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世界の高台から
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この世界の広く晴れ渡った空が、私の旅立ちを待っている。私は今、この世界で一番高い場所に立っている。怖いけれど下を見てみる。見覚えのある街並みとアリのような人々がリアルに生きている。
「お目覚めかな?キャシー……」
私の名前はキャシーという。ほんの小さな国の令嬢であったが、色々あって、目の前にいる王子の嫁になった。最初からおかしいと思っていた。私の人生は少しずつ狂い始めた。そう、こういう無茶な結婚なんて、最初から考えなければよかったのだ。目の前の欲にくらんで、結局私は生きた証を残さず去っていくことになるのだから。今度はもう少し慎重にしないと。
「おはようございます。王子様……あなたは本当に生きてらっしゃるの?」
「その質問はあまり面白くないが……私はこうして生きているんだ。君に殺されて確かに死んだはずなんだが、暫くこの世界を彷徨っていた。最初は、自分に未練があるからだと思っていた。でもそうじゃないみたいだ」
「と言いますと?」
「いや、私が王子として統治に関わったこの国が、私のせいで間もなく滅ぶことを神様が教えてくれたんだ。本当に死に行く人々を見た。彼らは私のために戦っていた。彼らは私のために死んでいった。さて、私はどうだっただろうか?」
「それ以上言わないでください……」
「最初に会った時から、君は変わらないな……」
王子は静かに笑った。
「私は君を手に入れてからより一層変わった。人間らしく生きた。でもそれがまずかったな……」
私の生きた世界が少しずつ崩れようとしていた。私は耳を塞いで聞かないようにしていた。
「私は君のことを赦しているんだ。君はきっと、神様なんだろう?私を誑かしに来たんじゃない。私を殺すためにやって来たんだ。私を殺す正当な理由を課すためにやって来たんだ……」
王子は自ら死を告白しにやってきたのだと思った。
「君が私を殺して死刑を宣告されたのを知っている。ここは処刑場だよね?」
私は頷いた。
「最初からここにいたのかい?」
私は頷いた。
「そうか…………」
王子はおもむろに剣を取り出した。
「あの時みたいに、僕の身体を貫いてくれるかい?」
私は……本当は王子を愛していたのかもしれない。王子は確かに弱い人間だった。弱い人間は強さを欲し、そのために多くの犠牲を強いる。彼は戦いが好きだった。そのせいで私の家族が死んだとしても、彼は何も興味を示さなかった。
王子は罪を悟り、潔く死を選んでいる。私と同じだ。一度終わりにしよう。お互いに。後は神様に任せるんだ。世界の崩壊が止まり、新しい秩序がきっと生まれる。そこに私たちがいるのかは、知らない。
「さあっ、キャシー王女!」
王子の放り投げた剣をキャッチし、そのまま王子の方へ走った。
王子が最期に囁いた言葉……。
「キャシー……君は私の妻だ……」
王子がいなくなって、また一人ぼっちになった。そろそろ、出発する時だろうか?
「私キャシーは、王子との婚約を正式に破棄いたします!」
最後にこう叫んで、崩壊真っただ中にある世界に向けて足を踏み出した。
「お目覚めかな?キャシー……」
私の名前はキャシーという。ほんの小さな国の令嬢であったが、色々あって、目の前にいる王子の嫁になった。最初からおかしいと思っていた。私の人生は少しずつ狂い始めた。そう、こういう無茶な結婚なんて、最初から考えなければよかったのだ。目の前の欲にくらんで、結局私は生きた証を残さず去っていくことになるのだから。今度はもう少し慎重にしないと。
「おはようございます。王子様……あなたは本当に生きてらっしゃるの?」
「その質問はあまり面白くないが……私はこうして生きているんだ。君に殺されて確かに死んだはずなんだが、暫くこの世界を彷徨っていた。最初は、自分に未練があるからだと思っていた。でもそうじゃないみたいだ」
「と言いますと?」
「いや、私が王子として統治に関わったこの国が、私のせいで間もなく滅ぶことを神様が教えてくれたんだ。本当に死に行く人々を見た。彼らは私のために戦っていた。彼らは私のために死んでいった。さて、私はどうだっただろうか?」
「それ以上言わないでください……」
「最初に会った時から、君は変わらないな……」
王子は静かに笑った。
「私は君を手に入れてからより一層変わった。人間らしく生きた。でもそれがまずかったな……」
私の生きた世界が少しずつ崩れようとしていた。私は耳を塞いで聞かないようにしていた。
「私は君のことを赦しているんだ。君はきっと、神様なんだろう?私を誑かしに来たんじゃない。私を殺すためにやって来たんだ。私を殺す正当な理由を課すためにやって来たんだ……」
王子は自ら死を告白しにやってきたのだと思った。
「君が私を殺して死刑を宣告されたのを知っている。ここは処刑場だよね?」
私は頷いた。
「最初からここにいたのかい?」
私は頷いた。
「そうか…………」
王子はおもむろに剣を取り出した。
「あの時みたいに、僕の身体を貫いてくれるかい?」
私は……本当は王子を愛していたのかもしれない。王子は確かに弱い人間だった。弱い人間は強さを欲し、そのために多くの犠牲を強いる。彼は戦いが好きだった。そのせいで私の家族が死んだとしても、彼は何も興味を示さなかった。
王子は罪を悟り、潔く死を選んでいる。私と同じだ。一度終わりにしよう。お互いに。後は神様に任せるんだ。世界の崩壊が止まり、新しい秩序がきっと生まれる。そこに私たちがいるのかは、知らない。
「さあっ、キャシー王女!」
王子の放り投げた剣をキャッチし、そのまま王子の方へ走った。
王子が最期に囁いた言葉……。
「キャシー……君は私の妻だ……」
王子がいなくなって、また一人ぼっちになった。そろそろ、出発する時だろうか?
「私キャシーは、王子との婚約を正式に破棄いたします!」
最後にこう叫んで、崩壊真っただ中にある世界に向けて足を踏み出した。
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