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その83
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「私はクリスとの婚約を破棄する……」
「こんやくはきってなに?」
「分からないよね?」
「分からない」
「クリス。私は君を心から愛しているよ。私は君を守りたいんだ。だから、君と婚約するわけにはいかないんだ」
「そーなの?」
「分かってくれないと思うけど、許してくれ」
「わかった」
「ありがとう」
フランツはこれでいいと思った。クリスの父が言うところの、フランツが辿るべき運命というのは、その後も流れていった。クリスと離縁したり、クリスを処刑したり、息子のリチャードとクリスの共謀によって殺害されたり、とにかくすべてを受け入れた……。
「これで全てです。フランツが辿った運命の……全てです」
「そう…………」
クリスははあっと息をはいた。
「こんやくはきってなに?」
「分からないよね?」
「分からない」
「クリス。私は君を心から愛しているよ。私は君を守りたいんだ。だから、君と婚約するわけにはいかないんだ」
「そーなの?」
「分かってくれないと思うけど、許してくれ」
「わかった」
「ありがとう」
フランツはこれでいいと思った。クリスの父が言うところの、フランツが辿るべき運命というのは、その後も流れていった。クリスと離縁したり、クリスを処刑したり、息子のリチャードとクリスの共謀によって殺害されたり、とにかくすべてを受け入れた……。
「これで全てです。フランツが辿った運命の……全てです」
「そう…………」
クリスははあっと息をはいた。
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