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その11
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「それで……お前さんはどうするんだね???」
老人は私にも瓶をくれました。
「お前さんも、単なるアホな魔法使いでないことは確かなようだ。赤ん坊たちの前に行ってごらん。ひょっとしたら、お前さんも赤ん坊たちから命を回収することができるかもしれないぞ……」
「命……私が赤ちゃんから命を奪うのですか???」
もちろん、ためらいがありました。いくら、これから死んでいくとはいっても、やはり、私が手を下すのは、まずいことだと思いました。
「お前さん、魔法使いとして一皮むけたいんじゃないのか???そうだとしたら、ここで立ち止まっている暇はないぞ。なーに、別に悪いことをするんじゃない。ほぼ死体同然なんだ。神様を恐れるか???神様が罰を下すとすりゃ、それは赤ん坊を殺した人間の方だろう。大丈夫、お前さんを責めたりはしないさ……」
老人は、私の心の内を全て読み通しているように思えました。やはり、魔法使いの中でも相当なハイスペックのようでした。
「さあ、一歩踏み出す勇気は、お前さん次第だぞ……」
魔法使いとしてもっと成長したい……それは、私の長年の夢でした。そして、常に2番と言われることが、心のどこかで嫌だった……それを解消する手立てがあるんだったら……私はそれをつかみ取ろうと思いました。
「おお、やる気になったようだね????」
私はこくりと頷いて、前に歩み寄りました。そして、老人に教えてもらった呪文を唱え、後は目を瞑りました。
「ごめんなさい。あなたたちの命を奪うことが、どれだけ罪深いことなのか、私には分かっています。こんな私を許してください……」
私は死んでいく赤ちゃんたちに、せめてものお悔やみを告げました。そして、少しずつ消えていく赤ちゃんの陰を見守って……老人がやった時と同じ光が目の前に現れました。
「ほおっ、やっぱり、お前さんはただの魔法使いではないんだな…………」
老人は感心していました。
「ありがとう。あなたたちの命、大切に使わせてもらうから……」
私は最後にこう言って、命の塊を収集しました。老人に見せてもらった塊よりも、もっともっと眩い光を放っているように見えました。ものすごく、不思議な感覚でした……。
「ああ、初めてにしては上出来じゃないか。やっぱり、私が見こんだだけのことはあるようだな……」
老人はそう言って、にこりと微笑みました。
「私の名前はポート。エートル王国の魔法聖者だ……」
魔法聖者、と聞いた瞬間、私は思わず震えあがりました。これはつまり、その国で最も優れた魔法使いに与えられる称号だったのです。因みに、私の国では、お父様が魔法聖者です。このままいけば、イザベルが次の魔法聖者になるはずでした。
「私は……ミンコク王国の……かつてはバートン公爵家令嬢の長女であったアマネです」
「何だって???お前さん、バートンの娘なのか???」
さすがは魔法聖者だと思いました。敵国とは言え、そう言った情報に関しては、詳しかったようです。
老人は私にも瓶をくれました。
「お前さんも、単なるアホな魔法使いでないことは確かなようだ。赤ん坊たちの前に行ってごらん。ひょっとしたら、お前さんも赤ん坊たちから命を回収することができるかもしれないぞ……」
「命……私が赤ちゃんから命を奪うのですか???」
もちろん、ためらいがありました。いくら、これから死んでいくとはいっても、やはり、私が手を下すのは、まずいことだと思いました。
「お前さん、魔法使いとして一皮むけたいんじゃないのか???そうだとしたら、ここで立ち止まっている暇はないぞ。なーに、別に悪いことをするんじゃない。ほぼ死体同然なんだ。神様を恐れるか???神様が罰を下すとすりゃ、それは赤ん坊を殺した人間の方だろう。大丈夫、お前さんを責めたりはしないさ……」
老人は、私の心の内を全て読み通しているように思えました。やはり、魔法使いの中でも相当なハイスペックのようでした。
「さあ、一歩踏み出す勇気は、お前さん次第だぞ……」
魔法使いとしてもっと成長したい……それは、私の長年の夢でした。そして、常に2番と言われることが、心のどこかで嫌だった……それを解消する手立てがあるんだったら……私はそれをつかみ取ろうと思いました。
「おお、やる気になったようだね????」
私はこくりと頷いて、前に歩み寄りました。そして、老人に教えてもらった呪文を唱え、後は目を瞑りました。
「ごめんなさい。あなたたちの命を奪うことが、どれだけ罪深いことなのか、私には分かっています。こんな私を許してください……」
私は死んでいく赤ちゃんたちに、せめてものお悔やみを告げました。そして、少しずつ消えていく赤ちゃんの陰を見守って……老人がやった時と同じ光が目の前に現れました。
「ほおっ、やっぱり、お前さんはただの魔法使いではないんだな…………」
老人は感心していました。
「ありがとう。あなたたちの命、大切に使わせてもらうから……」
私は最後にこう言って、命の塊を収集しました。老人に見せてもらった塊よりも、もっともっと眩い光を放っているように見えました。ものすごく、不思議な感覚でした……。
「ああ、初めてにしては上出来じゃないか。やっぱり、私が見こんだだけのことはあるようだな……」
老人はそう言って、にこりと微笑みました。
「私の名前はポート。エートル王国の魔法聖者だ……」
魔法聖者、と聞いた瞬間、私は思わず震えあがりました。これはつまり、その国で最も優れた魔法使いに与えられる称号だったのです。因みに、私の国では、お父様が魔法聖者です。このままいけば、イザベルが次の魔法聖者になるはずでした。
「私は……ミンコク王国の……かつてはバートン公爵家令嬢の長女であったアマネです」
「何だって???お前さん、バートンの娘なのか???」
さすがは魔法聖者だと思いました。敵国とは言え、そう言った情報に関しては、詳しかったようです。
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