチャしながら、イスュは俺を見た。あの悪代官の様な顔で……
「うっ……」
先日の大衆選択場の事を思い出して言葉が詰まる……
一を聞いて十を知る……ではないが、イスュは断片的な情報から全体を見通す能力が異常だ……
何でも見透かされているようで、気持ちが悪くなってくるな。
が、俺だって別に村人をどうこう出来る立場にある訳じゃない。
だから“村の最高責任者である村長にイスュを紹介するから、あとは自分で何とかしろ”と言うことで話の落としどころとした。
「ああ、それで全然構わない。ってか、村長に顔が利くガキって……お前本当に何モンだよ……」
享年38歳のSE。独身です。
とは、流石に言えないので、この問いには聞えなかったフリをして無視をした。
しかし……ここで俺にはどうにも腑に落ちない事があった。
「つーか、何でそんな話を俺にするんだよ?
そんな事をしたいなら、さっきイスュ自身が言ったように自前で量産して販売すればいいだけだろ?
その方が割りがいいはずだ」
「確かにな、お前の言う通りだよ……本来なら、そうしたいのは山々なんだが……
さっきも言ったが今回の山は金の問題も含めて“ハロリア商会”の力は使いたくない。
そうなると、今のオレには何の力もねぇんだわ……ツテもカネもありゃしねぇ……
親父の名前を出せば協力してくれる奴らはいるだろうが……それじゃ何の意味もねぇしな。
結局の所、オレから“ハロリア”を取ったら、ただの若造しか残らないって事だな……」
イスュは自嘲するように笑って見せた。
「だがな……オレはロディフィス、お前に出会った……お前と言う存在を知った。
“いつか自分の商会を持つ”それの“いつか”が“今”なんだよ。
今このチャンスに尻込みしたら、俺にその“いつか”はもう二度とこないような気がする……
オレはここを、博打の打ち所だと決めた。
オレが商人として成功するか、それともここで潰れ消えるかの大一番だ……
だから頼む。お前の力を貸して欲しい……」
イスュはそう言うと、高々5歳のオレに頭を下げたのだ。
しかもその時のイスュの真剣な表情と言ったら……
“こいつもそんな顔が出来るのか?”と驚く程の物だった。
要は、“自分はこれだけの事が出来るんだぜ?”と言うのを、親兄弟に証明したいのだろう。
それと同時に“オレはお前らとは違うのだ”という事も……
だからこそ、親のコネを使わず、どうしても一人で成功させる必要がある。
そして、ソロバン販売の成功という実績を引っ下げて晴れて独立……そんな青写真をイスュは描いているのかもしれないな。
何と言うのか……若いな。そして、熱い……俺が言うなって話ではあるが、俺の場合中身はただのおっさんだからなぁ……
だが、そんな勢いのある若いやつは、俺は嫌いじゃない。
むしろ好ましく思うくらいだ。
こう、ただ前だけ向いた直向なやつは、ついつい応援したくなるってものだ。
だから、俺は内心こいつに……イスュに協力しようと決めた。
まぁ、たくさん売れればその分売り上げも期待できるしな。
そうして得た資金を元に村に投資すれば、暮らしが向上して村人ハッピー、イスュは独立出来て夢叶いハッピー。
まさにwin&winの関係ではないか。
だが……
内心、応援するとは決めても確かめなければいけない事もある……
「……で、俺にさっき会ったばかりの男の話を信じろと?
その話に乗るとするなら、ソロバンを一旦イスュ、お前に納品した上で売上金を再分配するって事だろ?
お前が、売り上げを持ち逃げしない保障がどこにある?
