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ヤンデレ気味?
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「アリス。私が何を言いたいか分かるよな?君との婚約を破棄しようと思う!」
「なんですって!そんな突然に!!!」
第一王子で婚約者でもあるハリス様から婚約のプロポーズを昨日受けたばかりだと言うのに、突然の婚約破棄を宣告されたわけですので、私は驚いてしまいました。公爵令嬢という、比較的高い地位にあったわけではございますが、将来王子様と婚約することを半ば運命づけられていましたので、色々大変でした。
「そんな……ハリス様?私はこれまであなたに尽くしてまいりました!なのに……どうして、いきなり婚約破棄なのですか?」
「いきなりって……君が仕出かしたことを考えれば、婚約破棄なんて当然のことだろう?違うのかな?」
婚約破棄宣言の場には、私たち以外にも数多くの貴族たちが列席していました。私が婚約破棄されたことについて、ざまあみろ、と思う令嬢がいれば、可哀想、と思う貴族もいたみたいでした。
「私に対する卑劣な言動や、暴力……君はどうしてヒステリックなんだ?うわべっつらだけの女なのか?皆さん、アリスという令嬢の裏の顔を知らないから、きょとんとしている方もいるのでしょうが、この女は、まあ、酷いものなのです。婚約破棄が正当である根拠はいくつかありますが……いずれお見せしましょう」
「お待ちください!それは元はと言えばあなた様が……」
「お黙りなさい!!!私に罪を擦り付けるつもりか!勘違いも甚だしい!!!」
ハリス様は、私のことを散々に罵倒しました。私のメンタルが崩壊するレベルまでに。
ハリス様は誰かを虐めるのが好きなのです。その矛先が私に向いていました。何か理由を付けて、私のことをしかりつけ、それでも私は我慢していたのです。私が何も反応をしないと、ハリス様は、
「ふざけるな!!!」
と叫んで、私のことを殴ったり、蹴ったりしました。
どうして?私は何も悪くないのに?いくら考えても、分かりませんでした。ただ、ハリス様が病的なまでに、私のことを毛嫌いし、とことん苛め抜いたのです。
「所詮、君は私の奴隷なのだ。だから、私の言うことに逆らうのであれば、婚約する必要もない。とっとと私の前から消えてもらおう!」
なんとも勇ましい王子様!そう感激した令嬢もいたことでしょう。私との婚約が解消されたことで、王子様の新たな婚約候補を探すことになるわけです。自分が候補になる、と自ら手を上げる令嬢も何人かいました。私は、別に彼女たちの軽率な行動を止めるつもりなんてありません。ただ、愚かであると、外野から嘲笑うことくらいしか出来ませんでした。
「ハリス様……私の尊厳を傷つけた代償は高いですよ?」
私はそっと、静かに王子様を睨み付けました。
「私に反抗するとはいい度胸だね?」
「はい、あなた様にしつけられたおかげで、私は大部強くなりました!!!」
さあ、これから目に見えない復讐タイムの始まりです!!!!
「ハリス様?婚約破棄並びに、今までの行いに対する代償、きっちりと払ってもらいますからね?」
私はハリス様に宣戦布告しました。会場に居合わせた貴族たちは、驚いていました。
「何を言っているのか、さっぱり分からないな。まあ、そんなことはどうでもいい。私に歯向かうということは、それだけで処刑の理由になるからな。本来ならば、私の寛大なる慈悲によって、処刑だけは避けてやってもいいと考えていたんだがな……可哀想に……」
「可哀想ですって?それは、未だに何も分かっていないあなた様の方ですわよ!!!」
私はハリス様目がけて突進しました。ハリス様は慌てて、侍従たちに命令しました。
「あの不届き者を撃ち殺せ!!!」
いきなり、部下に私を殺すよう命令したのです。私は信じられませんでした。でも、ハリス様だから仕方ないと思いました。
侍従たちは、それぞれピストルを私の方に向けました。そして、当然ハリス様の命をうけているわけですから、躊躇することなく、撃ってきました。しかし……。
「どうして当たらないんだ!」
ハリス様は不思議がっていました。彼らの狙いはほぼほぼ正確でした。それなのに当たらないのは、私が高速で弾をよけているからなのです。
どうしてそんなことが可能なのか?だって、私は人間ではありませんから!!!
