悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき

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 好きな人、ラプス様との交際は怖いくらいに順調で、クラスや部活が違って離れている時間がそこそこ長くて寂しくなるけど、幸せを過剰摂取しないためだと思うと沈みかけた心も落ち着く。
 少しずつ距離を縮めてる効果もあってか、ラプス様のお側にいても涙は滲まなくなってきた。
 つ、次のステップは触れ合うってところになるかな?はぁ、ドキドキする。でも、本当は僕だって、ラプス様ともっとすごいことしたいと思ってるし、恥ずかしくて言えないけど、でもきっといつかそういうことをする日も来るはずだから。
 ラプス様もお勉強を頑張られてるし、僕も頑張ろう!
「ご機嫌なのは、愛しの人との交際が順調な証かな?」
「お疲れ様、リン。そんな風に言われると恥ずかしいよ」
「お疲れ様、レイ。私は親友が幸せそうで嬉しいよ」
「ありがとう。今日も手合わせお願いね」
「もちろん、こちらからもよろしく頼むよ」
 授業終りの放課後、部活動に向かう途中、同じ剣術部のダージリンに声かけられた。
 ダージリンは王宮で共に学びを受けた幼馴染み兼親友兼戦友だ。ラプス様にとっては従姉でもある。
 そう言えば、ラプス様はあの頃から授業をよくお一人で抜け出してたな。
「最近、従弟が勉強を頑張っていると聞いた。レイのおかげだろう?皆、感謝してるよ」
「僕が出来るのはお手伝いくらいだけどね」
 ラプス様が勉強が苦手な原因として、ラプス様の執事のシュガールさんから言いにくそうに、ラプス様が僕に嫌われてるんじゃないかと日々不安に思って、勉強をはじめ色々と集中出来なかったって言われた時は、ずっとラプス様は僕のことを思っててくれたんだなんて喜んじゃった。僕のせいだって言われてるようなものなんだけどね。
 よくよく思い出すと、僕のことは関係なくラプス様は勉強があまりお好きではなかったんだろうな。
 シュガールさんとしては、とにかく僕に手伝ってほしかったのかも。
「僕が出来ることがもっとあればいいんだけど」
 恥ずかしいけどラプス様が僕を愛してくれてるなら、なんて思って提案してみたことは、どれもラプス様のやる気に繋がっているみたいで、嬉しくて恥ずかしいを毎回更新している。
「現時点でラプサンスをやる気にさせることが出来るのは恋の力しかないだろうね」
「うーん、嬉しいけど、それじゃあ困ることも色々出てきちゃうね」
 僕に出来ることなんて限界があるもんな。
「私は頑張った自分へのご褒美を決めて、それに向けて色々と取り組んでいたな」
「あ、分かる。僕も時々ご褒美スイーツをティズに用意してもらってた。ラプス様にもご褒美の提案してみようかな」
「ご褒美を得るために、ティータイムになるでも買い物に行くでも、その時はレイも同席させてもらえばいい」
「そっ、そうしようかな」
 そこで改めてラプス様の好きなものを知れて、今後の参考にもなるだろうし!
「ありがとう、リン」
「私も大したことは言ってないけど、どういたしまして。お礼は今日の特別講師の近衛騎士との手合わせの申込優先権はいかが?」
「喜んで差し上げるよ」
 リンが上機嫌になる。強い人との手合わせは楽しいもんね。確かに、親友が幸せそうだと僕も嬉しいな。
 前世の記憶の中にある物語では、ダージリンは男性で僕と同じ名前の令嬢の従者だった。あの物語と全く異なる存在な人がいると、物語の結末とは違う未来を迎えられるという期待を持てる。
 まぁ、ラプス様と僕はもう既に物語とは違って、とっても仲睦まじいけどね。
 ラプス様に会いたくなっちゃったけど、まずは部活を楽しもう。

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