もっと言えば、売れたのに“まったく売れなかった”と虚偽の報告をされただけで、ウチだけ割を食うことになる。
だから、今の所の返答は“帰ってクソして寝ろ”だな。
……で、そんな俺をお前はどうやって説得するつもりだ?」
これは、イスュから持ち出した“取引”だ。
ビジネスである以上俺だって、妥協するつもりはない。
心境的には手を貸してやりたいが、俺だってババなんて引きたくないのだ。
「ったく……どんだけ思慮深いガキだよ……
お前、面の皮引っぺがしたら、中からジジィが出てて来るんじゃないだろうな?
まぁいいか……安心しろ。その辺りの事もちゃんと考えてある」
そう言って、イシュは上着のポケットから一枚の木札を取り出した。
その木札には、何やら細かい模様がびっしり書かれていた。
「何だよそれ?」
「商業許可手形だ」
イスュの話によると、商業許可手形とは領主が発行している“領内における商売の一切を認める”許可証、との事だった。
領内の人が、個人で運べる量の物品を、領内で売買する分には特に何の規制も受けないのだが、隊商を組んだり、領地を跨いで売買を行う場合には、この“商業許可手形”を領主から購入しなければならないらしい。
大きな町や、王都などの都心部では町の出入りに関所を通るので、隊商はこの時に持ち込む物品・持ち出す物品によって決められた料金……要は関税だな……を支払う決まりになっているのだとイスュは言う。
しかし、スレーベン領の様な地方領土では関所のような物が一切無い。
これでは、領内の物品が持ち出しフリーになってしまうので“うちの領土で商売したけりゃ先にショバ代払えやコラァ!”と言う事らしい。
要はあれだな……例えば、スレーベン領で採れた全ての小麦を、隣のB領が全て買い取って持って行ってしまったら、スレーベン領の人たちは小麦を食べられなくなってしまう。
だから、先に税金を徴収することで、行商自体の数を制限してしまおうと言うことらしい。
しかも、一枚の商業許可手形で一隊商につき荷車10台までと言う制限まで付いているとの事だ。
「で、その手形がどうしたんだよ?」
「これを抵当に入れる。
これ一枚で700万RDは下らないからな。
これをお前に預ける。
もしオレが裏切ったり、商売に失敗したときはこいつを好きにすればいい……
どうだ? これで信じる気になったか?」
抵当……それは一言で言えば借金のかたの事だ。
イスュは、商業許可手形を担保に俺から借金をしようと言うのだ。
「まぁ、こいつが“本物である証明をしろ”って言われると無理だが、手形の偽造は重罪だからな。
まず、する奴はいない。リスクとリターンが合ってないからな。
それに、ほれっ、ここんとこに“ハロリア商会”って書いてあるだろ?
もし、こいつが偽物だった場合は、ウチの商会全体の信用問題になる。
と、言うのを踏まえた上で信用してもらうしかないんだがな……」
正直、700万RDってのがどれくらいの大金なのか俺にはピンと来なかったが(村じゃ金なんてあんまり使わないからな)、イスュの覚悟だけはヒシヒシと伝わってきた。
「……ちなみに、そんな事を勝手にして大丈夫とは思わないが、そこんとこどうなんだよ……?」
「あ~、親父にバレたら間違いなく勘当ものだろうな。
身包み剥いで家から追い出される。あと、行商中に……まぁ、滅多に無い事だが、手形の提示を求められて提示出来なかった場合は、最悪死罪になる」
しっ、死刑っ!? マジかっ!?
「それだけオレも本気だって事だよ」
顔は笑っていたが、目が笑っていなかった……
「……
分かった。信じるよ……
だが、その手形は預からない。
もし、行商中に死なれたら俺の儲けも無くなるからな……」
「おっ? そんな事言っていいのか? トンズラするかもしれないぜ?」
「そん時は、お前も所詮はそこまでの男だったと、世の中の世知辛さを教えてもらった高い授業料だったと、諦めるよ……」
「おっ、言うねぇ……お前、実は良い奴だろ?」
「ちげーな……“良い漢”、だろ?」
俺は、顎に手をやりダンディなポーズをキメた。
「ぶっ! ぶわぁはっはっはっはっはっ!!!
