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その7
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それから数カ月経った日のことでした。
「私のこと、気に入ってくれたかしら?ラクナ様?」
「ええっ、ありがとう。キムリア様」
私はキムリア様と対等な地位になりました。肩書は公爵令嬢。別に、私のお父様が公爵になるわけではないのですが、女には特有の爵位というものがありませんので、こういうことになったのであります。肩書を頂いて、家に帰ると、お母様やお姉様は、ものすごく喜びました。
「お帰りなさいませ。ラクナ公爵令嬢様!」
お母様もお姉様も、私のことを敬いました。
「お母様、お姉様。どうか、そんなに畏まらないでくださいまし。私の爵位が通用するのは、社交界か、王家の前だけなのですから」
そう言うと、お二人は少し安心したようでした。
崩れかかったお家に、潤沢な資金が投入されたことによって、我が家は歴史上類を見ないレベルの繁栄を迎えようとしていました。
そして、キムリア様は王子様と正式に婚約を交わして、めでたしめでたし、となるはずでした。
「そう言えば、ラクナはどうしたんだっけ???」
王子様がそんなことを言うまでは。
「王子様。何をおっしゃいますの?」
「ラクナはどこにいる?」
「王子様!!!!」
「ラクナはどこにいるんだ!!!!!」
キムリア様は、婚約の祝典で倒れてしまいました。
「私のこと、気に入ってくれたかしら?ラクナ様?」
「ええっ、ありがとう。キムリア様」
私はキムリア様と対等な地位になりました。肩書は公爵令嬢。別に、私のお父様が公爵になるわけではないのですが、女には特有の爵位というものがありませんので、こういうことになったのであります。肩書を頂いて、家に帰ると、お母様やお姉様は、ものすごく喜びました。
「お帰りなさいませ。ラクナ公爵令嬢様!」
お母様もお姉様も、私のことを敬いました。
「お母様、お姉様。どうか、そんなに畏まらないでくださいまし。私の爵位が通用するのは、社交界か、王家の前だけなのですから」
そう言うと、お二人は少し安心したようでした。
崩れかかったお家に、潤沢な資金が投入されたことによって、我が家は歴史上類を見ないレベルの繁栄を迎えようとしていました。
そして、キムリア様は王子様と正式に婚約を交わして、めでたしめでたし、となるはずでした。
「そう言えば、ラクナはどうしたんだっけ???」
王子様がそんなことを言うまでは。
「王子様。何をおっしゃいますの?」
「ラクナはどこにいる?」
「王子様!!!!」
「ラクナはどこにいるんだ!!!!!」
キムリア様は、婚約の祝典で倒れてしまいました。
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