5 / 9
ご。
しおりを挟む
私達は正座をさせられていた。
なぜだ、彼女は私の妻でいてくれると言ってくれたのに。意味がわからない。
「タマオ、なぜ正座を」
パァン!
『ヒィっ』
タマオ愛用のハリセンが音を立てた。
「旦那様方、情けのうございますわ!」
パァン! パァン!
タマオの手のひらを打つハリセン。この音にトラウマ持ちの私達は身を硬くする。
「まずは、ニージオ様!」
「はひっ!」
噛んだな、ニィ君……。
「ニィチェル様と会話が全く噛み合っていませんでしたが、勢いだけで謝罪し、心を伝えたことは素晴らしいですわ、フラワーショップ・エリザベスの手抜き月イチギフトのことは最後まで思い出されることは無くても! 勢いだけで想いを伝えられる姿は、ニィチェル様も心を動かされたようでしたわ」
あ、フラワーショップ・エリザベスの月イチギフトのことだったのか……と、横で呟くニージオ。今思い出したんだな……ってか、ニィ君も月イチギフト契約してたんだな……。
「しかし! 勢いのまま押し倒すなんて、夫であっても許せるものではありませんわ!」
「はひっ!」
背筋を伸ばすニージオ。
ちょ、押し倒したの!? 何してんの! ニィ君!
「お可哀想に、ケダモノと化した旦那様に、怯えきったニィチェル様は寝室にこもられたそうですわ」
「うぐっ」
「そして……」
ゆらりと向けるタマオの表情に竦み上がった。狩られる! と。魔獣と遭遇した草食動物のような、そんな命の危険を感じるほどの表情を向けられた。
「“今まで通りいてほしい”?」
「え?」
「今まで通りで『ひっ、ヒィィィ!』すってぇぇぇ?」
思わずニージオと二人抱き合ったよ!
「イルジオン様、ご自分が何を言ったか、分かっておられないようですねぇぇ」
「な、な、なに、を、まちがへたの、でしょうか?」
「イルジオン様に今まで通りと言われ、イーシア様は、今まで通り、名ばかりの妻でいてほしいと、そう思われたんですよ!」
「なっ!?」
“なっ”のままクチを開けっぱで固まってしまった。
あの時、通じ合ったと思っていたのに、勘違いさせていた? そんな、では私の言葉に、彼女はどんな顔をして!?
「わ、私は、どうした「なんということでしょうっ!」えっ!?」
顔を覆い崩れるタマオ。
「顔面偏差値は高いのに、人の女を追いかけていた所為でこんなにも恋愛経験値が底辺だなんて!「すみません!」あぁ、望まれる言葉しか返したことがないから、気の利いた言葉すら思いつかないだなんて!「すみませんっ!!」」
ふっと、立ち上がるタマオ。向けられた表情は残念な、可哀想なモノを見るものだった。
「イーシア様もご気分が優れないと、寝室へこもられましたわ。旦那様方、今日はこのままお引き取りくださいませ」
『待ってくれ!タマオ、一目彼女に!』
縋る私達に、できの悪い弟を見る、困ったような笑を浮かべた。
「私からのアドバイスですわ。お二人とも、毎日手紙を送ること。休日には必ず奥様へ会いに来てくださいね」
明日もお仕事なのですからと、追い出されるように馬車に押し込まれ、私達は王都へ帰ってきた。
帰宅後私は手紙を書いた。何度も書き直し、結局体調を気遣うというものになった。妻への初めての手紙。いや、考えれば女性へ手紙を送るとこ自体初めてだった。
『今まで通りいてほしい』を、『今まで通り、名ばかりの妻でいてほしい』なんて勘違いさせ、顔も合わせることすら出来ず戻ってきた私は、思いっきり寝不足だった。日差しが目に痛いよ。
***
食堂でニージオと会った。
同じく自分の失態に寝不足で、私と同じような顔をしているのかと思いきや、ツヤテカ、満面の笑みでカップケーキを頬張っていた。
隣の席でうどんを啜るが、バターの良い香りが気になりだした。
「一個くれよ」
「断る!」
カップケーキを抱きかかえるように私を避ける姿にイラ。
昨日の今日でなんで、こんなに能天気なんだ。
馬車の中では大きな身体を丸めて「嫌われた? オレ、嫌われた?」と真っ青になって頭抱えていたくせに! が、ニージオの言葉に私は声を失ったよ。
「愛しい妻の手作りを人へやれるか!」
え?
妻?
ドコにいる妻?
「ニィチェルに決まってるだろ、今朝、持たせてくれたんだ」
「は? はぁぁぁっ!?」
いやいやいやいや、待て待て待ってっ!