ロディフィス! お前イイわっ! サイコーだわっ!
ここは一つよろしく頼むぜ、相棒!」
イスュはそう言うと、すっと手を俺に向けて差し出してきた。
が、俺はその手をペシリと叩いて払い落とした。
「その呼び方も握手も、村長に話を通してからだ」
「だな」
ちなみに……
道中、“ハロリア商会の販売網を使うって事は、商会の力を頼ることになるんじゃないのか?”と聞いたところ、“はっ? こう言うのは、利用するって言うんだよ。ほれっ、動くものなら親兄弟だって使えって言うだろ?”と、したり顔言っていた。
……商魂逞しいこって。
こうして俺たちは連れ立って、村長の下を訪ねる事となった。
イスュは流暢な語りで、村長に協力を打診したところ“住人が個人の意思で協力する分には一向に構わない”とあっさり了承。
これに気をよくしたイスュは、更に自分たちが村から立ち去ったあとに、協力者の募集をしてもらうよう村長に頼んでいた。
この時、イスュが懐からいくらかの金銭を渡していた様で、村長がほくほく顔になって受け取っていた。
“自分たちが村から立ち去ったあとに”と言うのは、隊商の人たち……特にお目付け役とも言えるあのバッカスとか言うおっちゃんにバレ無い様にするためだ。
募集の内容は“軽作業”として、後日希望者をあつめて説明会を催す事になった。
勿論、説明役は俺だ。
更に付け加えるなら、まぁ、当たり前だが、協力者にはある程度の俸禄が与えられる事も言及されていた。
各種打ち合わせ等が終わった段階で、イスュ共々隊商がいた広場へと戻った頃にはすっかり陽も傾き夕暮れとなっていた。
隊商も売るものも売ったので、引き上げの準備に取り掛かっていたが時間も遅く、今出発すると夜の街道を行く事になり危険と言うことで、出発は翌日の早朝となった。
「んじゃ、そっちの段取りは任せたぜ相棒」
「まぁ、やるだけやって見るけどさぁ、数が数だから期待すんなよ?」
「別に急ぐ必要は無いさ。
無理な様だったらまた期間を設けて、数の充実を図るだけだ。
なにせ、競争相手ゼロの商品だからなっ!
オレたちのペースでじっくり準備が出来る。
じゃ、改めて……
一つ、よろしく頼むぜ相棒っ!」
「あいあい……まぁ、がんばってみるよ……」
俺は再び差し出されたイスュの手を、今度は払う事無く握り返した。
イスュと別れた俺は、その足でじーさんの所へと向かっていた。
勿論、今回の新規事業について説明と協力を要請するためだ。
一通りの説明が終わったあと……
“またなんぞ、妙な事を始めやがってぇ……”
と、半ば飽きられたが、村の生活を向上するためだ。仕方ない。
で、肝心のソロバンの保管場所なのだが……
じーさんのとこで倉庫に使っている小屋を、一時的に接収する事になった。
中身を全て外に出して、作ったソロバンの保管に使うのだ。
これにはローザばぁちゃんが、ひっじょ~に渋い顔をしていたが、俺(孫)からの“おばぁ~ちゃ~ん、おっねっがっいっ♪”と言うコールによって一撃で陥落した。
孫パワー、マジパネェな、おいっ……
後日……
村の掲示板……村長からの連絡や、最近の出来事が書かれている物……に、ソロバン作りの募集をかけた所、結構な人数が集まった。
説明会を開いた上で、参加の最終確認を取った所で43人の希望者が現れた。
やはり、俸禄あり、の一文の威力だろうな。
次にイスュがこの村にやってくるのは、この村を発った日から15日後と決めていた。
それまでに初期ロット3000個のソロバンを用意しなくてはならない。
イスュが村を発って既に数日が経過していた。
もう猶予はない。
明日から早速、作業開始だ。
2
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる