1 / 10
その1
しおりを挟む
私の名前はメディチ・ラクナと申します。今、私はこの世界で最も下品な女として扱われています。いえいえ、決してオーバーに言っているわけではございません。これは事実なのです。
今までは、自慢ではありませんが、誠実な女だと言われてきました。ですから、家柄は本当に低いんですけれども、驚くことに、王子様と婚約することが可能になったわけです。もちろん、世間は納得しなかったでしょう。それでも、王子様は私を選んでくださいました。私の人柄に好かれたらしいです。
そんな私が一度の過ちを犯して、それが婚約破棄の原因になったのだとすれば、本当に悲しい話なのです。あれは、婚約が決まった翌日のことでございました。
「王子様。これで私はやっと幸せ者になれます」
「ラクナ。私も幸せだ……」
「ああっ、王子様……。」
そんな私が王子様にいきなり悪態をついてしまいました。
「ところで、今日はこれからどうするんですか?」
「どうするって?」
「もちろん、今夜のことですわ……」
私は王子様の肩に手をあてて、にこりと微笑みました。
「いや、今日は仕事があるからな。そういうのは、正式に婚約してからにしようよ」
その時、分かりました、とでも言えば済んだ話でございます。しかしながら、私は、
「はあっ?何をおっしゃいますの?」
と言いました。
「ラクナ?どうしたんだ?」
私の態度が変わってしまったので、王子様は驚いているようでした。
「どうするもこうするも、あなたは私と仕事のどちらが大事なんですか?」
「そんなの、どっちもだよ……」
「どうして!私だと言えないんですか!このクズが!」
私はとうとう王子様を恫喝してしまいました。
「ラクナ……僕は怖いよおっ!」
とうとう泣き出して、私の元から逃げてしまいました。
私に弁明の余地を与えて頂けるのであれば、申し上げましょう。少し怒っただけでした。それがいきなり、一発アウトですか?数日後、王子様の使者がやってきて、私に言いました。
「ラクナ様との婚約は正式に破棄されました。また、ラクナ様の不貞行為により、メディチ家の爵位を最下層貴族に格下げ致します……」
私の婚約破棄と、我が家の不名誉……ダブルパンチでした。
それにしても、どうしてあの時、私は王子様に怒ったのでしょうか?その理由がいまいち分かりませんでした。あんなに怒ったことは今までありませんでした。無意識のうちに、発作的に、怒りが込み上げてきたということでしょうか?とにかく、謎でした。
私の愚行により、王子様から婚約破棄されたのはともかくとして、家族にも影響を及ぼしたことをお詫びしたいと思います。
表向きは私のことを責めませんでしたが、それでも……なんとなく風当りはよくありませんでした。
私は家族に迷惑をかけたことを反省し、家を出ていこうと考えました。お母様やお姉様は、気にしなくてもいいと言ってくれました。しかしながら、これも表向きであって、私のことをよく思っているはずなどありませんでした。
「あなたのことなんか、一生かけて苛め抜いてやるわ!」
女って怖い……いえいえ、全て私が蒔いた種なのですから、私は何も言う権利がありませんでした。
「ラクナ……なにもあなたが全て悪いわけじゃないのよね……」
お母様はそう言ってくれました。
「でもね、けじめはつけないといけないから。見ての通り、我が家の爵位は無くなったも同然ね。あなたのお父様は騎兵隊から除隊されて、今は職がない状態よ。このままだとまずいから、畑でも耕すとおっしゃるけれど……はあっ。ラクナ、あなたが全て悪いわけではないのよ。私は知っているわ。だけどね……分かるかしら?私の気持ちが」
私はお母様の嘆きを理解しました。しかしながら、この事態を解決する有効な手立てがありませんでした。王子様に対する愚行は事実です。しかしながら、あれが私の意志によるものではなかった気がします。それを証明することができれば、あるいは、我が家の爵位は復活し、お父様を始め、家族の生活を保つことくらいはできるのでしょうか?