領地の端の屋敷まで行ったの!? 今日の朝!?
驚きすぎて、声も無くパクパクする私の言わんとすることを察してくれた友。
「行って来たよ、会いたくて寝れなくてさ」
キラリとめっさ、いい笑顔だけど! 門を使っても片道三時間だよ!?
「馬で駆ければ二時間程で着く!」
ドヤっと胸を反らせるけど、
「まだ使用人も起きてなくてさ、屋敷にも入れなくて、門前で待ってたら警邏隊に職質されちゃったしさー、まいったぜ」
何時についたんだよ。ソレ!
「ニィチェルに会ってもすぐに王都へ帰らなきゃなんないだろ? 朝食を一緒にとる時間もないからって、ニィ……オレの奥さんが持たせてくれたんだよ!」
ナニソレ、ナニソレ! 羨ましすぎるんですけどー!
「あぁ、イーシアも「はぁ!?」」
「会ったのか! 彼女に!? ど、どんな様子だった!? わ、私のことは、何か言ってなかったか!?」
「視界の端にいた気するけど、オレ、ニィチェルしか見えてないから、何言われても記憶にものこってないな」
「おぉぉぉまぁえぇぇぇっ」
「な、なんだよ! イッ君も会いに行けばいいだろ!」
くっ!
単騎で駆けるなんて、内職系(室内で働く術士)にできるわけないだろ!
コイツの行動力がうらやましい!
幸せそうなニージオと比べ、焦りと寝不足で集中力は散漫し、仕事はつまらないミスを繰り返し、全て片付けたのは日付が変わってからだった。
自室に入り、机に置かれた封筒が目に入り、飛びついた。
イーシアからの返事!!
はやる気持ちを抑え、慎重に封を開ける。
「あぁ……」
そこには体調を気遣う短い文章、だけ。
私の言葉で彼女の気持ちが離れてしまったのか?
ため息ついて初めて目にした彼女の美しい文字、一文字一文字を目で追う。そして、気づいてしまった。
何度も書き直しであろう薄く残った文字の後!
「え、え? ここは、“申し訳あり”申し訳ありません? え? こっちは、“会えて”、“嬉し”? 会えて嬉しかった? え、本当に? うわ、ここには、“イル”私の名前か? “一緒に”って、イルジオン様と一緒にって書いてあるのか!? うわぁぁぁ……」
ベッドの上で手紙を抱きしめゴロゴロした。
会いたい。すごく会いたい。
こんな時間ではイーシアも眠っているだろう……。会いたい……。
ベッドの中で寝返りをうつが今夜も眠れそうにない。
このまま会いに行こうか? これから馬車を走らせて。
「…………」
ウチで抱えている高齢の御者の顔が浮かんだ。うん、無理させちゃダメ。
馬車を呼ぶか? 深夜料金っていくらだろう? 護衛も割り増しだったなぁ……、転移門も深夜料金かかってたなぁ…………。
そんなことを考えていたら夜が明けた。
今日も寝てない。
それからニージオは毎朝片道二時間駆け、己の妻へ会いに行っていた。ニージオの笑顔と、妻の手作りだという菓子や、弁当に、想いが通じ合った様子が見えて羨ましかった。
しかし私達の交わす手紙も、少しづつ、変化していった。
お互いの手紙に書かれるようになった“あいたい”、“会いたいです”の文字。
休日の前日、“明日会いに行きます”に届いた手紙は。
「よぉっし!!」
“イルジオン様に会えるのを楽しみにしています”
一週間が長かった。
明日、やっと彼女に会える。
なぜだ、彼女は私の妻でいてくれると言ってくれたのに。意味がわからない。
「タマオ、なぜ正座を」
パァン!
『ヒィっ』
タマオ愛用のハリセンが音を立てた。
「旦那様方、情けのうございますわ!」
パァン! パァン!
タマオの手のひらを打つハリセン。この音にトラウマ持ちの私達は身を硬くする。
「まずは、ニージオ様!」
「はひっ!」
噛んだな、ニィ君……。
「ニィチェル様と会話が全く噛み合っていませんでしたが、勢いだけで謝罪し、心を伝えたことは素晴らしいですわ、フラワーショップ・エリザベスの手抜き月イチギフトのことは最後まで思い出されることは無くても! 勢いだけで想いを伝えられる姿は、ニィチェル様も心を動かされたようでしたわ」
あ、フラワーショップ・エリザベスの月イチギフトのことだったのか……と、横で呟くニージオ。今思い出したんだな……ってか、ニィ君も月イチギフト契約してたんだな……。
「しかし! 勢いのまま押し倒すなんて、夫であっても許せるものではありませんわ!」
「はひっ!」
背筋を伸ばすニージオ。
ちょ、押し倒したの!? 何してんの! ニィ君!
