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プロローグ

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「本日、悪名高き令嬢ユフィーの処刑を行う!」

この世界の代表たちが勢ぞろい。みんな、か弱い私に愛を囁いてくれた貴族の方々……。悪役令嬢って……どうして私がそんなレッテルを貼られなければならないのかしら……。

今日は私が命を終える日。本当のことを言うと、死にたくない。でも、この世界の風紀を乱した罪で死刑。みんな、私のことをはめたのかしら?私が死ぬとあなた方にとって都合がいいの?

私の胸には13の命が刻まれている。これは明らかになってはまずいのかしら?みんな、可愛い命だと言うのに……。悪役なのはどっちなのかしら……。

「銃を構えろ!」

ああっ、いよいよだ。引き金に手がかかった瞬間、私は自分でコントロールできない運命を受け入れることになるんだ。それにしても……市民の皆さんまでもが、貴族の味方なのね……何も知らないのに、私が死ぬことを喜んでいるんだ。ああっ、もう未練なんてないや。

「撃てえええっ…………!」



私は死んだ。意識が遠のいていく。私の……物語が今終わった……。

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