「ラクナ……あなたが全て悪いわけではないのよ。でもね……」
このまま立ち止まっていると、お母様はきっと病に倒れると思いました。だから、あの発作の原因を突き止めなければならないと思いました。
ひょっとすると、王子様と私の婚約を嫌った人間による干渉だったのかもしれません。でも、そうだとすれば、犯人は、この世界の貴族ほとんど、と言うことになるでしょう。
端的に無理です。
「あなたが全て悪いわけではない。でも、あなたが悪いのよ」
お母様と違って、お姉様は私のことを直接責めることがありました。私と王子様が婚約すると決まった時、
「そんなのあり得ないでしょう」
と冗談交じりに言っていました。はい、振り返ると、本当にあり得ませんでした。
「女の欲望を満たす機関じゃないのよ、男は」
別に私は飢えているわけではありませんでした。それは、私のことを嫌う令嬢様方のあらぬ噂でした。
「おかげで、私の婚約も頓挫した」
お姉様の婚約もまた、私のせいで破棄されました。これは、私が100%悪いのです。そう認めるしかありません。
「私の人生を返して……妹にそんなこと言えないわね……」
暫くして、お姉様は姿を消しました。私はお姉様を探そうとしました。しかしながら、お母様が、
「その必要はない。時が来たら戻ってくるはずよ」
と言いました。お母様はお姉様の所在を心得ているようでした。
「あなたが悪いわけではない……しかしながら、けじめはつけないといけないね」
お母様は言いました。
「私の意志ではないことを証明します……」
私はお母様にしっかり伝えました。しかしながら、その方法は難しかったのです。貴族の中から探すと言っても、何一つあてがありません。強いて言えば、友人のニーコに尋ねるくらいでした。彼女は私と違って、社交界でそこそこ活躍している令嬢であり、あちらこちらから情報を得ていました。だから、この事件に関して何か知っているかもしれないと思いました。
友人とはいっても、こんなふうになってしまった私と口をきいてくれるのでしょうか?私は心配し始めました。しかしながら、彼女に頼るよりありませんでした。私はニーコの家を訪れることにしました。
家の前について、玄関のベルを鳴らすか、10分くらい考えました。ひょっとすると、私と話しているところを見られるだけで、ニーコは社交界から排除される可能性もありました。罪人である私が関わるばかりに……そんなことが起きたら、私は友人まで失うことになります。
「ラクナ……こんなところで何してるの?」
ニーコは自室から私のことを覗いているみたいでした。私がずっと玄関の前で立ち往生していたので、とうとう家から出てきました。
「あら……こんにちは」
「どうしたの?そんなに畏まっちゃって……」
「いや……今日は少しお話がしたくて」
「ラクナ、ひょっとして、あなた、はぶられてるの?」
「それは元からだけど……我が家もすごくピンチなのよ」
「ははーん……なるほど、それで私に助けを求めに来たと?」
「……やっぱり虫が良すぎるかしら?」
「ラクナ……あなたって本当にバカなのね……」
はいっ、私は相当のバカですよ。
「私まで信頼できないってわけ?」
おやおや。ニーコは少し違います。
「そんなことはないよ。もしかしたら助けてくれるかもしれないと思って、はるばるやって来たのよ」
「ならば、頼っていいんじゃない?」
「……そうなの?」
「あなたって人は……。何年友達やってると思ってるの」
ニーコはそう言って、私を迎え入れてくれました。
「噂は……色々なところから聞くわ」
「やっぱりね……」
「でも、私はあなたのことを信じているから。そうじゃないと、そもそも王子様があなたを気に入るわけないでしょ?」
「……どういうこと?」
私はニーコが言わんとしていることに薄々気が付いていました。それは例えば、容姿であったり、家柄であったり、まあ、その他諸々です。確かに、私は他の令嬢様と比較して、劣っていたはずです。少なくとも外見は。
「あなたの内面を、王子様は評価したのでしょう?」
「多分……そういうことなんだよね……」
