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第2章 クリューガー公国との戦い
公太子・ゼーバルト・ハレンスブルク商業参事会傭兵部隊連合軍
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ハルトウィンとラディムは鎧をつけた出で立ちで、城門の楼閣に立つ。その側にはいくつもの『クリューガーの薔薇と槍』の軍旗がたなびく。
城門の前には街道を埋め尽くさんばかりの大部隊が展開している。
「ドレスタンから訓練が終わった歩兵を補充しました。それと、ハレンスブルクで投降した兵士及び商業参事会の傭兵を編入しています。総勢三千。クリューガー公のおわします、首都ミュットフルトでは五千程度の兵が動員可能かと。まあ、その数の違いはそれ、兵法の邪道ではありますがなんとか五分以上までうまく持ち込ませてみます」
鎧姿のイェルドがそう説明する。右手には軍を統率するための将軍の杖。それにはクリューガー家とゼーバルト家の紋章がはめ込まれていた。
クリューガー公領首都ミュットフルトを攻略するための公太子・ゼーバルト・ハレンスブルク商業参事会傭兵部隊の連合軍である。
全体としては歩兵を中心とした編成で騎兵の数は平常よりも少ない。
ゼーバルト辺境伯領リーグニッツを出立してわずか一ヶ月。ハルトウィンはようやく、クリューガー公に伍するほどの戦力を揃えることが出来たのだった。
「帝国街道を西進する形で進軍します」
火と水の魔法術で空中に地図を描き、プレゼンを行うイェルド。作戦室、ともいえる商業参事会の会議室にはラディム公太子、ハルトウィン辺境伯と副官カレル、そして商業参事会の傭兵部隊の隊長ドラホスラフ=バルトシークなどの面々が揃う。
「途中、いくつかの都市がありますが基本、それらは素通りしたいと思います」
「大丈夫なのかよ。進軍して背後から攻撃される危険性は」
腕を組みながら、ドラホスラフが意見する。商業参事会の傭兵部隊の隊長ドラホスラフ=バルトシーク。立派な体躯の持ち主であるが、その実は女性である。体中に見られる傷跡が歴戦の勇士であることを物語っていた。この戦いにのぞみ、ハレンスブルク商業参事会が大枚をはたいて編成した傭兵部隊の隊長である。
「すでに我々の動向は噂でもまた、公的な連絡網でもクリューガー公側に伝わっているでしょう。先程宣戦布告の使者を首都ミュットフルトに派遣しました。捕虜としていたフンメル準男爵ですが。彼が正しく我々の陣容を報告してくれたなら、多分クリューガー公の取る手は一つでしょう」
空中に示された地図ーーその首都ミュットフルトの前の平地が赤く点滅するーーそれは、ワルグシュタット平地と呼ばれる平地である。
「ここに各都市の軍を総動員して我々を待ち構えるでしょう。籠城戦のほうが『負けない選択』ですがそれではクリューガー公は満足されないでしょう。あくまでもわれわれに『勝つ選択』をしてくる。これは疑いありません」
「おもしろい。『ワルグシュタットの戦い』とでも後世名付けられるかな。ぜひわが傭兵部隊に先人の誉れをいただきたい」
ドラホスラフの名乗りに、イェルドはにやっと表情を崩す。
進軍はその三日後に開始された。ハレンスブルクから首都ミュットフルトまで五〇カロの道のり。
おおよそ一週間の行軍の予定である。
いよいよ最後の戦いが幕を開けようとしていたーー
城門の前には街道を埋め尽くさんばかりの大部隊が展開している。
「ドレスタンから訓練が終わった歩兵を補充しました。それと、ハレンスブルクで投降した兵士及び商業参事会の傭兵を編入しています。総勢三千。クリューガー公のおわします、首都ミュットフルトでは五千程度の兵が動員可能かと。まあ、その数の違いはそれ、兵法の邪道ではありますがなんとか五分以上までうまく持ち込ませてみます」
鎧姿のイェルドがそう説明する。右手には軍を統率するための将軍の杖。それにはクリューガー家とゼーバルト家の紋章がはめ込まれていた。
クリューガー公領首都ミュットフルトを攻略するための公太子・ゼーバルト・ハレンスブルク商業参事会傭兵部隊の連合軍である。
全体としては歩兵を中心とした編成で騎兵の数は平常よりも少ない。
ゼーバルト辺境伯領リーグニッツを出立してわずか一ヶ月。ハルトウィンはようやく、クリューガー公に伍するほどの戦力を揃えることが出来たのだった。
「帝国街道を西進する形で進軍します」
火と水の魔法術で空中に地図を描き、プレゼンを行うイェルド。作戦室、ともいえる商業参事会の会議室にはラディム公太子、ハルトウィン辺境伯と副官カレル、そして商業参事会の傭兵部隊の隊長ドラホスラフ=バルトシークなどの面々が揃う。
「途中、いくつかの都市がありますが基本、それらは素通りしたいと思います」
「大丈夫なのかよ。進軍して背後から攻撃される危険性は」
腕を組みながら、ドラホスラフが意見する。商業参事会の傭兵部隊の隊長ドラホスラフ=バルトシーク。立派な体躯の持ち主であるが、その実は女性である。体中に見られる傷跡が歴戦の勇士であることを物語っていた。この戦いにのぞみ、ハレンスブルク商業参事会が大枚をはたいて編成した傭兵部隊の隊長である。
「すでに我々の動向は噂でもまた、公的な連絡網でもクリューガー公側に伝わっているでしょう。先程宣戦布告の使者を首都ミュットフルトに派遣しました。捕虜としていたフンメル準男爵ですが。彼が正しく我々の陣容を報告してくれたなら、多分クリューガー公の取る手は一つでしょう」
空中に示された地図ーーその首都ミュットフルトの前の平地が赤く点滅するーーそれは、ワルグシュタット平地と呼ばれる平地である。
「ここに各都市の軍を総動員して我々を待ち構えるでしょう。籠城戦のほうが『負けない選択』ですがそれではクリューガー公は満足されないでしょう。あくまでもわれわれに『勝つ選択』をしてくる。これは疑いありません」
「おもしろい。『ワルグシュタットの戦い』とでも後世名付けられるかな。ぜひわが傭兵部隊に先人の誉れをいただきたい」
ドラホスラフの名乗りに、イェルドはにやっと表情を崩す。
進軍はその三日後に開始された。ハレンスブルクから首都ミュットフルトまで五〇カロの道のり。
おおよそ一週間の行軍の予定である。
いよいよ最後の戦いが幕を開けようとしていたーー
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