婚約破棄されて復讐したい私は魔王に魂を売りつける

tartan321

文字の大きさ
1 / 1

プロローグ

しおりを挟む
イケメンの彼氏、イケメンの旦那様、そして将来ずっと幸福……。

私は世界有数の王家に生まれ、なに不自由ない生活を送ってきた。お金は捨てるほどある。名誉なんて、それはそれは簡単である。でもね、一つだけ叶えられない夢があるんです。

「でも君の容姿はブサイクだからね」

ブサイクですって?最初はイジメだと思いましたよ。不細工不細工お前は不細工だって。でもね、いくらなんでも私は私ですから、どこかの国の王子様と結婚できると確信していました。

しかしながら、それはなかなか叶いませんでした。その理由はやはり私が不細工だからと言うことでした。えー?別にお金があったり、名誉を手にすることができるのであれば、いいんじゃないかと思いますがね。

そんな私を気の毒に思ったのか、両親はある1つの縁談を持ってきてくれました。どこかの国の王子様と言うほどえらいことではありませんでしたが、それでも一応貴族でした。私のプライドを考えると、これが最大の妥協だったのでしょう。私のために尽力してくれた両親の期待を裏切ることができませんでした。

私はこの貴族と婚約することに決めました。彼の名前はラスコールといいます。貴族にしては珍しく頭がきれ、それでいて野心家でした。将来の夢は皇帝だと言っていました。確かに私と婚約すれば、あながち夢ではありません。私が現世の皇帝とお話しできることを知っていたのでしょう。ラスコールは私に近づこうとしていました。

しかしながら、それは表向きの話でありました。他の貴族と同様、彼もまた金には目がない男でした。私の資産を使って、遊び呆けていたと言う噂もあります。私は彼を叱りませんでした。やっと叶った婚約をむげにすることはできませんでした。

「ハハハ、でもこいつはほんとに不細工なんだ。私がいくら愛の歌を囁いても、彼女は何も感じてくれない。夜の交わりなんてものを求めたって、彼女は男と言うものを知らなすぎる。本当に馬鹿な女である。あぁ、早く君に会いたいものだ……」

ラスコールの話し相手が誰であるのかわかりませんでした。おそらく彼の古い友人か何かでしょう。しかも女性。ラスコールは私から金や名誉を奪ってとんずらするつもりだったようです。でも私は、仮にも上流なる貴族のですから、こんな話を打ち明けることなんてできませんでした。

月日が流れて新しい春がやってきました。時のいたずらと言うものでしょうか、新しく皇帝になったラスコールは用無しになった私に向かっていました。

「君との婚約を盛大に破棄する!」

私は涙が止まりませんでした。しかしながら、金と名誉のほとんどを失った私が皇帝に向かって口出しする事はできませんでした。

「いつか、この涙を晴らすために、私はあなたに復讐したいと思います」

そう言い残して、私はそれ以降ラスコールに会いませんでした。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲

恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。 完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。 婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。 家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、 家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。 理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇! 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。 いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。 ただし、後のことはどうなっても知りませんよ? * 他サイトでも投稿 * ショートショートです。あっさり終わります

婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】

恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。 果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?

そんなに相談女の方が良ければお好きにどうぞ。邪魔な私たちはいなくなりますので

日々埋没。
恋愛
 貴族令嬢のカナデアは学園で初めてできた友人ミーナからある日突然裏切られる。 「うぇーん、お友達があたしのことを生意気だってイジメるのぉ。あーあ、優しく男の子に慰めてほしいなぁー」  と相談女を装いつつ男漁りを始めたミーナの流す嘘に騙され、カナデアもまた仲の良かった令息たちからも白い目で見られることとなる。  そんなある日、一つの婚約破棄事件をきっかけにカナデアは他にもミーナの被害にあった令嬢たちと一緒に休学を決意する。  傷心旅行と称してしばしバカンスを楽しんでいたカナデアたちは、やがて都合の良い引き立て役を用意できなくなったミーナの愚行とその末路を耳にすることになり……。

地味で役に立たないと言われて捨てられましたが、王弟殿下のお相手としては最適だったようです

有賀冬馬
恋愛
「君は地味で、将来の役に立たない」 そう言われ、幼なじみの婚約者にあっさり捨てられた侯爵令嬢の私。 社交界でも忘れ去られ、同情だけを向けられる日々の中、私は王宮の文官補佐として働き始める。 そこで出会ったのは、権力争いを嫌う変わり者の王弟殿下。 過去も噂も問わず、ただ仕事だけを見て評価してくれる彼の隣で、私は静かに居場所を見つけていく。 そして暴かれる不正。転落していく元婚約者。 「君が隣にいない宮廷は退屈だ」 これは、選ばれなかった私が、必要とされる私になる物語。

今さら遅いと言われる側になったのは、あなたです

有賀冬馬
恋愛
夜会で婚約破棄された私は、すべてを失った――はずだった。 けれど、人生は思いもよらない方向へ転がる。 助けた騎士は、王の右腕。 見下されてきた私の中にある価値を、彼だけが見抜いた。 王城で評価され、居場所を得ていく私。 その頃、私を捨てた元婚約者は、転落の一途をたどる。 「間違いだった」と言われても、もう心は揺れない。 選ばれるのを待つ時代は、終わった。

王族の言葉は鉛より重い

Vitch
恋愛
 フォークライン公爵の娘であるミルシェ。  彼女は間違い無く公爵の血を引く娘だった。  あの日までは……。

処理中です...