婚約破棄された悪役令嬢はやり直したい!〜転生したら王子に溺愛された件〜その後と将来を紡ぐ物語

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その63

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「フランツ様……あなたはフランツ様を知っているのですか?」

「ええっ、この街の常連ですよ……そこらの娼館に入り浸っていますあっ!」

「娼館……クリス、ひょっとしてあなたは足を踏み入れるつもりですか?」

リチャードが尋ねた。

「そうだと言ったら?」

「私は止めません。でも、お父様は二度と戻ってきませんよ。あそこは……」

私は数軒の娼館を探した。しかしながら、男の姿はなかった。

「一体どこに行ったのよ!」

私は手当たり次第、娼婦に尋ねたが明確な答えは返ってこなかった。


「そのうち、ペストにでも侵されて死んじまうよ、あの男は!」

そんなことを言う女がいた。

「あなたはフランツ様と寝たことがあるの?」

「あの男……フランツって言うのかい?ああっ、そうだそうだ……」

女は葉巻を口から吐き出した。

「あいつは確かにいい客だ。でも、男としては最低だ……」

私はなんとなく女の言うことが理解できた。

「お前みたいな女に、男の良し悪しもへったくれもないだろう!」

リチャードが口を挟んだ。女はリチャードの顔を見て、

「あいつは、この男にそっくりだよ!」

と言った。

「それじゃ、やっぱりあなたのお父様なのね?」

私はリチャードの同意を求めた。

「どうやらそうみたいですね……」

リチャードはそう言った。

「こんな下衆女どもと寝るだなんて、お父様も落ちたものだ……」

リチャードがあまりにも横柄な態度を取るので、女は飛び起きて、リチャードに襲い掛かろうとした。リチャードは咄嗟に懐から小刀を取り出し、女の肌を切り刻んだ。

「いてええっ………!なにしやがるんだ!」

「父のことをなんと言おうが勝手だ!だがな、私を彼と一緒にするな!」

そう言い残して、リチャードは娼館から出ていった。

私は傷を負った女の手当てをした。傷はそれほど深くなかった。女は最初、私のことを拒絶した。しかしながら、私は、この女の宿命が理解できた。だから、見捨てるわけにはいかなかった。

男に捨てられてゴミ捨て場に逃げる女の一生……悲しいと言えば、それだけで終わってしまう。本当に運命を変えたいのであれば、それは自分で変えるしかない。

「あんた……昔の私に似ているよ……」

女はそう言った。
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