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その17
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思いのほか、チャールズはヘタレだった。別にいいんだけど、他の令嬢に何か言われたくらいで、これほどへこむとは思っていなかったので、なんだか、こっちが情けないというか、悪いことをしたかも、と思った。
「食事が終わったら、少し話したいことがあるんだけど……」
私はチャールズに耳打ちした。これについても、チャールズが自分の席に着くと、他の令嬢たちが勝手に噂し始めた。
「あの方はいつもいつも、ああやってパミーナ様の手を煩わせているんだわ!」
「本当にひどい人だこと!」
皇帝の耳には入っていないのだろうか?皇帝の力で、こういった輩を追い出すことはできないのだろうか?私は皇帝を少し見つめてみた。
しばらくして、私の視線に気が付いた皇帝は、
「どうかいたしましたか?」
と問いかけてきた。私はこの時、チャールズを愚弄する輩がいることを正直に伝えればよかったのかもしれない。
「いいえ、なんでもないわ」
私は結局、何も言えなかった。まだ、この王宮のパワーバランスが今一呑み込めていなかった。迂闊に手を出すと、新しい問題を生み出しかねないから、ここは黙っているのが一番だと思った。心の中にしまいこんで。
ごめんね、チャールズ。
「食事が終わったら、少し話したいことがあるんだけど……」
私はチャールズに耳打ちした。これについても、チャールズが自分の席に着くと、他の令嬢たちが勝手に噂し始めた。
「あの方はいつもいつも、ああやってパミーナ様の手を煩わせているんだわ!」
「本当にひどい人だこと!」
皇帝の耳には入っていないのだろうか?皇帝の力で、こういった輩を追い出すことはできないのだろうか?私は皇帝を少し見つめてみた。
しばらくして、私の視線に気が付いた皇帝は、
「どうかいたしましたか?」
と問いかけてきた。私はこの時、チャールズを愚弄する輩がいることを正直に伝えればよかったのかもしれない。
「いいえ、なんでもないわ」
私は結局、何も言えなかった。まだ、この王宮のパワーバランスが今一呑み込めていなかった。迂闊に手を出すと、新しい問題を生み出しかねないから、ここは黙っているのが一番だと思った。心の中にしまいこんで。
ごめんね、チャールズ。
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