「お可哀想に、ケダモノと化した旦那様に、怯えきったニィチェル様は寝室にこもられたそうですわ」
「うぐっ」
「そして……」
ゆらりと向けるタマオの表情に竦み上がった。狩られる! と。魔獣と遭遇した草食動物のような、そんな命の危険を感じるほどの表情を向けられた。
「“今まで通りいてほしい”?」
「え?」
「今まで通りで『ひっ、ヒィィィ!』すってぇぇぇ?」
思わずニージオと二人抱き合ったよ!
「イルジオン様、ご自分が何を言ったか、分かっておられないようですねぇぇ」
「な、な、なに、を、まちがへたの、でしょうか?」
「イルジオン様に今まで通りと言われ、イーシア様は、今まで通り、名ばかりの妻でいてほしいと、そう思われたんですよ!」
「なっ!?」
“なっ”のままクチを開けっぱで固まってしまった。
あの時、通じ合ったと思っていたのに、勘違いさせていた? そんな、では私の言葉に、彼女はどんな顔をして!?
「わ、私は、どうした「なんということでしょうっ!」えっ!?」
顔を覆い崩れるタマオ。
「顔面偏差値は高いのに、人の女を追いかけていた所為でこんなにも恋愛経験値が底辺だなんて!「すみません!」あぁ、望まれる言葉しか返したことがないから、気の利いた言葉すら思いつかないだなんて!「すみませんっ!!」」
ふっと、立ち上がるタマオ。向けられた表情は残念な、可哀想なモノを見るものだった。
「イーシア様もご気分が優れないと、寝室へこもられましたわ。旦那様方、今日はこのままお引き取りくださいませ」
『待ってくれ!タマオ、一目彼女に!』
縋る私達に、できの悪い弟を見る、困ったような笑を浮かべた。
「私からのアドバイスですわ。お二人とも、毎日手紙を送ること。休日には必ず奥様へ会いに来てくださいね」
明日もお仕事なのですからと、追い出されるように馬車に押し込まれ、私達は王都へ帰ってきた。
帰宅後私は手紙を書いた。何度も書き直し、結局体調を気遣うというものになった。妻への初めての手紙。いや、考えれば女性へ手紙を送るとこ自体初めてだった。
『今まで通りいてほしい』を、『今まで通り、名ばかりの妻でいてほしい』なんて勘違いさせ、顔も合わせることすら出来ず戻ってきた私は、思いっきり寝不足だった。日差しが目に痛いよ。
***
食堂でニージオと会った。
同じく自分の失態に寝不足で、私と同じような顔をしているのかと思いきや、ツヤテカ、満面の笑みでカップケーキを頬張っていた。
隣の席でうどんを啜るが、バターの良い香りが気になりだした。
「一個くれよ」
「断る!」
カップケーキを抱きかかえるように私を避ける姿にイラ。
昨日の今日でなんで、こんなに能天気なんだ。
馬車の中では大きな身体を丸めて「嫌われた? オレ、嫌われた?」と真っ青になって頭抱えていたくせに! が、ニージオの言葉に私は声を失ったよ。
「愛しい妻の手作りを人へやれるか!」
え?
妻?
ドコにいる妻?
「ニィチェルに決まってるだろ、今朝、持たせてくれたんだ」
「は? はぁぁぁっ!?」
いやいやいやいや、待て待て待ってっ!
領地の端の屋敷まで行ったの!? 今日の朝!?
驚きすぎて、声も無くパクパクする私の言わんとすることを察してくれた友。
「行って来たよ、会いたくて寝れなくてさ」
キラリとめっさ、いい笑顔だけど! 門を使っても片道三時間だよ!?
「馬で駆ければ二時間程で着く!」
ドヤっと胸を反らせるけど、
「まだ使用人も起きてなくてさ、屋敷にも入れなくて、門前で待ってたら警邏隊に職質されちゃったしさー、まいったぜ」
何時についたんだよ。ソレ!
「ニィチェルに会ってもすぐに王都へ帰らなきゃなんないだろ? 朝食を一緒にとる時間もないからって、ニィ……オレの奥さんが持たせてくれたんだよ!」
ナニソレ、ナニソレ! 羨ましすぎるんですけどー!
