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エピローグ
第51話 聖女の復讐
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「俺のことは?」
「お答えできません。彼の勇者様の迷宮案内をしていただいたということ以外、何も存じ上げておりません」
「おい……」
それは嘘だろう?
聖女は目を伏せてこちらを見ようとしない。
まぶたを開ければ、そこには一度見てしまったら逃れられない真実が待っているから。
その真実を知ってしまったら認めてしまったら、抗えなくなる。
恋人を捨て、神殿も、聖女の役割も。何もかも投げ捨てて、兄の元へと駆け寄るだろう。
自分たち二人だけで生きていける場所を、目指そうと考えるだろう。そして二度と、ここには戻ってこない。けれどもそれを選べば、自分が犯した罪は許されない。
「オフィーリア! 俺はずっとお前のことを」
「言わないでください! どうかお願い、何も言わないで! 何も知りたくない。彼が大事なのです。私にとって初めての家族になる存在なのです。どんな悪人でもいい、彼を奪わないで!」
「オフィーリア……」
その叫び声が本物か偽物か。
どれほど虚実入り混じりであったとしても、それは本当の気持ちのひとつなんだろう。
心の底で勇者を手放したくないと望むのなら、もうこれ以上、兄としてしてやれることは何もない。
「お願いします。どうかお願い、私たちを見過ごしてください!」
ケリーと同じだ。
一度こうすると決めた女性は簡単には揺るがない。
自分の人生を例えそれが過ちであっても生きるのだと決めたら、彼女はそれを貫き通すのだろう。
キースは腕の銀環を外すと、オフィーリアの顔面に向けてぶつけていた。
もはや、そんなものは必要ない。
兄妹の縁は、いま途切れたのだと、いわんばかりに。
「あっ!」
「……今探していた妹がもう死んだらしい。それは形見だ。持っていても仕方がない。お前みたいな哀れな女にくれてやるよ」
この言葉は嘘だ。
オフィーリアはそう感じた。兄として彼がしてくれる精一杯の賛辞なのだ、と。
「ありがとうございます! ありがとう……」
ザッと大地を蹴る足音がする。
今度は蹴られるのか。それならばせめて、アレクは守らないと。
オフィーリアは全身で勇者をかばう。だがいつまでたっても、何もやってこなかった。
「……」
薄く目を広げると、そこにいるのは黒狼だけだ。
「彼は?」
「言ってしまった。呆れた愚か者だな、お前は。そんな男のどこに救う価値がある?」
「価値なんて、そんな……。彼がこれまでしてきたことの罪を贖わせることが、妻たる私の役割です。私の罪も含めて」
はあ、と黒狼は大きなため息をついた。
「お前の罪は杯をあおったことぐらいだ。あの場所で他の連中が決めたことだ。お前よりも権力があり長い時間、王国を支配してきた。お前の罪は」
「私の罪は?」
「前にも話しただろう。俺が犠牲者たちを再生させ、俺が彼らに謝罪をすることで、全てはチャラになってると! どうしてお前はこういう大事な時に限ってそんな格好つけるようなことするんだ!」
それまで黙っていた鬱憤を晴らすかのように、黒狼は叫んだ。
神々が彼女の罪を清算したのだ。
ようやく兄に出会えて幸せになれるという時に、それを手放すことはあまりにも愚かしい行為だと、彼はオフィーリアをしかった。
確認するように問う。
「本当にその勇者を愛しているのか?」
「……いいえ」
「ならどうして」
「私と兄は引き裂かれた。幼い頃のそれは、この人が原因だから」
家族の幸せな時間を奪ったこの男に、復讐をするために――。
聖女は清らかな笑顔でそう告げた。
◇
妹に背を向けて虚無の世界に戻ってみたら、なんだかとてもややこしいことになっていて。
真っ先にかかった声がこれだった。
「めんどくさいことになった! 逃げるぞ、ついてこい。もちろんついてくると信じているぞ、キース?」
「なんだよ面倒くさい事って」
「総合ギルドと国の上層部が色々とやらかしていたことが明るみに出たらしい」
「それは、反乱で決着を付けるっていう話じゃなかったのか」
「国の中だけの話なら、それでよかった」
ダークエルフはくるりと踵を返す。
「中央大陸の総合ギルド本部まで、報告が上がったようだ。一体誰がやってくれたことやら」
「そういう面倒くさいことになるから。もっと静かにやろうって言ったのに」
「いいのだ。ここまで来れば、古い体制を貫いてきたこの国も、地下世界に至るまで、変わらなければいけないだろう。お前はどうする?」
「どうするって。お前はどうするんだよ」
「私は元に戻る」
