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その2
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いくら、ニーコの顔が広いとは言っても、キムリア様を自宅に招くということができたのは、彼女があまりにも大胆であったからということだったのでしょう。キムリア様の顔を見て、私は少し安心しました。最高位の令嬢であることを知ったのは、ずっと後になってからのことでした。
キムリア様は、こんな私にも優しく接してくださいました。その理由は後に分かりますので、ここでは割愛します。
「ようこそいらっしゃいました!」
ニーコは客のもてなしに慣れていました。キムリア様は、
「ありがとう」
と言って、家主の娘と握手しました。私の姿を見つけると、すかさず、
「あら、先客がいらっしゃったの」
と言いました。わたしは深く畏るしかありませんでした。彼女が私のことを貶めたのだと分かれば、即刻その生意気な鼻をへし折ってもいいのですが、その上品な振る舞いを一つずつ見ていると、そんな気持ちはどこかに行ってしまいました。
「こんにちは。お初にお目にかかります!」
本当は初めてではなかったのですが、きっと私のことなんか忘れているだろうと思いました。ですから、キムリア様にとって、私はお初だったはずなのです。
「あらっ、ご冗談を。私たちは学友じゃない。ラクナさん」
私は驚きのあまり、思考が全てストップしてしまいました。その後に放った言葉が、
「学友ですって?あなたが?私の?」
でした。
「あらっ、私のことを覚えていませんの?」
キムリア様のお言葉が全く耳に入りませんでした。
「あなたみたいに卑屈な方と私が学友ですって?何をおっしゃっているのかさっぱり分かりませんわ!」
「ラクナ!」
ニーコに思いっきり頬を叩かれました。私はやっと目が覚めました。
「あれっ?私、何か言ったかしら?」
あたふたしているニーコと、ニコニコと微笑むキムリア様が対照的でした。
キムリア様は、こんな私にも優しく接してくださいました。その理由は後に分かりますので、ここでは割愛します。
「ようこそいらっしゃいました!」
ニーコは客のもてなしに慣れていました。キムリア様は、
「ありがとう」
と言って、家主の娘と握手しました。私の姿を見つけると、すかさず、
「あら、先客がいらっしゃったの」
と言いました。わたしは深く畏るしかありませんでした。彼女が私のことを貶めたのだと分かれば、即刻その生意気な鼻をへし折ってもいいのですが、その上品な振る舞いを一つずつ見ていると、そんな気持ちはどこかに行ってしまいました。
「こんにちは。お初にお目にかかります!」
本当は初めてではなかったのですが、きっと私のことなんか忘れているだろうと思いました。ですから、キムリア様にとって、私はお初だったはずなのです。
「あらっ、ご冗談を。私たちは学友じゃない。ラクナさん」
私は驚きのあまり、思考が全てストップしてしまいました。その後に放った言葉が、
「学友ですって?あなたが?私の?」
でした。
「あらっ、私のことを覚えていませんの?」
キムリア様のお言葉が全く耳に入りませんでした。
「あなたみたいに卑屈な方と私が学友ですって?何をおっしゃっているのかさっぱり分かりませんわ!」
「ラクナ!」
ニーコに思いっきり頬を叩かれました。私はやっと目が覚めました。
「あれっ?私、何か言ったかしら?」
あたふたしているニーコと、ニコニコと微笑むキムリア様が対照的でした。
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