健全なる悪役令嬢がドロッドロな男汁を搾り取る件

婚約破棄の仇

そもそも私が悪役を買って出たのは、婚約破棄された友人を救うためでした。浮気しておいて、その上、不条理な理由で婚約破棄されるのですから、友人は、悲しいという言葉だけで片付けることができません。

「大丈夫よ。私があなたの仇を討ってあげるから」

友人と違って私には力と魅力がありました。友人と別れた男の子を口説くのは容易でした。

「ねえ、今夜お姉さんと遊ばない？たっぷりいじめてあげるから」

男の子がマゾであることは、友人の証言から分かりました。

「アンナ様と、ですか？」

私はこう見えて、指折りの貴族なのです。金も名誉も、ある意味思いのままなのです。ただ一つ欠けているものは良心でしょうか？

とにかく、男の子は私の蜜口に吸い寄せられました。第1段階の成功です。