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その10

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「だからですね……ああ、もう面倒くさい!」

戦士は言葉遊びに疲れたようでした。でも、私にとっては非常に大きな問題なんですよ。だって、すると私は今なんなんですか?幽霊?彷徨える幽霊にでもなって、未だに男漁りをしているとでも言うんですか?

「つまりですね、あなたは令嬢として死に、人として生き返ったというわけですよ」

「私は元から人です!」

「いいえ、あなたは令嬢でした。人ではない」

「随分とひどいことをおっしゃいますのね!」

さすがの私も声を荒げました。人権侵害で訴えてやる……と言っても誰に?いや、そんなことじゃなくて!

「ほら、よくお似合いじゃないですか?」

「お似合い?」

「鏡をご覧なさい」

戦士から手鏡を渡されました。

「あれまっ、これはこれは……」

私はそっくりそのまま百姓になっていました。

「よくお似合いだ」

戦士の微笑みがいまいち解せませんでした。

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