婚約破棄された悪役令嬢はやり直したい!〜転生したら王子に溺愛された件〜その後と将来を紡ぐ物語

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その61

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私はフランツ様と呼ばれた男を追いかけた。

「フランツ様!お待ちください!」

男は私の声を聞いて、振り返った。

「何か御用ですか?」

男は恭しく頭を下げた。

「いえっ……あの、どこかで会ったことがあるような気がするのですが……」

私はそのまま切り込んだ。

「恐れ入りますが、私はあなたのような美しい女性に会ったことはないのです」

「ああっ、そうですか……」

やっぱり、私の思い過ごしかしら?


「お役に立てず申し訳ございません。クリス…………?」

「今……なんとおっしゃいましたか?」

男は確かにクリスと言った。確かに、クリスと言う名前は世間にありふれている。それが私に対して向けられたわけではないと思っていた。

「いいえ、なんでもありません。失礼いたしました。さようなら……」

男は一度会釈して、私の元からネオン輝く夜の街へ消えていった。
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