悪役令嬢は転生しても婚約破棄が続きます

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転生しても婚約破棄

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そりゃ、確かに悪いことをしたと思ってますよ。試験でカンニングしたんです。でも、それだけで悪役令嬢認定って言うのはなんか納得いかないんですよね……。お陰様で嫁ぎ先予定だった貴族様からは、

「君との婚約を破棄する」

と言われる始末です。はあっ、何もそこまでしなくたっていいじゃないですか?私はあなたが村役人から多額の賄賂をもらっていることを知っているんですよ?それに比べたら私の悪行なんか、大したことないじゃないですか。

「マイン!君は私の妹であるエレンを辱めたようだな!」

いやいや、私は何もしていないのに?古典的な方法ですね?

「お兄様……私とても悲しいですわ。マイン様はお兄様にお似合いだと思っていましたのに、人目のつかないところで、私のことを……ああっ、お兄様……」

だから、エレンさん?それはあなたのお兄様にしか通じない演技なんですよね?私、あなたと会うの今日が初めてなんですけれど……。

「マイン!君という人は!」

はいはい、このシスコン兄さんが!私の主張には一切耳を傾けないんですね?

「ああっ、愛しのエレン。この世界の神様がお赦しになるのであれば、私は君を妻に選ぶのだが!」

「お兄様!嬉しいですわ!私もお兄様とずっと一緒にいたいです」

うわっ、他人の前で禁断の愛の告白ですか?私は用無し?分かりましたよ。大人しく帰ります……。

「エレン……」

「お兄様……」

最後まで見せつけやがって!全く。

このまま独り身で婆さんになり死んでいくのは御免ですから、神様に救済申請をしました。すると、転生という権利を頂くことができました。今までの人生を全てなかったことにして、再び一からやり直すのです。注意事項として、転生前の記憶は全て残るのだそうです。つまり、肉体は若返るのですが、精神は上積みされていくということみたいです。



私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る



私はまるで操り人形みたいです。目の前には美しい男前な王子様がいらっしゃいます。

「君との婚約を破棄するよ」

いや、私は何も悪いことしていないんですけれども……って言いたいのに口が思うように動きません。すると、王子様のお隣に可愛らしい少女が現れます。もしかして……妹さんでしょうか?

「君は私の友人であるベリーを虐めたみたいだね」

なるほど、今度は友人ですか?婚約者よりも友人の言うことを信じるんですか?

本当に、私には全くもって都合の悪い世界なんですね?

「マイン様!あなたという人は、人目につかないところで私を虐めぬいて……ああっ……」

はいはい、もう分かっていますから。芝居は結構ですよ?


「ああっ、お嬢様が王子様から婚約破棄されたみたいよ……」

場所が変わって、ここは私の実家です。見慣れない顔ですが、きっと我が家に仕える人たちなのでしょう。

「そうすると、この家はもう終わりになってしまうのかしら?」

なるほど、それでもって私は未亡人キャラ認定されて、教会送りになるか、あるいは……。

こうなったらキャラクターを変えるしかありませんね?殿方に目を止めてもらえるように……その方法は?

「にゃーにゃ―!そこのお兄様方、私を愛してくださいませんか?」

「おい、ここに猫型の娘がいるぞ!」

「にゃーにゃー!私のことを愛して欲しいにゃ!」

「買ったぞ!」

新しいご主人を見つけて私はハッピー!

なんて思っていたら、ご主人様は山賊に襲われて私は山賊に飼われることになってしまいました。もちろん、そっちの意味ですよ、はい。

「皆さんの子種を孕むことができて、私は幸せにゃー!」

確かに、一応愛されたので、幸せでした?



私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る



「君との婚約を破棄するよ。キャサリン……」

おや、名前が変わりました。キャサリンだって、随分近代的な名前になりましたね?

「君は結局のところ、私の財産目当てなんだろう?」

今度は金持ち子息様との婚約でしょうか?

さて、次なる敵は?

「私のお父様を虐めないで!」

今度は子供?あらあら、ひょっとして私は後妻候補ですか?

「別にいいんだけれど、私の娘に手を出すなんて、いい度胸しているじゃないか?」

子息様は私を高い高いビルの頂上へ連れて行きました。

「ここで死んでもらおうか?」

子息様はポケットからピストルを取り出しました。

「さあ、ここから道を踏み外すのが先か、弾丸が君の頭を打ち抜くのが先か……」

どちらにしてもバッドエンドなんですね。分かりました。


 
私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る私は死んで生き返る……。



「私は真なる恋を見つけた!結婚しよう!」

 やっと、やっとです。私は本当の恋をここに見つけました。

「ありがとーござーしたぁ」

 年の瀬の食堂は、いい年したおばさんを快く迎えてくれます。

「セリーナ……結婚しよう!」

「はいっ、王子様!」

350年の転生ライフに終止符を打ちます。電脳という第3の世界に足を踏み入れた私は、自分の意志で世界をコントロールすることに成功しました。

「さあっ、誓いのキスを…………」

「私も、王子様に全ての愛をこめて……」


Thank you for my computer.

Error occurred.

You are completely frozen. Good bye.


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