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その9

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私が消えることによって、この世界は滅びる。

私がこの世界に存在し続ける限り、人間は魔物の脅威から守られる。

でも、彼らはそれを望んでいない。でたらめな人生に身を任せ、全てを終焉に向かわせようとする。

さあ、私はここを去ればいい。もう何も気にしない。

「さようなら……」

この声すら届かないところで、あなたたちがバカみたいに笑い続けるのを、私は見届けるだけ。

この世界に終焉を。
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