「つまり?」
「魔獣生物学者として、世界中を回って、貴重な魔獣たちを見て回る。ついてくるのかついてこないのか?」
来るなら早くしろ。
そう言って、彼女は足早に歩き出した。だからキースは提案してみたのだ。
「おい、それならまず、この地下迷宮から始めたらどうなんだ?」
「お前バカだな。追いかけられるかもしれないぞ? 勇者の手にかけたのだから」
「それは多分。大丈夫だろ」
「本当か?」
ライシャは訝しげに眉根を寄せた。
キースはたぶん、と請け負う。あの会話は聖女の本心のはずだ。
虚無の世界。
そのいいところは、現実世界を垣間見ることができることだ。
妹の思いはよくわかった。
今からちょっと戻って、妹と勇者を引き離して、勇者だけ地上世界に放り出すのも悪くない。
「そうだよ。ここまでやったんだからちょっと付き合え。悪いことをする」
「悪いことか?」
ダークエルフの耳が、興味深そうにピョンと跳ねた。
好奇心旺盛な彼女は瞳を輝かせて何をするのだ、早く教えろ、と言ってくる。
「家族を取り戻すんだよ」
「そうか! それはいい悪いことだ! ついでに私のことを紹介しろ」
「はあ? 俺のベッドに勝手に潜り込む変態だって紹介するのか?」
「馬鹿を言うな! どこの露出狂だ、それは。お前と肌を合わせてやったんだ。恋人みたいなもんなろ? 命だって助けてやった」
「一番めんどくせえよ」
「なんだと? この恩知らず!」
ライシャは心外だと叫ぶ。
オフィーリアとこのダークエルフがうまくやってくれるかどうか、キースの心には今一つ実感が湧かない。
「ところで、あの後どうしてたんだ?」
「あの後? ああ、内務調査局に乗り込み、バクスターを半殺しにした。そうしたら、賢人会とかいう名前が出てな。まあ、そこから後は妹に訊くがいい」
さっさと迎えに行って来い、と背中を押される。
そうだな、あいつが復讐をするとすれば、それはいましかない。
「血で手を濡らすなら、俺がやったほうがいいな」
自嘲気味に呟くと、ライシャはふんっと鼻を鳴らす。
まるですべて知っているというように。
「狼が自分の守護した者に、そうそう罪など犯させるものか」
「……なんで知っているんだ?」
彼女は面倒くさそうに手を振る。
早く行け、そういう合図だ。虚無を伝い、キースが戻って見れば、そこにいたのは泣きじゃくる妹と、残念そうな顔をした黒狼。
そして、静かに息を引き取った勇者の骸だった。
「お答えできません。彼の勇者様の迷宮案内をしていただいたということ以外、何も存じ上げておりません」
「おい……」
それは嘘だろう?
聖女は目を伏せてこちらを見ようとしない。
まぶたを開ければ、そこには一度見てしまったら逃れられない真実が待っているから。
その真実を知ってしまったら認めてしまったら、抗えなくなる。
恋人を捨て、神殿も、聖女の役割も。何もかも投げ捨てて、兄の元へと駆け寄るだろう。
自分たち二人だけで生きていける場所を、目指そうと考えるだろう。そして二度と、ここには戻ってこない。けれどもそれを選べば、自分が犯した罪は許されない。
「オフィーリア! 俺はずっとお前のことを」
「言わないでください! どうかお願い、何も言わないで! 何も知りたくない。彼が大事なのです。私にとって初めての家族になる存在なのです。どんな悪人でもいい、彼を奪わないで!」
「オフィーリア……」
その叫び声が本物か偽物か。
どれほど虚実入り混じりであったとしても、それは本当の気持ちのひとつなんだろう。
心の底で勇者を手放したくないと望むのなら、もうこれ以上、兄としてしてやれることは何もない。
「お願いします。どうかお願い、私たちを見過ごしてください!」
ケリーと同じだ。
一度こうすると決めた女性は簡単には揺るがない。
自分の人生を例えそれが過ちであっても生きるのだと決めたら、彼女はそれを貫き通すのだろう。
キースは腕の銀環を外すと、オフィーリアの顔面に向けてぶつけていた。
もはや、そんなものは必要ない。
兄妹の縁は、いま途切れたのだと、いわんばかりに。
「あっ!」
「……今探していた妹がもう死んだらしい。それは形見だ。持っていても仕方がない。お前みたいな哀れな女にくれてやるよ」
この言葉は嘘だ。
オフィーリアはそう感じた。兄として彼がしてくれる精一杯の賛辞なのだ、と。
「ありがとうございます! ありがとう……」
ザッと大地を蹴る足音がする。
今度は蹴られるのか。それならばせめて、アレクは守らないと。
オフィーリアは全身で勇者をかばう。だがいつまでたっても、何もやってこなかった。
「……」
薄く目を広げると、そこにいるのは黒狼だけだ。
「彼は?」