「あぁ、イーシアも「はぁ!?」」
「会ったのか! 彼女に!? ど、どんな様子だった!? わ、私のことは、何か言ってなかったか!?」
「視界の端にいた気するけど、オレ、ニィチェルしか見えてないから、何言われても記憶にものこってないな」
「おぉぉぉまぁえぇぇぇっ」
「な、なんだよ! イッ君も会いに行けばいいだろ!」
くっ!
単騎で駆けるなんて、内職系(室内で働く術士)にできるわけないだろ!
コイツの行動力がうらやましい!
幸せそうなニージオと比べ、焦りと寝不足で集中力は散漫し、仕事はつまらないミスを繰り返し、全て片付けたのは日付が変わってからだった。
自室に入り、机に置かれた封筒が目に入り、飛びついた。
イーシアからの返事!!
はやる気持ちを抑え、慎重に封を開ける。
「あぁ……」
そこには体調を気遣う短い文章、だけ。
私の言葉で彼女の気持ちが離れてしまったのか?
ため息ついて初めて目にした彼女の美しい文字、一文字一文字を目で追う。そして、気づいてしまった。
何度も書き直しであろう薄く残った文字の後!
「え、え? ここは、“申し訳あり”申し訳ありません? え? こっちは、“会えて”、“嬉し”? 会えて嬉しかった? え、本当に? うわ、ここには、“イル”私の名前か? “一緒に”って、イルジオン様と一緒にって書いてあるのか!? うわぁぁぁ……」
ベッドの上で手紙を抱きしめゴロゴロした。
会いたい。すごく会いたい。
こんな時間ではイーシアも眠っているだろう……。会いたい……。
ベッドの中で寝返りをうつが今夜も眠れそうにない。
このまま会いに行こうか? これから馬車を走らせて。
「…………」
ウチで抱えている高齢の御者の顔が浮かんだ。うん、無理させちゃダメ。
馬車を呼ぶか? 深夜料金っていくらだろう? 護衛も割り増しだったなぁ……、転移門も深夜料金かかってたなぁ…………。
そんなことを考えていたら夜が明けた。
今日も寝てない。
それからニージオは毎朝片道二時間駆け、己の妻へ会いに行っていた。ニージオの笑顔と、妻の手作りだという菓子や、弁当に、想いが通じ合った様子が見えて羨ましかった。
しかし私達の交わす手紙も、少しづつ、変化していった。
お互いの手紙に書かれるようになった“あいたい”、“会いたいです”の文字。
休日の前日、“明日会いに行きます”に届いた手紙は。
「よぉっし!!」
“イルジオン様に会えるのを楽しみにしています”
一週間が長かった。
明日、やっと彼女に会える。
28
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
好きな人と結婚出来ない俺に、姉が言った
しがついつか
恋愛
グレイキャット伯爵家の嫡男ジョージには、平民の恋人がいた。
彼女を妻にしたいと訴えるも、身分の差を理由に両親から反対される。
両親は彼の婚約者を選定中であった。
伯爵家を継ぐのだ。
伴侶が貴族の作法を知らない者では話にならない。
平民は諦めろ。
貴族らしく政略結婚を受け入れろ。
好きな人と結ばれない現実に憤る彼に、姉は言った。
「――で、彼女と結婚するために貴方はこれから何をするつもりなの?」
待ってるだけでは何も手に入らないのだから。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
悪役令嬢ですが、今日も元婚約者とヒロインにざまぁされました(なお、全員私を溺愛しています)
ほーみ
恋愛
「レティシア・エルフォード! お前との婚約は破棄する!」
王太子アレクシス・ヴォルフェンがそう宣言した瞬間、広間はざわめいた。私は静かに紅茶を口にしながら、その言葉を聞き流す。どうやら、今日もまた「ざまぁ」される日らしい。
ここは王宮の舞踏会場。華やかな装飾と甘い香りが漂う中、私はまたしても断罪劇の主役に据えられていた。目の前では、王太子が優雅に微笑みながら、私に婚約破棄を突きつけている。その隣には、栗色の髪をふわりと揺らした少女――リリア・エヴァンスが涙ぐんでいた。
【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました
あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。
そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。
平民出身のヒロインの「善意」、
王太子の「優しさ」、
そしてそれらが生み出す無数の歪み。
感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。
やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。
それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。
なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。
これは、
「断罪される側」が最後まで正しかった物語。
そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。
断罪するならご一緒に
宇水涼麻
恋愛
卒業パーティーの席で、バーバラは王子から婚約破棄を言い渡された。
その理由と、それに伴う罰をじっくりと聞いてみたら、どうやらその罰に見合うものが他にいるようだ。
王家の下した罰なのだから、その方々に受けてもらわねばならない。
バーバラは、責任感を持って説明を始めた。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる