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その2
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しかしながら、これは王子が単純に私のことを嫌っているのだと思いました。態度がどうこうというよりも、私のことを根本的に嫌いなのだと思いました。だとすれば、理解できなくもありません。別に、私は成人君主なんかじゃありませんけれども、王子はとにかくわがままですから、私だって怒ることはありました。
それが?いけないことですか?夫婦喧嘩なんて、どこの家庭でも日常茶飯事でしょう?
私は王子に隷属しないといけないのですか?そんなことありませんよね?
私が王子の伴侶になれば、それは対等なパートナーなのですから、夫婦喧嘩をするのは当然のことなのです。今まで王子のわがままに付き合ってきた私は正直偉いと思います。自分を褒めてあげたいと思います。
どうしてかって?それくらい分かるでしょう?
「王子、私に婚約破棄の理由を教えてください。そうでないと、私、家に帰ることができませんわ!」
「そんなことを一々説明しなくちゃいけないのかね?はあっ……」
王子は溜息を洩らしました。
私は段々怒りのボルテージが上がっていきました。令嬢は慎ましくしろですって?冗談じゃないですよ。私はそういう令嬢キャラじゃないんです。わがままですって?それでいけませんか?王子だってわがままですよ?
「王子、あなたは卑怯ですわ!」
「なんだって?」
流石の王子も、私の罵りに怒り始めました。すると、私の怒りも止まらなくなります。
「理由もなく婚約破棄するだなんて、女に対する甚だしい侮辱ですわ!」
「侮辱しているのは君の方じゃないか?毎日毎日、私のことを役立たずだと罵って……私は君よりも偉いんだ!どうして、令嬢の分際で、私に歯向かうことができるんだ?そんなの、おかしいだろう!」
王子がエキサイトしている間に、私は少し休息しました。喧嘩というのは、体力勝負ですから、時々休まないと、怒りのボルテージを保つことができませんので。
「君は!いつも私のことをバカにした。無能な王子だとか、役立たずだとか、どうして君にそんなことを言われなければならないんだ!君は口先だけなんだよな!今の地位が誰によって担保されているのか、考えたことはあるか?そんなものが分からない奴と婚約できるわけないだろう!」
王子はそう言い捨てて、いよいよ部屋を出ていきました。休憩が終わったので第二ラウンド……といきたいところでしたが、場外で乱闘騒ぎを起こすと、色々ややこしくなると思いました。従って、私はとりあえず部屋で待機しました。ひょっとしたら、頭を冷やした王子が帰ってくるかもしれない、なんて思いました。
それが?いけないことですか?夫婦喧嘩なんて、どこの家庭でも日常茶飯事でしょう?
私は王子に隷属しないといけないのですか?そんなことありませんよね?
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どうしてかって?それくらい分かるでしょう?
「王子、私に婚約破棄の理由を教えてください。そうでないと、私、家に帰ることができませんわ!」
「そんなことを一々説明しなくちゃいけないのかね?はあっ……」
王子は溜息を洩らしました。
私は段々怒りのボルテージが上がっていきました。令嬢は慎ましくしろですって?冗談じゃないですよ。私はそういう令嬢キャラじゃないんです。わがままですって?それでいけませんか?王子だってわがままですよ?
「王子、あなたは卑怯ですわ!」
「なんだって?」
流石の王子も、私の罵りに怒り始めました。すると、私の怒りも止まらなくなります。
「理由もなく婚約破棄するだなんて、女に対する甚だしい侮辱ですわ!」
「侮辱しているのは君の方じゃないか?毎日毎日、私のことを役立たずだと罵って……私は君よりも偉いんだ!どうして、令嬢の分際で、私に歯向かうことができるんだ?そんなの、おかしいだろう!」
王子がエキサイトしている間に、私は少し休息しました。喧嘩というのは、体力勝負ですから、時々休まないと、怒りのボルテージを保つことができませんので。
「君は!いつも私のことをバカにした。無能な王子だとか、役立たずだとか、どうして君にそんなことを言われなければならないんだ!君は口先だけなんだよな!今の地位が誰によって担保されているのか、考えたことはあるか?そんなものが分からない奴と婚約できるわけないだろう!」
王子はそう言い捨てて、いよいよ部屋を出ていきました。休憩が終わったので第二ラウンド……といきたいところでしたが、場外で乱闘騒ぎを起こすと、色々ややこしくなると思いました。従って、私はとりあえず部屋で待機しました。ひょっとしたら、頭を冷やした王子が帰ってくるかもしれない、なんて思いました。
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