都合のいい妹に婚約者を寝取られて婚約破棄されました~辺境に逃れたら再び恋の嵐?~

tartan321

文字の大きさ
24 / 46

その23

しおりを挟む
それよりも、私を罵倒し続ける目の前にいる女に、何か制裁を加えたいと思いました。

もちろん、最初から殺すつもりなんてありませんでした。剣で威嚇すれば、そのまま引き下がると思っていたのです。

「さあ、今までの罵詈雑言を全て謝っていただきましょうか?」

と、私がいくら申し上げましても、しかしながら、彼女は謝るそぶりを一向に見せませんでした。このせいで、会場がざわつき始めました。

どうして謝らないのか、王家に次ぐ格式高い令嬢ににらまれてしまっては、このまま令嬢として生きていくことができない……誰もがそう思ったはずです。ただ謝りさえすれば、そこで全て解決してしまうような気がしていたのでしょう。実際、私もそう思っておりました。

彼女は何も言葉を発しないので、私は剣先を彼女の喉下にむけました。

「どうしたんですか?あなたは謝る気がないのですか?それでしたら、私に対する侮辱を持って、この場であなたを殺してしまっても文句は言いませんね?」

私は会場の皆さんに問いかけました。そして、伯爵にも問いかけました。

もちろん、誰も反対しませんでした。意図的にこうしているわけではありませんが、やはり、面と向かって私に逆らうことができる人間はこの女を除いて他にいませんでした。

「くだらない、本当にくだらないわ!」

彼女もまた、懐から剣を抜きました。

「あら、あなたも剣を使うんですか?たまげたものです。しかしながら……あまりきちんと手入れをしていないようですね。先っぽが腐りかけていますから………」

「問答無用!」

彼女は本当に襲いかかってきました。しかしながら、その動きはまったくの初心者でした。私は彼女をさっと交わし、彼女の後ろ側に素早く回り込みました。

「どうして!」

彼女が驚いている瞬間に、私は剣先を彼女の手と足に刻み込みました。

歩くことができず、そして剣をにぎることができなくなり、彼女はその場に倒れこみました。

その一部始終を見守っていた伯爵は、とても驚いていました。そして、私に質問しました。

「殺したのですか?」

私はこのように答えました。

「本来ならば、殺してしまっても問題ないのでしょうけど、どうして私に襲いかかったのかその理由が知りたいものですから。生かしておくことにしました」

そして、血のついた剣先を丁寧に紙で拭き取り、聖剣を鞘に納めました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

婚約破棄されたので、とりあえず王太子のことは忘れます!

パリパリかぷちーの
恋愛
クライネルト公爵令嬢のリーチュは、王太子ジークフリートから卒業パーティーで大勢の前で婚約破棄を告げられる。しかし、王太子妃教育から解放されることを喜ぶリーチュは全く意に介さず、むしろ祝杯をあげる始末。彼女は領地の離宮に引きこもり、趣味である薬草園作りに没頭する自由な日々を謳歌し始める。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話

ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。 リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。 婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。 どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。 死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて…… ※正常な人があまりいない話です。

処理中です...