「言ってしまった。呆れた愚か者だな、お前は。そんな男のどこに救う価値がある?」
「価値なんて、そんな……。彼がこれまでしてきたことの罪を贖わせることが、妻たる私の役割です。私の罪も含めて」
はあ、と黒狼は大きなため息をついた。
「お前の罪は杯をあおったことぐらいだ。あの場所で他の連中が決めたことだ。お前よりも権力があり長い時間、王国を支配してきた。お前の罪は」
「私の罪は?」
「前にも話しただろう。俺が犠牲者たちを再生させ、俺が彼らに謝罪をすることで、全てはチャラになってると! どうしてお前はこういう大事な時に限ってそんな格好つけるようなことするんだ!」
それまで黙っていた鬱憤を晴らすかのように、黒狼は叫んだ。
神々が彼女の罪を清算したのだ。
ようやく兄に出会えて幸せになれるという時に、それを手放すことはあまりにも愚かしい行為だと、彼はオフィーリアをしかった。
確認するように問う。
「本当にその勇者を愛しているのか?」
「……いいえ」
「ならどうして」
「私と兄は引き裂かれた。幼い頃のそれは、この人が原因だから」
家族の幸せな時間を奪ったこの男に、復讐をするために――。
聖女は清らかな笑顔でそう告げた。
◇
妹に背を向けて虚無の世界に戻ってみたら、なんだかとてもややこしいことになっていて。
真っ先にかかった声がこれだった。
「めんどくさいことになった! 逃げるぞ、ついてこい。もちろんついてくると信じているぞ、キース?」
「なんだよ面倒くさい事って」
「総合ギルドと国の上層部が色々とやらかしていたことが明るみに出たらしい」
「それは、反乱で決着を付けるっていう話じゃなかったのか」
「国の中だけの話なら、それでよかった」
ダークエルフはくるりと踵を返す。
「中央大陸の総合ギルド本部まで、報告が上がったようだ。一体誰がやってくれたことやら」
「そういう面倒くさいことになるから。もっと静かにやろうって言ったのに」
「いいのだ。ここまで来れば、古い体制を貫いてきたこの国も、地下世界に至るまで、変わらなければいけないだろう。お前はどうする?」
「どうするって。お前はどうするんだよ」
「私は元に戻る」
「つまり?」
「魔獣生物学者として、世界中を回って、貴重な魔獣たちを見て回る。ついてくるのかついてこないのか?」
来るなら早くしろ。
そう言って、彼女は足早に歩き出した。だからキースは提案してみたのだ。
「おい、それならまず、この地下迷宮から始めたらどうなんだ?」
「お前バカだな。追いかけられるかもしれないぞ? 勇者の手にかけたのだから」
「それは多分。大丈夫だろ」
「本当か?」
ライシャは訝しげに眉根を寄せた。
キースはたぶん、と請け負う。あの会話は聖女の本心のはずだ。
虚無の世界。
そのいいところは、現実世界を垣間見ることができることだ。
妹の思いはよくわかった。
今からちょっと戻って、妹と勇者を引き離して、勇者だけ地上世界に放り出すのも悪くない。
「そうだよ。ここまでやったんだからちょっと付き合え。悪いことをする」
「悪いことか?」
ダークエルフの耳が、興味深そうにピョンと跳ねた。
好奇心旺盛な彼女は瞳を輝かせて何をするのだ、早く教えろ、と言ってくる。
「家族を取り戻すんだよ」
「そうか! それはいい悪いことだ! ついでに私のことを紹介しろ」
「はあ? 俺のベッドに勝手に潜り込む変態だって紹介するのか?」
「馬鹿を言うな! どこの露出狂だ、それは。お前と肌を合わせてやったんだ。恋人みたいなもんなろ? 命だって助けてやった」
「一番めんどくせえよ」
「なんだと? この恩知らず!」
ライシャは心外だと叫ぶ。
オフィーリアとこのダークエルフがうまくやってくれるかどうか、キースの心には今一つ実感が湧かない。
「ところで、あの後どうしてたんだ?」
「あの後? ああ、内務調査局に乗り込み、バクスターを半殺しにした。そうしたら、賢人会とかいう名前が出てな。まあ、そこから後は妹に訊くがいい」
さっさと迎えに行って来い、と背中を押される。
そうだな、あいつが復讐をするとすれば、それはいましかない。
「血で手を濡らすなら、俺がやったほうがいいな」
自嘲気味に呟くと、ライシャはふんっと鼻を鳴らす。
まるですべて知っているというように。
「狼が自分の守護した者に、そうそう罪など犯させるものか」
「……なんで知っているんだ?」
彼女は面倒くさそうに手を振る。
早く行け、そういう合図だ。虚無を伝い、キースが戻って見れば、そこにいたのは泣きじゃくる妹と、残念そうな顔をした黒狼。
そして、静かに息を引き取った勇者の骸だった。
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