「だから。そんなあなたが、王子様を恫喝することなんてあるわけないのよ。私は信じているわ。噂なんて言うのはね、自分にチャンスが回って来た令嬢たちのネガティブキャンペーンなのよ。あなたを徹底的に潰すための作戦ね。だとすると、次に王子様と婚約する人が犯人と言うことかしら……」
「犯人?」
「あなたを操っている犯人よ」
「私を操っている?」
「そう」
私はそれが真実だとすれば、きっと納得して喜びました。しかしながら、人の気持ちを操作することなど、可能なのでしょうか?しかも、あの瞬間だけでした。
「きっと、そうなのかもしれない。方法は分からないけど。何かあるのよ」
「そうなんだ……」
「次に王子様と婚約するのは……きっと、キムリア公爵令嬢様ね……」
キムリア様……私は令嬢様の名前に覚えがありました。確か、高等学院で同じクラスで、しかも隣の席でした。
彼女が犯人?と言うより、彼女が最有力候補ですか?
容姿、学業、運動、全て私と同じくらいで、しかしながら、家柄は非常に高い……。
ああっ、家柄だけで王子様と婚約できるのですね。羨ましい話です。
私が婚約者に選ばれたので、それを回避するための作戦……彼女が犯人だとして、一体どんな方法を用いたのでしょうか?私は考えを巡らせ始めました。
今までは、自慢ではありませんが、誠実な女だと言われてきました。ですから、家柄は本当に低いんですけれども、驚くことに、王子様と婚約することが可能になったわけです。もちろん、世間は納得しなかったでしょう。それでも、王子様は私を選んでくださいました。私の人柄に好かれたらしいです。
そんな私が一度の過ちを犯して、それが婚約破棄の原因になったのだとすれば、本当に悲しい話なのです。あれは、婚約が決まった翌日のことでございました。
「王子様。これで私はやっと幸せ者になれます」
「ラクナ。私も幸せだ……」
「ああっ、王子様……。」
そんな私が王子様にいきなり悪態をついてしまいました。
「ところで、今日はこれからどうするんですか?」
「どうするって?」
「もちろん、今夜のことですわ……」
私は王子様の肩に手をあてて、にこりと微笑みました。
「いや、今日は仕事があるからな。そういうのは、正式に婚約してからにしようよ」
その時、分かりました、とでも言えば済んだ話でございます。しかしながら、私は、
「はあっ?何をおっしゃいますの?」
と言いました。
「ラクナ?どうしたんだ?」
私の態度が変わってしまったので、王子様は驚いているようでした。
「どうするもこうするも、あなたは私と仕事のどちらが大事なんですか?」
「そんなの、どっちもだよ……」
「どうして!私だと言えないんですか!このクズが!」
私はとうとう王子様を恫喝してしまいました。
「ラクナ……僕は怖いよおっ!」
とうとう泣き出して、私の元から逃げてしまいました。
私に弁明の余地を与えて頂けるのであれば、申し上げましょう。少し怒っただけでした。それがいきなり、一発アウトですか?数日後、王子様の使者がやってきて、私に言いました。
「ラクナ様との婚約は正式に破棄されました。また、ラクナ様の不貞行為により、メディチ家の爵位を最下層貴族に格下げ致します……」
私の婚約破棄と、我が家の不名誉……ダブルパンチでした。
それにしても、どうしてあの時、私は王子様に怒ったのでしょうか?その理由がいまいち分かりませんでした。あんなに怒ったことは今までありませんでした。無意識のうちに、発作的に、怒りが込み上げてきたということでしょうか?とにかく、謎でした。
私の愚行により、王子様から婚約破棄されたのはともかくとして、家族にも影響を及ぼしたことをお詫びしたいと思います。
表向きは私のことを責めませんでしたが、それでも……なんとなく風当りはよくありませんでした。
私は家族に迷惑をかけたことを反省し、家を出ていこうと考えました。お母様やお姉様は、気にしなくてもいいと言ってくれました。しかしながら、これも表向きであって、私のことをよく思っているはずなどありませんでした。
「あなたのことなんか、一生かけて苛め抜いてやるわ!」
女って怖い……いえいえ、全て私が蒔いた種なのですから、私は何も言う権利がありませんでした。
「ラクナ……なにもあなたが全て悪いわけじゃないのよね……」
