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その16

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食事についてもう少し話そう。私は食堂の中で、最も中央に座る。その両隣が、皇帝と皇帝の正妻である。それから、皇太子たち、王子たち、そして、それ以外の上位貴族たち、という具合である。皇帝の正妻は、私のご機嫌伺いに必死である。

「パミーナ様!本日のお食事はいかがですか?」

いかがですかって……味はいいけど、あなたたちがでしゃばるせいで、こっちは気まずい。

「……お顔が優れないようですが?」

だから、あなたたちのせいだっつーの!

「お食事がよろしくないのかしら?誰か、パミーナ様に別のお食事を持ってきて!」

「ああっ、大丈夫だから。美味しい美味しい、この食事はすごく美味しいよ。だから、食べるから、ここに置いておいて!」

「承知いたしました!」

本当、食事はストレスだ……。

皇帝の正妻以外にも、鬱陶しい男や女たちがいた。食事の途中で、私の隣にやってきて、

「御機嫌ようございます!」

なんて言い残していく者が多い。これは、一種の礼儀みたいだが、本当にイライラする。しかしながら、人が来るたびに、ニコニコして、

「ありがとう」

なんて返事をしなければならない。作り笑いだって、誰か気付いてくれないかしら?

「パミーナ!御機嫌ようございますっ!」

私のことを唯一呼び捨てにする、というよりも、させたチャールズがやって来た。周りからは、

「いくら伴侶になったからって、パミーナ様のことを呼び捨てにするのは、マナー違反よね?」

なんて言われたが、それくらいでへこたれるくらいならば、とっとと離縁なり婚約破棄なりしてやろうと思った。果たして、チャールズの反応は?





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