上 下
15 / 18

その15

しおりを挟む
「いいんです。どうせ私が悪いんですから……。私がハル様と仲良くすればそれでいいんです……」

私はきっと、やつれた人形のように空を眺めていたのでしょう。母は私に覆いかぶさって、再び泣かせてしまいました。

「お母様……私は大丈夫ですから、おはなしください……」

「ダメです。私はすべてわかっています。心の中で、あなたがどれほど傷ついているか。そんなこともわからないのですか、あなたは!」

母はとうとう、父に刃を向けるようになりました。

「ふざけるな!お前までどうしたんだ!」

父は少し動揺していました。母は味方だとずっと思っていたのでしょう。でも、そんな事はありませんでした。母は常に私の味方でした。
しおりを挟む

処理中です...