お母様はそう言ってくれました。
「でもね、けじめはつけないといけないから。見ての通り、我が家の爵位は無くなったも同然ね。あなたのお父様は騎兵隊から除隊されて、今は職がない状態よ。このままだとまずいから、畑でも耕すとおっしゃるけれど……はあっ。ラクナ、あなたが全て悪いわけではないのよ。私は知っているわ。だけどね……分かるかしら?私の気持ちが」
私はお母様の嘆きを理解しました。しかしながら、この事態を解決する有効な手立てがありませんでした。王子様に対する愚行は事実です。しかしながら、あれが私の意志によるものではなかった気がします。それを証明することができれば、あるいは、我が家の爵位は復活し、お父様を始め、家族の生活を保つことくらいはできるのでしょうか?
「ラクナ……あなたが全て悪いわけではないのよ。でもね……」
このまま立ち止まっていると、お母様はきっと病に倒れると思いました。だから、あの発作の原因を突き止めなければならないと思いました。
ひょっとすると、王子様と私の婚約を嫌った人間による干渉だったのかもしれません。でも、そうだとすれば、犯人は、この世界の貴族ほとんど、と言うことになるでしょう。
端的に無理です。
「あなたが全て悪いわけではない。でも、あなたが悪いのよ」
お母様と違って、お姉様は私のことを直接責めることがありました。私と王子様が婚約すると決まった時、
「そんなのあり得ないでしょう」
と冗談交じりに言っていました。はい、振り返ると、本当にあり得ませんでした。
「女の欲望を満たす機関じゃないのよ、男は」
別に私は飢えているわけではありませんでした。それは、私のことを嫌う令嬢様方のあらぬ噂でした。
「おかげで、私の婚約も頓挫した」
お姉様の婚約もまた、私のせいで破棄されました。これは、私が100%悪いのです。そう認めるしかありません。
「私の人生を返して……妹にそんなこと言えないわね……」
暫くして、お姉様は姿を消しました。私はお姉様を探そうとしました。しかしながら、お母様が、
「その必要はない。時が来たら戻ってくるはずよ」
と言いました。お母様はお姉様の所在を心得ているようでした。
「あなたが悪いわけではない……しかしながら、けじめはつけないといけないね」
お母様は言いました。
「私の意志ではないことを証明します……」
私はお母様にしっかり伝えました。しかしながら、その方法は難しかったのです。貴族の中から探すと言っても、何一つあてがありません。強いて言えば、友人のニーコに尋ねるくらいでした。彼女は私と違って、社交界でそこそこ活躍している令嬢であり、あちらこちらから情報を得ていました。だから、この事件に関して何か知っているかもしれないと思いました。
友人とはいっても、こんなふうになってしまった私と口をきいてくれるのでしょうか?私は心配し始めました。しかしながら、彼女に頼るよりありませんでした。私はニーコの家を訪れることにしました。
家の前について、玄関のベルを鳴らすか、10分くらい考えました。ひょっとすると、私と話しているところを見られるだけで、ニーコは社交界から排除される可能性もありました。罪人である私が関わるばかりに……そんなことが起きたら、私は友人まで失うことになります。
「ラクナ……こんなところで何してるの?」
ニーコは自室から私のことを覗いているみたいでした。私がずっと玄関の前で立ち往生していたので、とうとう家から出てきました。
「あら……こんにちは」
「どうしたの?そんなに畏まっちゃって……」
「いや……今日は少しお話がしたくて」
「ラクナ、ひょっとして、あなた、はぶられてるの?」
「それは元からだけど……我が家もすごくピンチなのよ」
「ははーん……なるほど、それで私に助けを求めに来たと?」
「……やっぱり虫が良すぎるかしら?」
「ラクナ……あなたって本当にバカなのね……」
はいっ、私は相当のバカですよ。
「私まで信頼できないってわけ?」
おやおや。ニーコは少し違います。
「そんなことはないよ。もしかしたら助けてくれるかもしれないと思って、はるばるやって来たのよ」
「ならば、頼っていいんじゃない?」
「……そうなの?」
「あなたって人は……。何年友達やってると思ってるの」
