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その81
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フランツ皇帝と少女クリスの恋物語について、その賛否は分かれた。恐らく、フランツだけだったのかもしれない。
「しかしながら、君はクリスと婚約破棄することになる……」
フランツの執務室には、いつもクリスの父がいた。彼は音を立てずに入ってくる。フランツは最初、クリスの父を追い出そうとしたが無駄だった。
「あなたは、その運命とやらを私たちに押し付けたいのですね?」
フランツは率直に尋ねた。
「そうだ。君の自由意志は必要ない。クリスとの婚約は破棄されるのだ」
「私がしないと決めたならば、クリスを愛し続けると誓えば、それは起きないでしょう」
「君は眠るよね?」
「と言いますと?」
「君が眠っている間、私は君たちの運命を書き換えることができるんだ。夢が変わるとイメージすればいい」
「そんなこと、できるわけないでしょう!」
フランツはクリスの父をバカにした。いくらなんでもそこまでは、と思っていた。
「夢の選択肢は複雑で、人間が操作することは難しいが、私にはできる。君はクリスとの婚約を破棄するのだ」
「そうですか?やれるものなら、やってみてください。受けて立ちますよ。私は皇帝なのですから!」
「なるほど。貫禄だけは一人前だ。でも、現実は君が考える以上に厄介だ。まあいい。今日の夜を楽しみにしているんだな」
フランツは、クリスの父が煙のように消えていくのを確認して、執務を続けた。
全ての仕事を終えると、クリスの元へ急いだ。クリスのためにこしらえた花畑で、クリスは水やりを楽しんでいた。その無邪気さを見れば、婚約破棄なんて考えられない、そう思った。
クリスの元に近寄って、
「今日も楽しそうだね、クリス」
と話しかけた。
「あーあっ、フランツだ。おしごとはもうおわり?」
「うん。全て終わったよ。後は君と一緒にいるだけだ」
「それはとてもすばらしいことね。わたしはうれしい」
「そうか、よかったな」
フランツはクリスを抱っこして、王宮に戻った。
夜がやって来ると、クリスはすぐさま眠りにつき始めた。
「お休み」
フランツはそう言って、スヤスヤと寝息を立てるクリスの額にキスをした。
「さて……あなたはいらっしゃいますか?」
こう話しかけると、暗闇から少しずつ影が伸び始める。
「私の古い友人よ、こんばんは」
「今日が、あなたにとって非常に大切な日になるわけですね?」
「ああ、そうだろうな」
「私はいつも通り、寝ますよ」
「そうか、いい夜であるように祈っているぞ」
「あなたもね」
翌朝になって、景色は何も変わっていなかった。クリスはすぐそこで眠っていた。何も変わっていない、そう結論づけて問題なさそうだった。クリスと会話を始めるまでは。
「しかしながら、君はクリスと婚約破棄することになる……」
フランツの執務室には、いつもクリスの父がいた。彼は音を立てずに入ってくる。フランツは最初、クリスの父を追い出そうとしたが無駄だった。
「あなたは、その運命とやらを私たちに押し付けたいのですね?」
フランツは率直に尋ねた。
「そうだ。君の自由意志は必要ない。クリスとの婚約は破棄されるのだ」
「私がしないと決めたならば、クリスを愛し続けると誓えば、それは起きないでしょう」
「君は眠るよね?」
「と言いますと?」
「君が眠っている間、私は君たちの運命を書き換えることができるんだ。夢が変わるとイメージすればいい」
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全ての仕事を終えると、クリスの元へ急いだ。クリスのためにこしらえた花畑で、クリスは水やりを楽しんでいた。その無邪気さを見れば、婚約破棄なんて考えられない、そう思った。
クリスの元に近寄って、
「今日も楽しそうだね、クリス」
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「あーあっ、フランツだ。おしごとはもうおわり?」
「うん。全て終わったよ。後は君と一緒にいるだけだ」
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