上 下
20 / 27

その17

しおりを挟む
「さてさて……呼び出せたかな???」

ポートさんは、既に皿を用意して待っていました。ポートさんも、お腹が空いていたのでしょうか???

「ああ、問題なさそうだな……」

ポートさんは、精霊さんたちが出現するのを、感じることができるようでした。

「やあ、こんにちは。動物の精霊アニーです!!!」

「やあ、こんにちは。植物の精霊ベジーです!!!」

2つの精霊さんとも、先ほどのアクアちゃん同様、小さくて可愛いお人形さんのようでした。これならば、私は安心して話をすることができると思いました。

「あれっ……どこかで見た顔ですね???」

アクアちゃんの時と同じくだりが始まりました。つまり、精霊さんたちは、お父様のことを知っているわけでして、また、お父様が精霊さんを呼び出すのも、私と同じような方法でやっているわけでございましょう。

「なるほど、そうだったんですか。それはお可哀想に……」

精霊さんたちは、やっぱり、私の気持ちを理解してくれるみたいでした。みんな、本当に優しくて、私はますます精霊さんたちのことが好きになっていくのでした。

「それでは、私たちが力を合わせて、特大豪華なお食事を用意しますね!!!」

「おいおい、私もその御馳走とやら、食えるのか???」

ポートさんは、毎度のように質問しました。

「ええっ???ポートさんは、そこらへんの虫の死骸でも食べてればいいんじゃないですか???」

アニーちゃんがこう言いますと、ポートさんは、

「お前ら……なめてるのか???」

と、少し怖い顔をしました。

「ひええええっ!!!」

アニーちゃんとベジーちゃんは怖くなって、私の背後に隠れてしまいました。背中にくっついて、精霊さんたちのエネルギッシュな温もりを感じることができました。

「まあまあ、ポートさん。可哀想じゃないですか。脅かしっこはなしにしましょう???」

私がこう言いますと、精霊さんたちは、ポートさんに向かって、あっかんべーをしました。

「おいおい、アマネがここにいなかったら、どうなったか知らんぞ……」

そう言って、ポートさんは詫びました。

「アマネさん、ありがとうございます!!!」

精霊さんたちは、私に礼を言ってくれました。

「いいのよ、気にしなくて」

私がこう言いますと、その場は非常に和みました。よかったよかった。


しおりを挟む

処理中です...