ニーコはそう言って、私を迎え入れてくれました。
「噂は……色々なところから聞くわ」
「やっぱりね……」
「でも、私はあなたのことを信じているから。そうじゃないと、そもそも王子様があなたを気に入るわけないでしょ?」
「……どういうこと?」
私はニーコが言わんとしていることに薄々気が付いていました。それは例えば、容姿であったり、家柄であったり、まあ、その他諸々です。確かに、私は他の令嬢様と比較して、劣っていたはずです。少なくとも外見は。
「あなたの内面を、王子様は評価したのでしょう?」
「多分……そういうことなんだよね……」
「だから。そんなあなたが、王子様を恫喝することなんてあるわけないのよ。私は信じているわ。噂なんて言うのはね、自分にチャンスが回って来た令嬢たちのネガティブキャンペーンなのよ。あなたを徹底的に潰すための作戦ね。だとすると、次に王子様と婚約する人が犯人と言うことかしら……」
「犯人?」
「あなたを操っている犯人よ」
「私を操っている?」
「そう」
私はそれが真実だとすれば、きっと納得して喜びました。しかしながら、人の気持ちを操作することなど、可能なのでしょうか?しかも、あの瞬間だけでした。
「きっと、そうなのかもしれない。方法は分からないけど。何かあるのよ」
「そうなんだ……」
「次に王子様と婚約するのは……きっと、キムリア公爵令嬢様ね……」
キムリア様……私は令嬢様の名前に覚えがありました。確か、高等学院で同じクラスで、しかも隣の席でした。
彼女が犯人?と言うより、彼女が最有力候補ですか?
容姿、学業、運動、全て私と同じくらいで、しかしながら、家柄は非常に高い……。
ああっ、家柄だけで王子様と婚約できるのですね。羨ましい話です。
私が婚約者に選ばれたので、それを回避するための作戦……彼女が犯人だとして、一体どんな方法を用いたのでしょうか?私は考えを巡らせ始めました。
0
あなたにおすすめの小説
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。
《本編完結》あの人を綺麗さっぱり忘れる方法
本見りん
恋愛
メラニー アイスナー子爵令嬢はある日婚約者ディートマーから『婚約破棄』を言い渡される。
ショックで落ち込み、彼と婚約者として過ごした日々を思い出して涙していた───が。
……あれ? 私ってずっと虐げられてない? 彼からはずっと嫌な目にあった思い出しかないんだけど!?
やっと自分が虐げられていたと気付き目が覚めたメラニー。
しかも両親も昔からディートマーに騙されている為、両親の説得から始めなければならない。
そしてこの王国ではかつて王子がやらかした『婚約破棄騒動』の為に、世間では『婚約破棄、ダメ、絶対』な風潮がある。
自分の思うようにする為に手段を選ばないだろう元婚約者ディートマーから、メラニーは無事自由を勝ち取る事が出来るのだろうか……。
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした
今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。
二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。
しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。
元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。
そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。
が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。
このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。
※ざまぁというよりは改心系です。
※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる