婚約破棄ですか?どうぞご自由に!ああ、でも後悔しないでくださいね?

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その1

私の名前はマリアと申します。世界に幸福をもたらす存在マリア……という意味を両親はこめたのだと思います。しかしながら、結果としてこの世界の動乱を招くことになろうとは、誰も想像していなかったのでございましょう。

安い平社会の中では一応貴族ということで頑張っておりますが、まあ、にっちもさっちもいかない貧乏貴族令嬢なのでございます。

さて、一応令嬢でございますから、婚約をしなくてはなりません。私に相応しい貴族と言うのは……精々地方役人の長官くらいが関の山でした。本来ならば。


そんな私の婚約事情を嵐のようにかき乱して下さったのが、何を隠そう、第一王子のハブ様でございました。

ハブ様との出会いは、学院の修学旅行でした。別に、ただ班が一緒だったということだけなのですが、どういうわけだか、ハブ様は私に関心を持つようになられたみたいでした。

昼の旅行が終わって、学院の宿舎に入りますと、ハブ様に呼び止められて、

「少しいいかな?」

と誘われました。

もちろん、断ることなんて出来ませんでした。

私はただ、

「承知しました」

と緊張しながらも答えました。


思い返せば、あの出会い事態が滑稽でしたが、私はその後、ハブ様からどういうわけだかプロポーズを受けることになりました。まずは食事という名目で、王宮に招かれるようになりました。

「君のことが好きになったんだ。どうだろう、もう少し親密にならないか?」

私はこれは何かの策略ではないのか、と最初は疑いました。だって、話がうまく行き過ぎていましたから。でも、ハブ様の瞳に偽りはございませんでした(という風に見えました)。

「君の心に乾杯しようじゃないか。そして、この先の人生の門出に……」

後から聞いた話なんですが、ハブ様は相当なロマンチストであり、このような話をするのは、わけもなかったようでした。

とは言うものの、私も一応は女でございますから、これほどアタックされますと、やはり女心は動じてしまいますね。


「私と婚約してくれないだろうか?」

こう言われたときは……もうテンションマックスでした。だって、そうでしょう?王子様からこんなことを、しかも真顔で言われてしまっては……驚きようがございません!!!

「ありがとうございます」

余計なことは言いませんでした。この感謝が、私の素直な気持ちでございました。


しかしながら、これが全てハブ様の策略であったと……後々気がつくことになりました。















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