悪役令嬢は婚約破棄と言う悪夢を突きつけられた

その3

こういう時は、おうちの人に聞いてみるのが一番ですね。と言うことで、とりあえずお父様に聞いてみましょう。

「お父様。私はさきほど王子から婚約破棄されました」

「ああっ、それは事実だよ。昨晩、私の元に王子様から便りが来た」

「お父様……ひょっとして、内緒だったのですか？」

「いずれ明らかになることだからね。それにしても、私は君の育て方を間違えたのだろうか？あの温厚な王子様が一方的に婚約破棄するだなんて、普通に考えたらあり得ないことだからね。君に大きな問題があるんだろうな……」

私はお父様にも怒りました。

「お父様！王子の言葉ばかり信じないでください！私の言うこともしっかりと聞いてください！どうして、私が悪いと決めつけるのですか？」

「だって、君と王子様の発言が食い違っていて、どちらを信じるか、そんなのは決まっているじゃないか？私は君の親だぞ？君がどれほど信用できない人間なのか、私が一番心得ているのだから……」

誰か、私のことを助けてください。この世界はあまりにも過酷すぎます。ああっ、これはきっと悪夢なのです。次の朝、目を醒ましたら、これは全部夢でしたチャンチャンって感じになりませんか？

親にまで見捨てられたら、もう生きる方法を失ったようなものですから。

そう、これはきっと夢なのです。だから、何も考えず眠りましょう。そうすれば、明日の朝には目が覚めて、全てが元通りなのです。