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聖女伝説
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私は本当に大切に育てられた令嬢であることを、最近になって実感しました。特に、私のことを誰よりも気遣ってくださったお母様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいなのでございます。
「アーヤ……あなたは本当に美しいわね……。そのうち、あなたにも素敵な男性が現れて、私の元から飛び立っていくのね…………」
親から自立するのは、それはとてもいいことなのです。私だって、いつまでもお母様に甘えていいわけではありません。ですが、お母様が本当に悲しそうな顔をして、こんなことをおっしゃいますので、私は途端にいたたまれなくなって、
「そんなことはありませんよ????????私はお母様から離れません。安心してください!!!!!!」
なんて、調子に乗って言ってしまうこともありました。もちろん、本気でそんなことを申し上げますと、お母様は私のことを心配してしまいますから、無用な心配をかけるのはイヤなのですが、とりあえずは、こうやって、私がお母様の傍にいられればいいと思っているわけでございます。
「ああ、アーヤは昔から素直でいい子なのね……。やっぱり、私があなたを授かったとき耳にした噂……やっぱり、あれは本当だったのかもしれないわねえ…………」
お母様は不意にそんなことを言い出しました。
「??????お母様、それは何の話ですか?????????」
私はお母様に質問しました。このやり取りは何回かあったわけでございますが……お母様はきちんと答えてくださったことは、今まで一度もありませんでした。ですが……この日初めて、お母様は私に真相を話してくださいました。
「あなたにはものすごい力が込められていてね……私のお腹から出てくるときにパワーを感じたのよ。私ね、その頃は今よりも病弱で、あなたを身籠ったときも、本当に命懸けだったの。それでね、あなたを産むことになった時、私は自分の命が危険になることを承諾した。赤ちゃんに罪はないのだから……私が身籠った以上、産むのが筋でしょう???????だからね、私は張り切って、あなたのことを産んだわけなのよ…………」
そんな命のドラマがあったことを、私は何も知りませんでした。思わず感激、とでも言ったところでございましょうか。
「でもね、あなたが生まれて来た時、私はあなたの産声を聞くことができた。神様が私のことを救ってくださった……最初は単純にそう思っていた。だけどね……お父様が調べてくださったのだけど……これは、アーヤに宿っている力によるものだって……つまりね、古より伝わる聖女伝説なんだって!!!!!!!!」
「聖女伝説???????そんなものがあるのですか??????????」
私はこの時、聖女なるものの存在を始めて知りました。
「ええ、どうやらそうみたいなの。だからね、あなたは聖女の命を持って生まれた、本当に珍しい女の子なのよ。だから……今まで、私や家族のことを守ってくれたのは……全部あなたのおかげということになるわね……」
そんなことを言われましても、私にはまるで実感がありませんでした。
「そしてね…………聖女に選ばれた女の子は、非常にもてはやされてね、将来はこの国の王子様と婚約することになるのよ…………」
王子様と婚約…………それが事実だとしたら、非常に凄いことだと思いました。聖女と王子が婚約する……話としてはありがちだと思いましたが、実際に自分が聖女になって、王子様と婚約するだなんて、そんなことは全く信じることができませんでした。
「ああ、この話は誰にも話してはいけませんよ?????????恐らく…………あなたが本当に聖女なのだとしたら……王子様は吸い寄せられてくるはずだから。つまり、将来王子様がここにやって来ることになるから。そしたらば……アーヤは王子様と婚約することになるの…………」
王子様は聖女と婚約する運命にある……そして、それが私だとしたら、本当に王子様がやって来る???????
これは一種のかけ事のようなものでございました。だから……この時はなんとなく面白い、としか感じておりませんでした。
「アーヤ……あなたは本当に美しいわね……。そのうち、あなたにも素敵な男性が現れて、私の元から飛び立っていくのね…………」
親から自立するのは、それはとてもいいことなのです。私だって、いつまでもお母様に甘えていいわけではありません。ですが、お母様が本当に悲しそうな顔をして、こんなことをおっしゃいますので、私は途端にいたたまれなくなって、
「そんなことはありませんよ????????私はお母様から離れません。安心してください!!!!!!」
なんて、調子に乗って言ってしまうこともありました。もちろん、本気でそんなことを申し上げますと、お母様は私のことを心配してしまいますから、無用な心配をかけるのはイヤなのですが、とりあえずは、こうやって、私がお母様の傍にいられればいいと思っているわけでございます。
「ああ、アーヤは昔から素直でいい子なのね……。やっぱり、私があなたを授かったとき耳にした噂……やっぱり、あれは本当だったのかもしれないわねえ…………」
お母様は不意にそんなことを言い出しました。
「??????お母様、それは何の話ですか?????????」
私はお母様に質問しました。このやり取りは何回かあったわけでございますが……お母様はきちんと答えてくださったことは、今まで一度もありませんでした。ですが……この日初めて、お母様は私に真相を話してくださいました。
「あなたにはものすごい力が込められていてね……私のお腹から出てくるときにパワーを感じたのよ。私ね、その頃は今よりも病弱で、あなたを身籠ったときも、本当に命懸けだったの。それでね、あなたを産むことになった時、私は自分の命が危険になることを承諾した。赤ちゃんに罪はないのだから……私が身籠った以上、産むのが筋でしょう???????だからね、私は張り切って、あなたのことを産んだわけなのよ…………」
そんな命のドラマがあったことを、私は何も知りませんでした。思わず感激、とでも言ったところでございましょうか。
「でもね、あなたが生まれて来た時、私はあなたの産声を聞くことができた。神様が私のことを救ってくださった……最初は単純にそう思っていた。だけどね……お父様が調べてくださったのだけど……これは、アーヤに宿っている力によるものだって……つまりね、古より伝わる聖女伝説なんだって!!!!!!!!」
「聖女伝説???????そんなものがあるのですか??????????」
私はこの時、聖女なるものの存在を始めて知りました。
「ええ、どうやらそうみたいなの。だからね、あなたは聖女の命を持って生まれた、本当に珍しい女の子なのよ。だから……今まで、私や家族のことを守ってくれたのは……全部あなたのおかげということになるわね……」
そんなことを言われましても、私にはまるで実感がありませんでした。
「そしてね…………聖女に選ばれた女の子は、非常にもてはやされてね、将来はこの国の王子様と婚約することになるのよ…………」
王子様と婚約…………それが事実だとしたら、非常に凄いことだと思いました。聖女と王子が婚約する……話としてはありがちだと思いましたが、実際に自分が聖女になって、王子様と婚約するだなんて、そんなことは全く信じることができませんでした。
「ああ、この話は誰にも話してはいけませんよ?????????恐らく…………あなたが本当に聖女なのだとしたら……王子様は吸い寄せられてくるはずだから。つまり、将来王子様がここにやって来ることになるから。そしたらば……アーヤは王子様と婚約することになるの…………」
王子様は聖女と婚約する運命にある……そして、それが私だとしたら、本当に王子様がやって来る???????
これは一種のかけ事のようなものでございました。だから……この時はなんとなく面白い、としか感じておりませんでした。
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