驚かないでください。私は本当に人間じゃないんですよ。人間の格好をしてはいますが、人間ではなく魔法使いなのです。ですから、人間の作り上げた兵器など、痛くもかゆくもないのです。
私が人間の姿を借りて、令嬢として振る舞っていたのは、この世界の善悪を判断するためでした。あるいは、この世界を悪たらしめる根源を粉砕することが目的でした。魔法使いだからって、別にみんなが人間の滅亡とかを祈っているわけではないのです。
侍従たちの攻撃が一段落すると、致命傷を負わすことができなかった彼らを、ハリス様は罵倒し始めました。なんと、これだけの事態だと言うのに、まだ王子様の威厳を貫こうとしているのです!!!人間としては面白いので、この後じっくり観察するということでもいいのですが、このままハリス様を放置し続けると、本当に世界の終焉を迎えてしまうので、それを避けるためにハリス様を倒さなければなりませんでした。
「ハリス様?覚悟はできていますね?」
私はハリス様の元へダイブしました。
「ぐわわあああああああああああああああっ!!!!!!!!」
ハリス様の身体に私は思いっきりダイブしました。ハリス様の身体は少しずつ崩壊し始めました。
この様を見ていた貴族や令嬢は、不気味さに負けて逃げてしまいました。
「誰か……私のことを助けてはくれないのか?」
「いるわけないじゃないですか?あなたのお相手はこの私です!」
魔法使いが蝕むのは、人間の肉体のみならず、その精神にまで及びます。
「この世界のために、あなたは消えるべきです」
「そんなことを……君に言われる筋合いはない……」
「いいえ、私は神の代理人でございますから。あなた様の存在が罪であるとすれば、あなた様がこれ以上生きる資格はありません。どうぞ、安らかにお眠りください。最も……あなた様が死の世界に到着するころには、私もそっちに行きますので……その時はどうぞお手合わせをお願いいたします!」
「なななななんだって?」
「ですから、あちらの世界でもう一度、私のお相手をして頂きたく思うのでございます」
「それだけは……もう勘弁してくれ……」
「おやおや、先ほどまでの威厳はどうしたのですか?もうギブアップですか?情けないですねえっ!」
ハリス様がいなくなって、世界の秩序が元通りに戻ったことを確認して、私は死の世界に帰りました。実を言いますと、私は百年くらい前に死んで、その後は神様のボランティアとして働いているのです。その一つが、人間世界の秩序を監視する魔法使いであり、今回も役目を果たすことができました。
さて、間もなくハリス様と再会することができますね。死の世界を彷徨っているハリス様を見つけて、私は再びダイブしました。
「ハリス様!!!!!」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」
ハリス様は私のことを憶えていました。
「あなたの魂は、非常に美味しかったのです!!!」
「その話はもう止めてくれええっ!!!!」
人間世界で上手くいかなかった婚約……そのやり直しをしようと思いました。
どこまでも逃げようとするハリス様……。
もう、私から逃げることなんてできませんよ?
「なんですって!そんな突然に!!!」
第一王子で婚約者でもあるハリス様から婚約のプロポーズを昨日受けたばかりだと言うのに、突然の婚約破棄を宣告されたわけですので、私は驚いてしまいました。公爵令嬢という、比較的高い地位にあったわけではございますが、将来王子様と婚約することを半ば運命づけられていましたので、色々大変でした。
「そんな……ハリス様?私はこれまであなたに尽くしてまいりました!なのに……どうして、いきなり婚約破棄なのですか?」
「いきなりって……君が仕出かしたことを考えれば、婚約破棄なんて当然のことだろう?違うのかな?」
婚約破棄宣言の場には、私たち以外にも数多くの貴族たちが列席していました。私が婚約破棄されたことについて、ざまあみろ、と思う令嬢がいれば、可哀想、と思う貴族もいたみたいでした。
「私に対する卑劣な言動や、暴力……君はどうしてヒステリックなんだ?うわべっつらだけの女なのか?皆さん、アリスという令嬢の裏の顔を知らないから、きょとんとしている方もいるのでしょうが、この女は、まあ、酷いものなのです。婚約破棄が正当である根拠はいくつかありますが……いずれお見せしましょう」
「お待ちください!それは元はと言えばあなた様が……」
「お黙りなさい!!!私に罪を擦り付けるつもりか!勘違いも甚だしい!!!」
ハリス様は、私のことを散々に罵倒しました。私のメンタルが崩壊するレベルまでに。
ハリス様は誰かを虐めるのが好きなのです。その矛先が私に向いていました。何か理由を付けて、私のことをしかりつけ、それでも私は我慢していたのです。私が何も反応をしないと、ハリス様は、
「ふざけるな!!!」
と叫んで、私のことを殴ったり、蹴ったりしました。
どうして?私は何も悪くないのに?いくら考えても、分かりませんでした。ただ、ハリス様が病的なまでに、私のことを毛嫌いし、とことん苛め抜いたのです。
「所詮、君は私の奴隷なのだ。だから、私の言うことに逆らうのであれば、婚約する必要もない。とっとと私の前から消えてもらおう!」
なんとも勇ましい王子様!そう感激した令嬢もいたことでしょう。私との婚約が解消されたことで、王子様の新たな婚約候補を探すことになるわけです。自分が候補になる、と自ら手を上げる令嬢も何人かいました。私は、別に彼女たちの軽率な行動を止めるつもりなんてありません。ただ、愚かであると、外野から嘲笑うことくらいしか出来ませんでした。
「ハリス様……私の尊厳を傷つけた代償は高いですよ?」
私はそっと、静かに王子様を睨み付けました。
「私に反抗するとはいい度胸だね?」
「はい、あなた様にしつけられたおかげで、私は大部強くなりました!!!」
さあ、これから目に見えない復讐タイムの始まりです!!!!
