明日の朝君は

tartan321

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僕がいて

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明日の朝、君がいなくなる夢を見た。

それは怖いことだけど、どこかでそういうこともあるって気がした。

君は今日も一人で日向ぼっこしている。

今は夏だよ?

へえ、そうなんだ。

これでも寒いの?

わかったわかった。

僕は暑くて汗が止まらない。

君は案外大丈夫なんだね。

すごいね。

君の瞳には何が映っているのだろう。

遠い空かな?

少なくとも僕ではないね?

いや、だいじょうぶ。

僕の勝手な想像だから。

もう何年経つだろうか?

君も全然変わらないね。

僕は少し変わったかもしれない。

危険な恋に身を埋めて。

すぐに失恋して。

君はいつも同じ表情をしている。

僕は昨日笑って明日泣く。

君は恋ってものを知らないのかな?

そうか、君が目指しているのはもっと遠くの世界か?

ひょっとしたら君は神様みたいな人なんだね?

僕は君を探しにやってくる。

居場所は知っている。

毎日毎日同じ公園のベンチだ。

でも君を探すと迷子になる。

君はそこにいない。

遥かな空を旅している。

一度くらい会ってみたいと思う。

でもそれはできない。

いいんだ。

僕は見ているから。


今日はいつもより格好いい。

自称だけど。

僕は久し振りに男になる。

君はどうする?

まだ神様のままなのか?

「こんにちは……」

君はにこりと微笑んだ。

「こんにちは」

小学生のような挨拶。夏の暑さを吹っ飛ばしてくれそう。

「いつも一人で……空を見ていますね……」

僕はいつになく素直だった。

青空の憧れとでも言ったところか?

「ええっ……そうなんです」

「今日も暑いですね」

「そうですか?私は平気ですよ?」

「いや、暑いですよ……」

僕は君の……。

「お久しぶりですね……」

君は僕のことを知っているようだ。

そういえばどこか懐かしい。

君と僕はどこかで繋がっているのだろうか?

だとすると……。

腑に落ちた。

明日の朝君は……。

僕に大きく手を振るはずだ。



 
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