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その4
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「私クロイツは、実を申し上げますと、こちらにいらっしゃるミクリッツの元夫なのでございます」
これを聞いて、私はものすごく驚きました。とすると、どうしてクロイツ様は、彼女と別れて、私と婚約すると言い出したのでございましょうか?
「それは本当なのかね?ミクリッツ」
皇帝陛下は、ミクリッツ様に直接確認をされました。すると、ミクリッツ様は、
「その話につきましては、事実でございます」
と答えました。
「なるほど。それではどうして別れることになったのだろうか。ああ、こういう話はプライバシーに関わることだから、そうやすやすと聞くものでもないかな????」
皇帝陛下は、この問題について自重しようとしました。しかしながら、クロイツ様は、その理由について語り始めました。
「彼女は、なかなか挑戦的な女でして、私はそういうところが好きだったわけでございます。私も公爵と言う立場でございますから、行く末はさらなる出世を目論んでいたわけでございます。そのためには良き伴侶が必要となることでございましょう。ですから、私は彼女と婚約することに決めたのです。しかしながら、彼女は何も地位がありませんでした。私と婚約することで、公爵令嬢と言う地位を受け継ぐことが一応はできました。そうすると、彼女は手のひらを返したかのように、第一王子であるミンコフスキー様と婚約すると言い出したのでございます。私にとっては非常に残念な話でございました。つまり、彼女は公爵令嬢と言う肩書きが欲しかっただけでありまして、それで、ミンコフスキー様と婚約する権利を得ることができたわけでございます……」
この話を聞いて、私はすべてを納得しました。面白いからくりのような話でした。しかしながら、やはり悪いことはうまくいかないものなのでございます。クロイツ様は続けて、ミクリッツ様が私を糾弾することになった罪について語り始めました。
「また、彼女がでっち上げている話でございますが、それは全て彼女が自作自演したわけでございます。私はその証拠写真を持っています。例えば、彼女が階段から突き落とされたと言う話があったかもしれません。ですが、彼女は最初から靴の紐をほどいていたのです。ですから、わざと転げ落ちたわけでございます。皆さん、決して騙されてはいけません、これはすべて、エリザベスを陥れるための罠だったのです!!!」
クロイツ様の話には、非常に説得力がありました。そして、何よりも皇帝陛下が、クロイツ様の話を非常に重要視されました。
「これで全てが明らかになったね。ミンコフスキー、そして、ミクリッツ。さて、これで分かっただろうけれども、お前たちにこの国の将来を託す事はとてもできないと思うんだ。だから……クロイツを次期皇帝に推挙し、その妃はエリザベスとする!!!!」
一部始終を見ていた貴族たちは、皇帝陛下の決定に賛成した。そして、ミンコフスキー様とミクリッツ様を糾弾するようになった。
「こんなのやってられないわ!!ばかみたい!!!!!っ!」
全てがどうでもよくなったミクリッツ様は、ミンコフスキー様の元を離れていった。
「おい、ミクリッツ。私を一人にするつもりなのか?待ってくれよ!!!!」
「用無しの人間に、私はもはや興味なんてありませんよ!!!!」
そう言って、ミクリッツ様は逃げ出しました。
これにて一件落着でございます。
これを聞いて、私はものすごく驚きました。とすると、どうしてクロイツ様は、彼女と別れて、私と婚約すると言い出したのでございましょうか?
「それは本当なのかね?ミクリッツ」
皇帝陛下は、ミクリッツ様に直接確認をされました。すると、ミクリッツ様は、
「その話につきましては、事実でございます」
と答えました。
「なるほど。それではどうして別れることになったのだろうか。ああ、こういう話はプライバシーに関わることだから、そうやすやすと聞くものでもないかな????」
皇帝陛下は、この問題について自重しようとしました。しかしながら、クロイツ様は、その理由について語り始めました。
「彼女は、なかなか挑戦的な女でして、私はそういうところが好きだったわけでございます。私も公爵と言う立場でございますから、行く末はさらなる出世を目論んでいたわけでございます。そのためには良き伴侶が必要となることでございましょう。ですから、私は彼女と婚約することに決めたのです。しかしながら、彼女は何も地位がありませんでした。私と婚約することで、公爵令嬢と言う地位を受け継ぐことが一応はできました。そうすると、彼女は手のひらを返したかのように、第一王子であるミンコフスキー様と婚約すると言い出したのでございます。私にとっては非常に残念な話でございました。つまり、彼女は公爵令嬢と言う肩書きが欲しかっただけでありまして、それで、ミンコフスキー様と婚約する権利を得ることができたわけでございます……」
この話を聞いて、私はすべてを納得しました。面白いからくりのような話でした。しかしながら、やはり悪いことはうまくいかないものなのでございます。クロイツ様は続けて、ミクリッツ様が私を糾弾することになった罪について語り始めました。
「また、彼女がでっち上げている話でございますが、それは全て彼女が自作自演したわけでございます。私はその証拠写真を持っています。例えば、彼女が階段から突き落とされたと言う話があったかもしれません。ですが、彼女は最初から靴の紐をほどいていたのです。ですから、わざと転げ落ちたわけでございます。皆さん、決して騙されてはいけません、これはすべて、エリザベスを陥れるための罠だったのです!!!」
クロイツ様の話には、非常に説得力がありました。そして、何よりも皇帝陛下が、クロイツ様の話を非常に重要視されました。
「これで全てが明らかになったね。ミンコフスキー、そして、ミクリッツ。さて、これで分かっただろうけれども、お前たちにこの国の将来を託す事はとてもできないと思うんだ。だから……クロイツを次期皇帝に推挙し、その妃はエリザベスとする!!!!」
一部始終を見ていた貴族たちは、皇帝陛下の決定に賛成した。そして、ミンコフスキー様とミクリッツ様を糾弾するようになった。
「こんなのやってられないわ!!ばかみたい!!!!!っ!」
全てがどうでもよくなったミクリッツ様は、ミンコフスキー様の元を離れていった。
「おい、ミクリッツ。私を一人にするつもりなのか?待ってくれよ!!!!」
「用無しの人間に、私はもはや興味なんてありませんよ!!!!」
そう言って、ミクリッツ様は逃げ出しました。
これにて一件落着でございます。
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