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その3
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「皇帝陛下に対して、失礼だろうが!!!!」
失礼……確かに最初はそう見えたかもしれません。
「ですが、お父様。皇帝陛下も、私のことを気遣ってくださったではありませんか???」
私がこう言いますと、お父様はますます呆れたような顔ぶりで、
「お前はしょうもないほどバカだなあ……ああ、もう怒る気力もなくなった…………」
と言いました。
「皇帝陛下は、お前のことをだらしない女だと、そう思われたのだよ!!!!」
本当にそうなのでしょうか。私は大いに疑問でした。まさか、あれだけのことで、私のことをだらしないと考えるのなら、そっちの方が飛躍しているのではないか、と思いました。
「まあ、もう過ぎた話は仕方がない。後は……この婚約が上手くいくことを祈るだけだ……」
「祈らなくたって……大丈夫じゃないですか????」
私がこう言いますと、お父様は余計に腹が立ったようで、
「一々、口答えするな!!!!」
ときれました。私はこの時、何か言い返してやろうか、と思いましたが、止めました。
しばらくして、皇帝陛下と第一王子シャルコー様が入ってきました。
「あれっ……お妃様はいらっしゃらないのですか???」
私は思わず質問してしまいました。本当、こう言うのが余計なお世話だと言うんでしょうね。分かっています。でも、ついつい口に出てしまうのが、私の悪い癖なのでした。
「ああ、妻はただいま……休憩です……」
皇帝陛下はこのように説明なさいましたが、どことなく歯切れが悪いようでございました。
「はあ、そうなのですか????」
私がこれ以上、話に首を突っ込むのを警戒したお父様は、
「いや、申し訳ございません!!!!」
と大きな声で謝りました。さて、これに反応したのが、第一王子シャルコー様でございました。
「全く……公爵殿は一体、どのような教育をされているのですか????」
シャルコー様はこの様に言いました。
えっ……どうして????私には分かりませんでした。シャルコー様は私のことを気に入っておられないのでしょうか。まさか、そんなことは……。
「シャルコー!!!」
皇帝陛下が、あの冷静な皇帝陛下がシャルコー様の名前を大声で呼びあげて、
「失礼だろう!!!!」
と言いました。
「別に、失礼なんかではありませんよ、父上」
シャルコー様はそう言って、私のことを指差しました。
「こちらにいらっしゃる公爵令嬢のアマネ殿は……どういうわけだか、中途半端な令嬢のようですな。おまけに、礼儀作法を何一つわきまえていない……ああっ、私はこんな人と婚約しなくてはならないのですか????」
シャルコー様は完全に私のことを非難しているようでございました。その理由が、私にはまるで分かりませんでした。
「まあ……仕方ないか……。それが決まりだと言うのなら。私に婚約者を選ぶ権利なんて、最初からないのですからねえ……」
そう言って、ブスっと笑い出しました。
「おい、シャルコー!!!!アマネ殿に失礼だろう!!!」
皇帝陛下は、あくまでも、私のことを気にかけてくださっていました。これに対して、お父様は、
「誠に申し訳ございません……」
と言って、シャルコー様にへいこらする始末……このようなお父様を持ったことが、私は少し悲しくなってしまうのでした…………。
失礼……確かに最初はそう見えたかもしれません。
「ですが、お父様。皇帝陛下も、私のことを気遣ってくださったではありませんか???」
私がこう言いますと、お父様はますます呆れたような顔ぶりで、
「お前はしょうもないほどバカだなあ……ああ、もう怒る気力もなくなった…………」
と言いました。
「皇帝陛下は、お前のことをだらしない女だと、そう思われたのだよ!!!!」
本当にそうなのでしょうか。私は大いに疑問でした。まさか、あれだけのことで、私のことをだらしないと考えるのなら、そっちの方が飛躍しているのではないか、と思いました。
「まあ、もう過ぎた話は仕方がない。後は……この婚約が上手くいくことを祈るだけだ……」
「祈らなくたって……大丈夫じゃないですか????」
私がこう言いますと、お父様は余計に腹が立ったようで、
「一々、口答えするな!!!!」
ときれました。私はこの時、何か言い返してやろうか、と思いましたが、止めました。
しばらくして、皇帝陛下と第一王子シャルコー様が入ってきました。
「あれっ……お妃様はいらっしゃらないのですか???」
私は思わず質問してしまいました。本当、こう言うのが余計なお世話だと言うんでしょうね。分かっています。でも、ついつい口に出てしまうのが、私の悪い癖なのでした。
「ああ、妻はただいま……休憩です……」
皇帝陛下はこのように説明なさいましたが、どことなく歯切れが悪いようでございました。
「はあ、そうなのですか????」
私がこれ以上、話に首を突っ込むのを警戒したお父様は、
「いや、申し訳ございません!!!!」
と大きな声で謝りました。さて、これに反応したのが、第一王子シャルコー様でございました。
「全く……公爵殿は一体、どのような教育をされているのですか????」
シャルコー様はこの様に言いました。
えっ……どうして????私には分かりませんでした。シャルコー様は私のことを気に入っておられないのでしょうか。まさか、そんなことは……。
「シャルコー!!!」
皇帝陛下が、あの冷静な皇帝陛下がシャルコー様の名前を大声で呼びあげて、
「失礼だろう!!!!」
と言いました。
「別に、失礼なんかではありませんよ、父上」
シャルコー様はそう言って、私のことを指差しました。
「こちらにいらっしゃる公爵令嬢のアマネ殿は……どういうわけだか、中途半端な令嬢のようですな。おまけに、礼儀作法を何一つわきまえていない……ああっ、私はこんな人と婚約しなくてはならないのですか????」
シャルコー様は完全に私のことを非難しているようでございました。その理由が、私にはまるで分かりませんでした。
「まあ……仕方ないか……。それが決まりだと言うのなら。私に婚約者を選ぶ権利なんて、最初からないのですからねえ……」
そう言って、ブスっと笑い出しました。
「おい、シャルコー!!!!アマネ殿に失礼だろう!!!」
皇帝陛下は、あくまでも、私のことを気にかけてくださっていました。これに対して、お父様は、
「誠に申し訳ございません……」
と言って、シャルコー様にへいこらする始末……このようなお父様を持ったことが、私は少し悲しくなってしまうのでした…………。
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