「ハリス様?婚約破棄並びに、今までの行いに対する代償、きっちりと払ってもらいますからね?」
私はハリス様に宣戦布告しました。会場に居合わせた貴族たちは、驚いていました。
「何を言っているのか、さっぱり分からないな。まあ、そんなことはどうでもいい。私に歯向かうということは、それだけで処刑の理由になるからな。本来ならば、私の寛大なる慈悲によって、処刑だけは避けてやってもいいと考えていたんだがな……可哀想に……」
「可哀想ですって?それは、未だに何も分かっていないあなた様の方ですわよ!!!」
私はハリス様目がけて突進しました。ハリス様は慌てて、侍従たちに命令しました。
「あの不届き者を撃ち殺せ!!!」
いきなり、部下に私を殺すよう命令したのです。私は信じられませんでした。でも、ハリス様だから仕方ないと思いました。
侍従たちは、それぞれピストルを私の方に向けました。そして、当然ハリス様の命をうけているわけですから、躊躇することなく、撃ってきました。しかし……。
「どうして当たらないんだ!」
ハリス様は不思議がっていました。彼らの狙いはほぼほぼ正確でした。それなのに当たらないのは、私が高速で弾をよけているからなのです。
どうしてそんなことが可能なのか?だって、私は人間ではありませんから!!!
驚かないでください。私は本当に人間じゃないんですよ。人間の格好をしてはいますが、人間ではなく魔法使いなのです。ですから、人間の作り上げた兵器など、痛くもかゆくもないのです。
私が人間の姿を借りて、令嬢として振る舞っていたのは、この世界の善悪を判断するためでした。あるいは、この世界を悪たらしめる根源を粉砕することが目的でした。魔法使いだからって、別にみんなが人間の滅亡とかを祈っているわけではないのです。
侍従たちの攻撃が一段落すると、致命傷を負わすことができなかった彼らを、ハリス様は罵倒し始めました。なんと、これだけの事態だと言うのに、まだ王子様の威厳を貫こうとしているのです!!!人間としては面白いので、この後じっくり観察するということでもいいのですが、このままハリス様を放置し続けると、本当に世界の終焉を迎えてしまうので、それを避けるためにハリス様を倒さなければなりませんでした。
「ハリス様?覚悟はできていますね?」
私はハリス様の元へダイブしました。
「ぐわわあああああああああああああああっ!!!!!!!!」
ハリス様の身体に私は思いっきりダイブしました。ハリス様の身体は少しずつ崩壊し始めました。
この様を見ていた貴族や令嬢は、不気味さに負けて逃げてしまいました。
「誰か……私のことを助けてはくれないのか?」
「いるわけないじゃないですか?あなたのお相手はこの私です!」
魔法使いが蝕むのは、人間の肉体のみならず、その精神にまで及びます。
「この世界のために、あなたは消えるべきです」
「そんなことを……君に言われる筋合いはない……」
「いいえ、私は神の代理人でございますから。あなた様の存在が罪であるとすれば、あなた様がこれ以上生きる資格はありません。どうぞ、安らかにお眠りください。最も……あなた様が死の世界に到着するころには、私もそっちに行きますので……その時はどうぞお手合わせをお願いいたします!」
「なななななんだって?」
「ですから、あちらの世界でもう一度、私のお相手をして頂きたく思うのでございます」
「それだけは……もう勘弁してくれ……」
「おやおや、先ほどまでの威厳はどうしたのですか?もうギブアップですか?情けないですねえっ!」
ハリス様がいなくなって、世界の秩序が元通りに戻ったことを確認して、私は死の世界に帰りました。実を言いますと、私は百年くらい前に死んで、その後は神様のボランティアとして働いているのです。その一つが、人間世界の秩序を監視する魔法使いであり、今回も役目を果たすことができました。
さて、間もなくハリス様と再会することができますね。死の世界を彷徨っているハリス様を見つけて、私は再びダイブしました。
「ハリス様!!!!!」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」
ハリス様は私のことを憶えていました。
「あなたの魂は、非常に美味しかったのです!!!」
「その話はもう止めてくれええっ!!!!」
人間世界で上手くいかなかった婚約……そのやり直しをしようと思いました。
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